笛も育つのです! | 神主の独り言 Part2

神主の独り言 Part2

雅楽と白山をこよなく愛す神主のブログです。

何となく笛の事を書いて見たくて・・・・・。

 

私は趣味で(・・・既に趣味の域を超えているが・・・)雅楽の笛を吹いています。

子供の頃から音楽は好きで、中学校、高校、大学と吹奏楽部で、サックスやファゴットを吹いてました。中高はコンクールに出場し良い成績を修める為に楽しみながらも努力してました。どっちも一番じゃないけど、常に上位成績を修められるブラスバンドでした。

大学では、コンクールには出場しないけど、定期演奏会などに向けて楽しみながら活動する部でしたが、指導者がプロのサックスプレーヤーだった事もあり、楽しく吹く事を覚え、飽き足らずにマーチングの楽しさをも覚えて、東京都大学吹奏楽連盟の合同演奏会には1年から4年まで出させてもらってました。

 

大学を出てからは、先ずは茨城県の笠間稲荷神社に奉職しましたが、民間の吹奏楽団体などの無い所でしたので、吹奏楽とは離れておりました。

変わりに、雅楽を始め(・・・と言っても、この頃はほぼ独学で、リズム感と音感の良さだけで吹いてました・・・)、上手くもなく、といっても決して下手ではなく龍笛を嗜んでおりました。

 

一年でこちらを退社し、白山神社の本宮である白山比咩神社に奉職。

白山比咩神社は雅楽やらないんですよね・・・。浪速神楽は龍笛を使いますので、器用に吹かせて頂いておりましたが、心の中には雅楽をやりたい心が常にありました。

白山比咩神社は北海道神宮との職員交換研修を行っており、入社2年目で10日間の北海道神宮研修に行かせて頂きました。北海道神宮は職員で雅楽も舞楽も奉仕してるんですね。すごーくうらやましかった。

金沢にも礼楽研究会っていうのがあって、雅楽をやるのですが、舞楽まではとてもとても・・・。一応幽霊メンバーで所属しておりましたが・・・。

 

白山比咩神社を退社して、実家の白山神社に戻ってから、神社本庁の雅楽講師養成研修に行くようになりました。年に一回ですが、宮内庁の先生方の指導を受けられる唯一の機会ですので、何があっても参加しておりました。

その時に安齋省吾先生に出逢って、「この先生は素晴らしい!何とか教わり続ける事は出来ないか?」と考えておりましたところ、お隣富山県の洋遊会にもご指導にお出でておられると聞き、40歳になってこの会に入会させて頂きました。

 

・・・あっ!

話が長くなってますね・・・・・(・・;)

 

安齋先生にご指導頂くようになって、長年の癖吹きを、かなりの時間と努力をかけて修正し、まだまだ先生のお眼鏡には敵いませんが、それらしい吹き方が出来るようになっております。

今吹いている笛は、十数年前に知人(今は故人となってしまいましたが・・・)から求めた、先代の八幡内匠の笛で、当初は癖吹きのせいもありましたが思ったように鳴ってくれませんでした。

癖吹きを克服した今、どんどん良い音が出るように管も成長しています。・・・・・って

そーなんですよ!龍笛も奏者によって響きが進化して行くのですよ!

先日、洋遊会の笛師「松岡氏」に蜜蝋の調整をして頂きましたが、これが今までに最高の仕上がりになっています。十数年吹き続けてきて、今が最高の状態に仕上がってます!

自分勝手な吹き方ではこうは仕上がらなかったでしょう。きちんとした奏法で管に響きを与える事で、管の鳴り具合はどんどん良くなってきました。もう若くもない歳ですので、力強い奏法にはやや限界を感じてきましたが、管のスッキリとした鳴りはまだまだ成長してます!

 

そうなんです、笛も育つのです!

・・・っていう事を話したかっただけですが・・・・・(笑)

 

私の笛たちです。

上段は「神楽笛」昭和14年のうちの神社の竣工に合わせて購入されたものと思います。御神楽や浦安の舞などに用います。

中段は「龍笛」私の龍笛の二代目ですが、ホント素晴らしく成長したものです。体調さえよければ、自分の思ったように鳴らす事が出来ます!いわゆる雅楽(管弦)や舞楽の唐楽に用います。

下段は「高麗笛」洋遊会の松岡氏の本業「新月乃笛」の作です!音程の取りづらい高麗笛ですが、松岡氏の素晴らしい業により、音程のしっかりした笛に仕上がってます!舞楽の高麗楽に用います。

 

これからもこれらの笛たちと共に上達して行かねばなりませんねぇ・・・。