ヌード寸法=仕上がり寸法にすると痛い目に合うワケ

 

 

 

 

 

ここ数年スリムフィットが流行っています。

 

タックの入ったゆとりのあるパンツも出始めていますが、それもまだまだ一部でボリュームとなるにはあと数年かかりそうです。

 

 

 

逆に過度にスリムさを追及したピチピチなサイズ感をカッコイイと考える人も少なからずいます。

 

 

 

スーツの服地はウールが中心で中でも良いものとされるsuper100's以上のものは生地の元となる糸の細いものでデニムなどのような強度もありません。

 

 

 

自然に身体のラインに沿い生地のドレープが美しいシルエットを作り出す。高級な仕立てのものほどこういった傾向にあります。

 

 

 

採寸時にゲージ服を使うにせよ使わないにせよ、身体そのもののヌード寸法と仕立て上がり寸法の差はこの自然なライン、美しいシルエットを作り出すために必要な寸法です。

 

 

 

ヌード寸法に対しての仕上がり寸法

 

上衣
上胴+10~12cm
中胴+10

 

中衣
上胴+4cm
中胴+6cm

 

下衣
ワタリ ヒップ÷3±0~+0.5cm

 

 

 

これはスリムフィットでも最低限必要な回りのゆとり量です。

 

 

 

人間の身体は生き物である以上、朝と夜でも多少は変わります。

 

仕上がりまでに日数があるオーダーなら尚のこと、そのままでいてくれると思う方が甘いです。

 

 


また服地のウールは紙や金属ではないので少しの縫い方や湿度などにもよって寸法は多少動きます。

 

 


ゆとり量をゼロとしたスリムフィットを良しとする人も存在しますが、生き物である人間の身体と天然素材が出会ってオーダースーツがあるということを認識しておくことが大切です。