うちのクリニックでは、僕を含めスタッフ全員、基本的にマスクはしていません。
今日お子さんをクリニックに連れて来られたお父さんが、受診を終えて受付でスタッフと話をしていた内容です。
お父さん「クリニックの人はみんなマスクをしていないのですね。」
スタッフ「はい。でもみんなインフルエンザにかからないです。ワクチンもうってません」
お父さん「えーっ!! どうしてですかー!??」
スタッフ「気の持ちようですかね~」
思うところがあり、うちのクリニックでは6年ほど前よりインフルエンザワクチンの接種をやめました。自分にも家族にもスタッフにも、そして患者さんにもです。
そしてその頃から、僕は白衣を着るのをやめ、マスクをするのもやめました。
スタッフに特に何も言っていませんが、スタッフも自然とマスクもしなくなりました。
インフルエンザに限りませんが、ウイルスはマスクの目よりもあまりに小さすぎるので、ウイルスは素通りしていきます。感染防止にはほとんど役立っていないはずです。
但し、咳やくしゃみで遠くに撒き散らすのを防ぐことはできますので、自分の調子が悪い時にはマスクをすることはあります。
白衣をやめたのは子供達の中には白衣を怖がる子がいるためですが、昨年ちょっと着てみたら、あまりの違和感にすぐ脱いでしまいました。
いつの間にか白衣の似合わない(体に合わない)医者になってしまっていました・・・^_^;
インフルエンザワクチンを接種してマスクをしていた頃は、スタッフの誰かが一人は毎年インフルエンザにかかっていました。しかしそれらをやめてから、かかることがなくなりました。
スタッフ数人だけのことですので、これをもって絶対にワクチンが効果がないとかマスクは意味がないとは言えないのですが、うちのクリニックではインフルエザワクチンは打たなくてもいいかなという共通認識を持っています。
しかし万全の対策をしても毎年インフルエンザにかかる人たちがたくさんいる中で、うちのスタッフが全くかからないのかは、スタッフが言っていたように「気の持ちよう」だろうと思います。
病気に限らないのですが「こっちに来るなよ!」と思えば思うほど寄って来るというのは、自然の摂理です。
僕はゴルフはしませんが、「バンカーに入るなよ!」と念じて打つと、かなりの確率でバンカーに入ってしまうそうです。
催眠療法的に考えれば、これは暗示で説明できます。
心の中には意識(顕在意識)と無意識(潜在意識)があり、よく氷山に例えられます。
自分で認識できる「意識」は海面上の氷山の部分で、自分で認識できない「無意識」が海面の下に大きな氷の塊として存在します。
無意識の作用により、心・体・行動が影響を受けています。
高所恐怖症の人は、頭(意識)では落ちないと分かっているスカイツリーのガラス張りの所に行くと、心臓ドキドキ(体への影響)、恐怖感(心への影響)、足がすくみ動けない(行動への影響)といった症状が出ます。無意識の方が力が強いため、意識で何とかしようとしても無理なのです。
この無意識の所に一時的に情報を落とし込む事を「暗示を入れる」と言い、暗示が入ると心身行動に影響を与える事になります。
無意識は複雑な事を認識するのが難しいので、否定文が苦手です。
「食べない」という言葉は「食べる」+「ない」ですので、「食べない」という言葉を使う事で、無意識は「食べる」を強烈に認識する事になってしまいます。
「ダイエットのために食べないようにする」という暗示文を作っても、かえって食べるという行動を起こしてしまう可能性があるのです。
インフルエンザにおいても、ワクチンにマスクに手洗いにうがいを徹底する事が「インフルエンザウイルスは寄って来るな!」というメッセージを無意識に絶えず植えつけている事になり、無意識は「インフルエンザ」を強烈に認識する事でかえって呼び寄せているのかもしれません。
インフルエンザにかかると辛いのは重々承知しておりますが、命に関わる事はまずありませんし、インフルエンザウイルスが鼻や喉の粘膜に付着・感染しても、何も症状を出さない人もたくさんいるくらいので、「来るな!」ではなく「かかったらその時考えましょ!」ぐらいに思っておけば、かえってインフルエンザが減らせるのではないかと、思っています。