京都の庭 西芳寺(苔寺) | やまちゃん1のブログ

やまちゃん1のブログ

美術、映画、文学、グルメ関係のブログです。


阪急嵐山線の上桂駅から歩くこと
約20分
西芳寺(苔寺)に着く

はるか昔、大学生の頃は予約なしで拝観できましたが、
今は厳正な予約制
(往復はがき申込みが3000円、
ネット申込みが4000円也)

宮内庁管理で完全予約制の
桂離宮と修学院離宮

果たして、西芳寺は…



西芳寺 総門


ここを周って、衆妙門が
一般参拝入口



予約ナンバーを確認して拝観料を払うと、パンフレットと写経用の西芳寺名入りの筆ペンがもらえます


古いパンフレット画像借用

現在は「向上関」から上段の庭園は非公開



大佛次郎文学碑
川端康成書



西芳寺 本堂

ここでの写経がマスト

心を落ちつかせて

20分ぐらいかな…


本堂を出て庭園へ


参道はゆっくりカーブ


植栽で庭園は見えない

庭園入口の表示

しかし

刈込で庭は見えない


更に築地塀で未だ見えず



左の千鳥掛と
右の不規則な飛石


築地塀を抜け池に降りる


やっと池が見えた!!



黄金池




庭園は「心」を象る黄金池を中心とした池泉回遊式です

右手にメインの黄金池

左手に金剛池

夢窓国師が1339年に「西方寺」を「西芳寺」に改め、臨済宗に改宗し、浄土庭園を改修し、現在の庭園を作った




金剛池 

池の水は湧水


夜泊石(よどまりいし)

阿弥陀如来の出現と
続く菩薩をあらわす

金剛池からの遣水(やりみず)が
黄金池に流れる


夢窓国師作庭前からの遣水
でしょうか…

野筋(のすじ 野の小川)

せせらぎの音が聞こえます


杉の根本を苔が取り囲む

モコモコは養生の賜物


遣水の曲水


石組(影向石 ようごうせき)
神が現れた磐座(いわくら)
をあらわす

美しい木漏れ日



湘南亭茶室 国指定重要文化財

千利休の自刃後、
養子の千少庵が再建

幕末には岩倉具視が蟄居していた



三つの中島を平橋がつなぐ


ゆっくりと池を回る


三尊石


見る場所と光によって、

いろんな表情をみせる

作庭家の企みを楽しめます




亀石? 




鶴石? 

池の際の石組


鶴島?


庭園には、120種類の苔が
自生している



一転、なにやら無骨な門が…


向上関 下段の池泉回遊式庭園に対して、上段の枯山水庭園(非公開・最古の石組)の入口



中門に続く築地塀


中門への道



期待に違わない特別名勝庭園


飛鳥時代に聖徳太子の別荘地と伝えられる地に、行基菩薩が「西方寺」として731年に開山。
1339年に夢窓国師(疎石)が臨済宗「西芳寺」として中興開山。


足利義満は西芳寺を
範として金閣寺を、
足利義政は銀閣寺を
造営した。



 「夢窓 庭との語らい」1992年
監督 ジャン・ユンカーマン


Dream(夢)Window(窓)は、
庭園を中心に日本文化を考察する
ドキュメンタリー映画。

音楽を作った武満徹をはじめ
詩人の大岡信、大徳寺真珠庵住職、山田宗敏などが出演。



西洋庭園は、ヴェルサイユ宮殿に代表されるように、人間(王)が自然をコントロールし、俯瞰(城・塔)から眺めるシンメトリー構造を理想とする。


日本庭園は、自然のままの石や樹木を使い、庭園を歩いて回りながら、不規則で不完全なアシンメトリー構造に美を見出す。

それは、岡倉天心が「茶の本」で語る日本文化そのものだ。

四季の移り変わりに日本庭園を歩くことは、庭が見せるインスタレーションに参加することである。

四季の色彩と陰影の変化、土と植物と水の匂い、樹々のざわめき鳥たちの語らい水の流れ雨音、陽の熱さと雨風雪の寒さ…




(ストックフォト借用)



日本庭園は日本文化の白眉であり、
夢窓疎石、小堀遠州は
最高の芸術家だ。

西芳寺周辺へ