迷路作り | 山田小説 (オリジナル超短編小説) 公開の場

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 夜、私は自室で勉強机に向かい、鉛筆で紙に迷路を描いていた。まったく無計画に中央から描き始めたのだった。始点や終点は設定していなかったが、完成してから自分で解くつもりがないので問題はないと判断していた。複雑に入り組んだ迷路を作ろうと思いながら通路の分岐点と結合点を増やしていっていた。

 そろそろ就寝するべき時刻になってきていたが、私は迷路作りに夢中になっていて手が離せなくなっていた。紙が広いので大量の線を描き込めるのだった。しかし、明日も学校があるので夜更かしをしているわけにはいかないと判断し、私は外へと通じる通路をすべて閉じていった。それで、その迷路は出口を失った。誰も立ち入れなくなった。


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