ポララミンという薬と、ドリエルという薬があります。
ポララミンは、抗ヒスタミン剤、いわゆる鼻水止め兼かゆみ止めです。
ドリエルは、睡眠導入剤、いわゆる睡眠薬です。
どちらも主成分は「ジフェンヒドラミン」といいます。
1日摂取量は、ポララミンは5mg―20mgで、ドリエルは50mgです。
同じ成分なのに全く違う薬になるのは、目的を何にするのかが違うためです。
花粉症の薬(抗ヒスタミン剤・抗アレルギー剤)を飲むと眠くなる事がよくあります。
抗ヒスタミン剤も抗アレルギー剤も鼻の粘膜から分泌される鼻水の量を減らす作用と同時に、眠くなる作用もあります。
鼻水を止める事を目的とすると眠気が邪魔になるので、眠気が「副作用」となります。
眠気を起こす事を目的とすると鼻が乾くことが邪魔になるので、乾きが「副作用」となります。
薬が体にどう作用するのかはどんな状態であろうと変わりなく、人の都合で「作用」になったり「副作用」になったりするだけなのです。これはどんな事にも当てはまります。
インフルエンザは今の日本においては「絶対悪」の扱いを受けていますが、考えようによっては「善」となります。
インフルエンザにかかると体が動かなくなり会社からも休めと言われるため、心身ともに休養させることができます。
限界ギリギリで働いている人にとっては、インフルエンザは強制休養させてくれるありがたい病気となるのです。
自分の見えている風景こそが絶対正しいと誰しも思っているのですが、見方を変えると違う風景がみえてきて、「善」と思っていたことが「悪」になり、「悪」と思っていたことが「善」になります。
人により状況により「作用」「副作用」や「善」「悪」が変わるので、自分こそが正しい!と意固地になるのではなく、違う意見もあっていいんだな、ぐらいに気軽に構えていた方が楽だと思います。