昔から貧乏金なし・・・と言いますが、
実はですね、数年前から、
仕事をすればするほど赤字になる部品というのを販売していたことが発覚いたしました。
というのはですね、しれっと数回に分けて材料費や加工費が値上げされていて、
伝票を見て、あれ?こんなに高かったけ???と思いながら、とくに検証もしてなかったんですね。
それがS2000用オイルキャッチタンクとNSX用オイルキャッチ&リザーブタンクなんです。
そしてまた・・・
それが、困ったことに、結構売れてたんですよね。
もうS2000用なんか売れる毎に一万円消えるみたいな感じでした。
で慌てて一万円値上げして、やっと原価、お願いだから、誰も買わないでって、神様に祈りながら
日々過ごしていたのですが、その願いむなしく、売れるんですよね。
その商品がこちら
↓↓
元々、貧乏プライベーターだったおいら、といってもシリンダーヘッドをアスファルトの上で自転車で引きづりまわして
面研磨して圧縮比を上げるほどの貧乏ではなかったのだけれども、オイルキャッチタンクなんぞ、
そこらにある物でDIYで作ったらええやん・・・って思ってたわけです。
だからと言ってオイル缶に穴をあけてホース突き刺すほどの荒くれ者にもなれず、
アルミ板を切って曲げて作ったり、その昔は色んな苦労をしていたわけです。
で苦労して作った割には、某社の丸い筒状の汎用オイルキャッチタンクより高額になってしまって
それなら買ったらいいか・・・となってしばらく使っていたこともあります。
でもね・・・なんかね。
あの丸いピカピカの缶で赤青のホースニップルがついてる奴ね、あれエンジンルーム開けた時に
物凄く残念な雰囲気なんですよね。
納まりが悪いというか、とってつけました感が缶だけに半端ないといいますか・・・
で開発したのがこれ。
バッテリをワンランク小さくしたら、その開いたスペースに置くだけの簡単かつ省スペース型オイルキャッチタンク。
おそらく、おいらが知る限り、このアイデアはおいらが世界初なのだけど、そのあと、ちらほら同じアイデアのを
見かけるようになりました。
誰かにコピーされるなら、コピーしても、儲からないくらいの価格だと思わせる価格で売ろうと思ってたらね
コピーが高い値段で売ってるやんみたいな・・・
そしてこちらは、NSX用でオイルキャッチタンクと、ウォータータンクが、一緒になったもの。
NSXでよくあるパターンのオイルキャッチタンク取り付け方法は、フロントバンクのヘッドカバーの上あたりに
丁度Vバンクの開いた隙間に入るような、下向き楔形で横長のタンクを見かけるのだけど
あれも、まあ・・・苦肉の策的な感(缶)が否めず、ちょっと残念なんですよね。
めったにすることないだろうけど、プラグ交換面どそうだしね。
たかが缶、されど缶。
とにかくシンプルに見えて、しかも機能性と機能美がなけりゃダメなんですよ。
NSX用はね、誰もやってくれないから、
おいらが一生懸命1個ずつね、2時間くらいかけて、手磨きで磨いて出荷してるんですよ!
なのに、売れたら数千円払わないといけないみたいな・・・正直、結構辛かったっす。
そんな、わけで現在、一生懸命、コストを落としながら、しかも美しさ、可用性を向上させた缶を
ない頭絞って考えております。
ちなみにS2000用はAP1/AP2どちらも対応できて、他の車種でも使えるように左右向きを変更できるようにします。
S2000専用と謳いながら、何処かでスカイライン専用とかいって売ってるようなことが将来起きるかもしれないことを
期待しながら設計変更します。
こちらはNSX用ね。
オイルキャッチタンクを丸パイプを使用することにより溶接距離を短縮?
ステー等を一体化し、これまた溶接距離を短縮。
プラズマカットの切断距離も短縮され、曲げ箇所も減るからコスト下がるかも・・・
でもね、見えない内部も、ちゃんとミストセパレーターが入ってるし、結構真面目な作りなんですよ。
ちなみに、よくご質問メールを頂くのですが、
「オイルキャッチタンクにオイルが溜まるんです。配管方法が間違っているのでしょうか?」
毎度、お答えするのが申し訳ないのだけど・・・
それは、残念ながら、エンジン終了のお知らせです。
ピストンクリアランスが元から超ガバガバな超旧車や、ブロー覚悟のびっくりブーストなターボでもない限り
基本、溜まらないが正解です。
NSXやS2000なら車検おきにひっくり返して、なんとなく汚いコーヒー牛乳的なのが数ミリ程度。
レベルゲージがすぐに汚れる車は、オイル交換早めに。
全然、話変わるけど
60年前のJIS規格に基づく製図法という本です。
昔は、みんな手書きで、この複雑な図面書いてたと思うと、ちょっとびっくりです。
ネジの図面1枚でまるっと1日かかりそう・・・