紅ミュージアムの企画展「ちぃさい、ちっこい、ちっちゃ!」に行きました! | 化粧の日本史ブログ by Yamamura

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◆雛飾りやままごとの道具などミニチュアがたくさん!化粧道具や鏡台も!

こんにちは、山村です!


今回は、化粧に関わる展覧会の紹介です。

 

この企画展、開催期日が

10月18日~12月11日までだったので、

もう終わっているのですが、

とてもおもしろい展示だったので内容をご紹介します。

会場となった南青山の、

伊勢半本店紅ミュージアムは、

小さいけれど、いつも工夫に富んだ企画展を

開催しています。

 

コロナの影響もあって、

今回の企画展はなんと5年ぶりだそう。

タイトルの「ちぃさい、ちっこい、ちっちゃ!」

から想像がつくように、

子どものままごとなどに使われた

ミニチュアの勝手道具や、

雛飾りの化粧道具などがテーマドキドキ


遺跡から発掘されたままごと道具から、

名の知れたおもちゃ屋が販売していた

高級お勝手セットなどもありましたビックリマーク

下の写真は展覧会の図録!!

 


 

表紙の真ん中にあるのは明治時代末期の

雛の勝手道具(台所道具)一式。


兵庫県姫路市にある

日本玩具博物館のコレクションで、
セットを展開すると、長さは1メートルちょっと。

江戸時代後期から、京阪神では雛飾りに

こうした勝手道具がついていて、

お節句のままごと道具として、

子どもたちが遊んでいたそうです。

この中で、注目してほしいのは、

左側の女性の人形の手前にある桶ビックリマーク


写真OKだったので撮ってきました。

 


 

この桶ですが、顔や髪を洗いやすいよう、

足がついて高くなっています。


中に入っているのは、ぬか袋、手ぬぐい。

手前に見える金属製の容器は、

明治時代末期という制作時期を考慮すると、

石鹸入れでしょうね。


洗顔や洗髪に使う小物まで、

忠実に作られているのは驚きでしたびっくり

図録表紙をもう一度見てください。
左上の台所道具セットは、

展開して50センチ位とかなり小さな作りです。


個人コレクションですが、

こちらは江戸時代末期に制作された

大人の鑑賞用の台所道具。


大人が愛でるお勝手セットですラブラブ

昔のコレクターズアイテムですね。

 

雛道具やこうしたミニチュアセットを

作っている店として、江戸では、

浅草の武蔵屋や、池之端の七澤屋が有名でした。


精緻なミニチュアゆえに値段も高く、

武蔵屋は「ぜいたく屋」とも呼ばれていたとのこと。


この他、印象的だったのが、ミニチュアの食膳。

小さな皿の文様もすべて手描き。

右下のお膳など、

鯛の塩焼きの焦げ目まで再現されています!!

 

 

箱庭のように日用品がギュッと凝縮された

展示品の数々から、

当時の女性たちの暮らしぶりが、

見えてくる気がします。

 

そして、これらを制作した職人たちの

技術力の高さもビックリマーク

 

昔の櫛や根付など、装身具の精緻さと

共通するものがありますね。

 

小さいながらも、

昔にタイムスリップさせてくれる、

素敵な展覧会でした。

 

次回は12月31日頃更新予定。