数字と共に | 山田小説 (オリジナル超短編小説) 公開の場

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しばしば頭の中に数字が鮮明な映像として去来する(1)それは一桁の場合もあれば(1)数百桁もありそうな時もある(13)学校で初めて数を文字として教わった時分から続いている癖である(8)親や教師などにも相談してみたが(16)誰にも理解してもらえなかった(15)親しい間柄の人間にさえ共感してもらえないので悲しかった(16)普通の人間になりたかった(12)私はやがて自分と他人の主観が異なるらしいと悟った(7)

 大人になっても数字は消えなかった(3)少なくとも一日に十回以上の頻度で現れた(4)時には夢にさえ登場した(10)そこに法則を見出そうと試みた事もあった(1)何らかの規則性があるのではないかと考えていた(7)それが発見できれば数字も消えるのではないかと根拠もなく期待していた(1)現状を変化させる要因になるかもしれなかった(11)私は記録を取り始めた(7)帳面に数字とその際の行動と時刻を書いていった(11)

 法則はまだ見出せていない(8)しかしながら帳面を発見した両親はびっしりと書き込まれた記録の膨大さに驚いた様子だった(1)その時になってようやく子供だった頃からの私の主張が少なくとも主観的には嘘ではなかったのだと理解したらしかった(1)彼等は本気で心配し始めた様子だった(8)帳面を知り合いの数学者に見せてくれると約束してくれた(11)

 今はその成り行きを見守りながら帳面の記述を続けている(4)数学者には問題解決への糸口になりそうな回答を期待している(13)それと同時に不安も抱いている(1)頭の中に去来する数字に一切の脈略がなければ失望するのでないかと懸念している(16)


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