変わらないという、猛烈な変化。 | くるまの達人

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とか、タイトルで謳いながら、実はただの日記だったりするけど、いいですか?

「お変わりございませんか。」

懐かしい便りの枕詞。相手の様子を伺
う常套句、とても素敵な言葉だと思う。



ふと考えたのだけど、変わらないとは、
どういうことだろう。

時間の流れは止められない。この世の
すべてのものごとを抱き込んで、下流
に向かって流れてゆく。だからすべて
のものごとは、ごろごろと転がり、場
所を変え、かたちを変え、やがて粉の
ように微塵になって誰の記憶の中から
も消えてゆくまで変わり続ける。

あるいは地べたに結んだ小さな目立た
ぬつぼみは、やがて大輪の花を咲かせ
衆目を集める見事な価値を帯びる。

止まらぬ時間の中では、すべてのもの
ごとが変化し続ける。そのような中で、
変わらないということは、どういうこ
とだろう。


変わらない。それは、それを眺める外
目にとって、変わらず映るということ。


止まらぬ時間に移ろいすべてが変化し
た景色の中で変わらず映っている何か
があるとしたら、それは猛烈に変化す
ることによって在り方を保っているの
ではないか。

そんな風に思った。




お変わりございませんか。

はい、変わらずやってます。



この猛烈な変化の秘密について、もっ
と深く想い巡って書いてみようと思う。



カウントダウン級の忙しさの中で引き
受けてくれた酷暑の夜の熱いやりとり。
リクルートの「カーセンサーエッジ」
誌「クルマの達人」、8月末頃発売号
への掲載です。




山口宗久(YAMAGUCHI-MUNEHISA.COM)
webTV「モーター日本」
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