国宝とは重要文化財のうち
「世界文化の見地から価値の高いもので、たぐいない国民の宝たるものを国宝に指定することができる」
と文化財保護法にある
全国に1,131件(2022.10)、東京都283件、京都府237件、奈良県206件など指定がある
東京都にある283件のうち
東京国立博物館にある89件の
すべてが展示される
(写真は全てネットより画像を借用しました)
特に刀剣国宝33件のうち19件が一堂に会する第2会場は壮観
孔雀明王像 平安時代 12世紀
明治・大正の政治家、井上馨旧蔵で当時35歳の原三溪(横浜三渓園の)が当時一万円という破格の値段で購入し、美術品蒐集家として知られることになった作品。当時の一万円は現在の3〜5000万円に相当するらしく、当時は美術品がそれ程高額で売買される事はなかった。井上が若い原に値段をふっかけたが、原がお金を用意して手にいれた。羽を広げた孔雀の造形と人のような目つきがアバンギャルドな雰囲気を漂わせる。
虚空蔵菩薩像 平安時代 12世紀
品の良い菩薩の表現。肉身には朱の線描。金銀の切金文様と彩色文様は緻密で、繊細優美な美しさを際立たせる。菩薩の上部に描かれたものは図録から仏具飾りと判明
井上侯爵家旧蔵、その後三井財閥が所有
平治物語絵巻 六波羅行幸巻 鎌倉時代 13世紀
現存する鎌倉時代の平治物語絵巻は、ボストン美術館の「三条殿夜討巻」、静嘉堂文庫の「信西巻」とこの「六波羅行幸巻」の三巻
パッと見で三条殿との違いがわかったのは、縦幅が大きいことで、三条殿41.4cmと42.2cmの違いだがかなり大きな印象
人物、牛車の色鮮やかな彩色が目を奪う。牛の造形が見事、宗達の源氏物語屏風の牛が残念
出雲松平家が所蔵し、帝室博物館に寄贈された
鷹見泉石像 渡辺崋山 江戸時代
天保8年(1837)
渡辺崋山は三河田原藩家老でありながら、谷文晁に絵を学び、蘭学にも興味を抱き西洋画の技法も学んだ。天保10年(1839)蛮社の獄に連座し田原に蟄居、2年後自刃した。
鷹見泉石は下総古河藩の江戸家老で蘭学者でもあり渡辺崋山と親しかった。西洋の陰影法を用いて顔の立体感を出しながら髪、眉など一本一本の線を描くなど和洋の技術を融合させている。現代の劇画表現を彷彿とさせる。
聖徳太子絵伝 秦致貞(はたのちてい) 平安時代 延久元年(1069)
法隆寺東院伽藍に嵌められていた障子絵。斑鳩の地を中心に東北西の風景に聖徳太子の生涯の事跡が描かれている。繊細で色彩豊かなやまと絵
絵画の国宝21点はどれをとっても
見応え充分
後期は、一遍聖絵、岩佐又兵衛 洛中洛外図屏風(舟木本)、狩野永徳 檜図屏風など…