第四期 ”やまと絵―受け継がれる王朝の美“ | やまちゃん1のブログ

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11月21日(火)〜12月3日(日)が第四期です。四期は三期と同じ展示が多く、四期だけの目立った展示は「那智瀧図鑑」「源氏物語絵巻 夕霧」「鳥獣戯画 丁巻」です。

やまと絵展の復習的意味合いもあるかな。


 

(会場は一切撮影禁止のため写真はネット画像を借用)


三期四期の主要作品とお気に入りの作品




山水屏風 6曲1隻 鎌倉時代14世紀 重要文化財 京都・醍醐寺

主題は唐絵であるが、たおやかな表現はやまと絵的手法に親近感を持つ絵師の作品といわれる。

屏風では何と言っても「日月山水図屏風」国宝、でやまと絵展で最高の出会いだった。

三期で解説

4大絵巻では、
源氏物語絵巻 夕霧」は第四期のみの展示


源氏物語絵巻 夕霧3面 平安時代12世紀 国宝 東京・五島美術館

一条御息所からの手紙を読む夕霧(光源氏の長子)の背後から、嫉妬にかられた雲居の雁が忍び寄り、手紙を奪い取る場面。

保存状態が良く、彩色が美しい。



信貴山縁起絵巻 尼公巻 国宝  平安時代12世紀 奈良・朝護孫子寺

命蓮(みょうれん:朝護孫子寺開祖)の姉、尼公が命蓮を探すため東大寺に向う場面。



鳥獣戯画 丁巻 平安〜鎌倉時代 国宝 京都・高山寺

山口晃氏は、丁巻を「どこかふにゃふにゃした絵で、観衆の前で描いたのではないか。わざとふにゃっと描く、ちょろまかす、仕上げすぎないのは日本の絵の特徴。」と語っています。



住吉物語絵巻 鎌倉時代13世紀 
重要文化財 東京国立博物館

継母に疎んじられた姫君と彼女を慕う中将。姫君は住吉に身を隠す。住吉に着いた中将が姫君と再会する場面。



華厳宗祖師絵伝 義湘絵 巻第二
鎌倉時代13世紀 国宝 京都・高山寺

百済の僧、義湘は仏教修行のため唐に渡る。長者の娘、善妙が、「あなたへの抑えられないの。どうか受けとめて。」「いやまぁ、そう言われても…」という場面。中国風彩色が美しい、桃の花だろうか…

異国の物語だが、妙恵上人の事績やイメージと重ねる妙恵上人を慕う人々によって製作されたらしい。




那智瀧図 鎌倉時代13世紀 国宝
東京・根津美術館

第四期のみの展示。



展覧会の終章を飾るのは、

浜松図屏風 6曲一双 室町時代15〜16世紀 重要文化財 東京国立博物館

最初は、きらびやかだけで、ごちゃごちゃした屏風だなと思っていましたが、全体から細部をよく眺めていくと、どんどん絵の中に入り込んでいくではありませんか…

浜辺の景色を中心に描いたやまと絵屏風。
画面中央の光景(上部)に、人々の行き交う浜辺の景色、これを取り囲むように前景に多くの花木花鳥が描かれている。鳥たちは四季の花木に戯れ、鳥たちを追っていくと、自分も絵の中に入っていく。

右隻




鳥たちは、柳の幹で囀り、啓蟄の虫を啄み、海に飛び込む。向こうの浜辺では人々が漁をしている。



左隻




秋草に集う鳥たち、浜辺では漁をする人々と武士の一団が通り過ぎる、山に雪が降り、留まる鳥、飛び立つ鳥たち。

浜辺を中心に、四季の花木と鳥と人々が暮らす楽園。

浜松図屏風のコンセプトは、調度品としての屏風とみるなら俵屋工房の「草図屏風」ようであり、鳥花木の楽園なら伊藤若冲の「鳥獣花木図屏風」を連想する。

【参考】
草図屏風 宗達工房 江戸時代初期
京都・細見美術館


鳥獣花木図屏風(左隻) 伊藤若冲 江戸時代後期 東京・出光美術館


空前絶後のやまと絵展。第四期となり12/3(日)が最終日となりました。現在の展示だけでも数々の名品に会えます。お勧めします🤗



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