小説 “ホテル・アイリス” 小川洋子 | やまちゃん1のブログ

やまちゃん1のブログ

美術、映画、文学、グルメ関係のブログです。

公開停止処分のブログ、将来のノーベル賞候補小川洋子の作品にイチャモン?流石にそれはないだろう。シュールレアリスムのベルメール、歴史的芸術が分からない?伊藤晴雨の大人しい絵、それはないな…  
公開停止処分にした係員(通報者)の無意識領域のアンビバレンツな記憶の襞を刺激したのかな…
抜粋部分を削除し、再掲載する。






1994年に「密やかな結晶」「薬指の標本」を発表した小川洋子は、1996年「ホテル・アイリス」を発表する


小川洋子と映画主演の永瀬正敏


「密やかな結晶」で意図的に隠された性的表現は、「ホテル・アイリス」で解放される


一人娘“マリ”の長い髪を結う“母”ホテルの女主人


物語は、海辺のホテル・アイリスのフロントに座る17歳のホテルの娘、泊り客だった老人と出会う…




『染みだらけの彼の背中を、私はなめる。腹の 皺の間に、汗で湿った脇に、足の裏に、舌を 這わせる。私の仕える肉体は醜ければ醜いほ どいい。乱暴に操られるただの肉の塊となっ た時、ようやくその奥から純粋な快感がしみ 出してくる......。 少女と老人が共有したのは 切なく淫靡な暗闇の密室寄る辺ない男女 の愛から生まれた、究極のエロティシズム。』文庫本背表紙解説より




サディズム、マゾヒズムの愛をテーマにしており、その表現は直截的で、「O嬢の物語」を思わせる

『・・・それを知るためには本箱のガラスを見るしかない。 両腕は手首で縛られ、背中へ回されていた。乳房はぶざまに押しつぶされ、形をとどめていなかったが、触れてもらうのを望むように乳首はうす桃色に染まっていた。膝を折り曲げている紐が、太ももと腰骨につながり、股間を大きく押し広げていた。 わずかでも閉じようとすると、紐がいっそうきつく締まり、一番柔らかい粘膜に食い込んできた。これまでずっと暗闇に閉ざされていた襞(ひだ)の奥に、光が当たっていた。』

ホテル・アイリスより抜粋


【参考】
ハンス・ベルメール写真集より


伊藤晴雨 画譜より






・・・ん〜どうなんでしょう?
「密やかな結晶」の方がはるかにエロティシズムを感じる

文学でエロティシズムを表現するのは難しい

そもそも、文学のエロティシズムは言葉によって、無意識の沼の底に投げ込まれた小石を拾い上げられた時に生まれる
意識レベルのエロは“ポルノ”あるいは、経験によって艶笑譚になるだろう
蓮見重彦の「伯爵夫人」やサドのある種の作品はまさに艶笑譚である
その意味では、ホテルアイリスのラストは「文字通りの“オチ”」になって笑える



「密やかな結晶」と読み比べて
みましょう

★★★☆☆

ラストは対照的だ



アメーバブログ
公開停止処分【発禁】
を受けた本作品必読ですね!!




【参考】映画 ホテルアイリス