第二期 “やまと絵”受け継がれる王朝の美 | やまちゃん1のブログ

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10月24日(火)〜11月5日(日)が第二期です。二期の目玉は、神護寺三像です。三像は二期限定の展示です。


 

(会場は一切撮影禁止のため写真はネット画像を借用)


二期のみ展示では、「粉河寺縁起絵巻」国宝があります。




粉河寺縁起絵巻 平安時代12世紀
和歌山・粉河寺

和歌山県紀の川市にある粉河寺の草創縁起と霊験譚を描いた絵巻
火災により詞書が失われ、絵巻上下が焼損している
信貴山縁起絵巻などに比べると、描写は素朴で動きに乏しいが、社寺縁起絵巻の最初期の作例として重要


鳥獣戯画は乙巻を展示
甲巻の断簡と比較すると面白い






「気」をはくライオンの先に蝶がいる、甲巻に「気」をはくカエルがいたが線がちょっと違う
甲巻 「気」をはくカエル



鳥獣戯画乙巻 平安時代12世紀
京都・高山寺

乙巻の前半は、牛や犬など身近な動物が描かれ、後半は像や虎、ライオンなど海外の動物と一角獣、麒麟、龍など霊獣が混然

甲巻の擬人化された、ウサギやカエル、サルなどの奔放な線と動きは、北斎漫画の元祖のような躍動感がある。乙巻の動物は、若干白描画的線描と静的な描写で、主題は博物画なのだろう



鳥獣戯画断簡 平安時代12世紀
東京国立博物館



神護寺三像


伝源頼朝像 鎌倉時代13世紀 国宝
京都・神護寺 


伝平重盛像 鎌倉時代13世紀 国宝
京都・神護寺



伝藤原光能像 鎌倉時代13世紀
国宝 京都・神護寺

三像は約、縦143cm 横112.8cmの大画面にほぼ等身大に描かれている
頼朝像、重盛像には仏画に用いる裏彩色の技法が使われている
描かれている人物が本当は誰か?は未だに議論されている

三像の中でも、頼朝像は浮き出る顔の白さ、線描の確かさ、毛一本一本の精緻な描写が、仏画にも似た威儀を正した高貴な人物の姿を見ることができる


11月7日からの第三期には、これぞ『やまと絵』といえる、大阪・金剛寺の「日月山水図屏風」国宝が展示される
雪舟の「四季花鳥図屏風」重要文化財、京都国立博物館も楽しみだ