発禁モデルガンネタ。MGC ステンマークⅢ。 | 山と道具と

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◆ 昭和52年等の規制によって、製造や売買等が出来なくなり、

  市場から姿を消したモデルガンは多い。

  その中の一部を、後生大事に保管している訳だが、

  これまで、細部を記事にしてきたモデルは、

  MGCスターリング と

  MGC M-31 RS だけだった。

  

  で、今回は、MGC ステンマークⅢを取り上げたい。

  (このステンは、ハドソンのグリスガンとともに、

  ちょとだけ記事にしたことがあるケド・・・。)

↑ 普段は、バラした状態で新聞紙にくるんで保管している。

  本箱はどのモデルも入手直後に廃棄している。

  今更ながら、取っておけば良かったと後悔しきり。

↑ スターリングと同じように、マガジン(弾倉)が左側に付くスタイル。

↑ マガジンはなんと・・・

↑ シュマイザーMP40のモノが流用されている。

↑ 設計(又は初度販売)は1968年・・・。53年も前だ。(マガジン背面の刻印)

↑ フレーム左側面。 かなりシンプルだ。

  中央のでっかい丸い部品は、本物はセレクターでセミ・フルが切り替えられる。

  が、MGCのはダミーで、フルオートのみとなっている。

  ステンはMGCの他にも1年くらい遅れてCMCがリリースしていたが、

  こちらはMkⅢではなくMkⅡで、造りも手が込んでいた。

  もちろんセレクターもライブだった。

↑ 右側面。ボルトハンドルはコッキングした状態。

  ロアレシーバー(三角形のパーツ)は、赤味がかっていて、

  MGCスターリング後期型と同じような色だ。

↑ コッキングハンドル後ろの、スリット上部のL字部分は・・・

↑ 暴発防止のセーフティースロットだ。

  スターリングにもそれらしきものが、最後端の下部に半円形で付いてはいるが、

  浅すぎて、レコイルスプリングの力に負けて引っ掛からない。

  このステンマークはガッチリかかっている。

  コッキングハンドルはねじ込み式。

↑ 最後端にある、中央のぽっちを押すと、

  ストック部分を下にずらして分解することが出来る。

  リアサイト(照門)は小さな穴が空いているだけで、射距離の切り替えとかは無理。

↑ ストック下に付く、デカい丸穴の空いた三角パーツがグリップ。

  せめて左右から木製グリップを着ければイイのに、と思う。

  実銃は、撃てば衝撃・反動でけっこう痛いんじゃないだろうか。

ストックエンド(肩当て)も実にシンプル。

(名称はパーツ表が無いので適当。)

↑ 溶接も上下2か所だけ。

  実銃のような衝撃(反動)は無いだろうから、これで十分なんでしょう。

↑ チャンバー(薬室)は、スターリングと同じように、周囲の4か所で、ネジ止めされている。

↑ 銃口部分。

  銃身は衝撃にはモロい亜鉛ダイカスト製。

  スチール製の銃本体の貼り合わせは、背びれのようにそそり立ててスポット溶接してある。

  何だかカッコ悪いが、実銃のMkⅢがこんなんだからしょうがない。

  フロントサイト(照星)も、その貼り合わせ部分を延長してあるだけの簡素なものだ。

↑ 銃身内のインサート(改造防止の安全対策部品)は片側から中心まで突き出ていて、

  奥まで続いている。

  後年のモデルガンのように安全対策でチャンバー(薬室)周辺でバイパスしたりとかはなく、

  銃口からストレートで抜けている。

↑ 銃身はねじ込み式でロックはなく、簡単に外せる。

  (ホントは分解する時はチャンバー周囲の4つのネジを外して、

  チャンバーごと引き抜くらしい。)

  結合部は、スターリングは銃身側がメスネジだが、

  ステンはオスネジになっている。

↑ 結合部にはリングが付いていて、

  4つのネジを外したチャンバーと、結合したらこれを締め付けてガッチリ固定する。

↑ ねじ込み深さを変えることで・・

 ↑ デトネーター(モデルガン特有の前撃針)の長さを調整することが出来、

  ブローバックを確実なものとすることが出来る。

  基本的には一番奥までねじ込めばイイようにはなっている。

  当時は紙火薬の時代で、銃口からの派手な発射炎を楽しみたくて

  大量の紙火薬をカート(薬莢)に詰められるよう、気持ち浅めにねじ込んだりしている者もいたが、

  下手をするとマガジン内のカートまでバックファイアを起こすなど、けっこう危ない行為だった。

  (友人のトンプソンのマガジン周辺からドバっ!と火を吹いたシーンが今でも脳裏に焼き付いている。)

↑ マガジン背面。

↑ 最大装填数は32発。確認窓がある。

↑ マガジン側面。

  シュマイザーのものを流用している訳だが、

  MGCが最初に発売したのがシュマイザーで、

 その2年後くらいにこのステンが発売され、

 同じカート(9ミリエクストラロング)を使うため、

 マガジンもコストダウンのためにそのまま流用されたのだろう。

 このステンの販売価格は、シュマイザーの半額以下だった。

↑ 本体にある唯一のマーキング(刻印)は、シリアルナンバーだけ。

  メーカー名とか、モデル名とか、何もない。

  マガジンボックスの本体付け根後方に付いている丸い穴の開いたパーツは、

  本来、グリップセーフティーが付いているのだが、

  これが非常にジャマで、入手後すぐに外して別保管した。

  が、その後、行方不明のままである・・・。

↑ グリップセーフティー装着パーツと、三角形のロアレシーバーとの間にスリットが空いている。

  ここにグリップセーフティーが入り込み、

  意図せず前進してきたボルトはここでブロックできる仕組み。

  実銃には無い、MGCが安全対策で独自に設けた機構であったが、かなり不評だったようで、

  他のブログやらを見ると、外している例が多い。

↑ 何年も放置しているので、赤サビがチラホラ見える。

  CRCと真ちゅうブラシを使ってサビ落としをした。

  強力サビ落としの溶剤もあるが、強すぎて

  鉄の表面処理(ブルーイング)まで抜けてしまうとまだらになって面倒なので、

  簡単に済ませた。

↑ MGCスターリング(手前)とペアショット。

  MGCのスチールSMG(サブマシンガン)は、

  最初に発売されたシュマイザーを含む、3モデルがあったが、

  シュマイザーは高すぎて手がでなかった。

↑ バレルジャケット、フロントサイト、銃口周り。

  ステンの手抜き・・イヤ、簡素化がハッキリ分る。

↑ 軍用なのに、スリング(負いヒモ)を付ける場所さえない。

↑ リアサイト(照門)周り。

   ボルトを引っ掛けるセーフティースロットの違いもよく分かる。

↑ チャンバー周りの固定ネジ。

  ネジもスターリング(左)が六角ボルトであるのに対し、

  ステンはただのナベネジである。

  徹底したコストダウンが図られている。

↑ 双方、銃身を外したところ。

  スターリングはチャンバーへの連結部分の造りが違う。

  銃身側がメスネジで、ここにデトネーターを装着し、ねじ込む。

↑ スチールの肌触りや、質感は、

  やはり亜鉛ダイカストや、プラスチックとは全然違う。

  発禁モデルで、二度と入手できないスチールモデル、と言うだけで、

  イイ歳こいても、なかなか手放せないでいる。

 

  今度は、同じスチールモデルの、ハドソングリスガンを、

  手入れがてら、記事にしてみようかなぁ。