金魚を飼う私 | 山田小説 (オリジナル超短編小説) 公開の場

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 赤道付近の孤島でたまたま目にした緑色の海面がとても美しかったので、私は旅の土産物としてその水を大量に持ち帰る事にした。そして、帰宅してから水槽に入れて寝室に飾っておいたのだが、そのままでは変化がないので徐々に飽きていくかもしれない。ある日、そんな危惧を感じた。そこで、私は水槽に数匹の海水対応型金魚を放っておこうと思い付いた。
 
 金魚達はその長い尾びれを優雅に揺らしながら丸っこい肉体をゆっくりと移動させている。そうして浮上したり沈潜したりの気ままな運動を延々と繰り替えしている。事前の予想を超えるくらい幻想的な光景なので私としては非常に満足である。これで、旅の素敵な思い出がしばらく色褪せる事なく残ってくれるだろう事を確信できるわけである。

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