遺留分減殺請求権 計算方法 | 山岸久朗オフィシャルブログ「正義は我にあり!!」Powered by Ameba

遺留分の算定の基礎となる遺産の範囲は、計算式にすると、

 

(相続開始時の相続財産)+(贈与した財産の価額)-(相続債務)

 

となります。

 

具体的相続分率を算出する際の算定方法と比較すると、相続人以外への贈与も含む点と、相続債務を控除する点が異なっています。

 

算入される贈与の範囲は、「相続開始前の1年間にしたもの」に限られます(民法1030条前段)。

 

ただし、1年以上前の贈与でも、契約当事者の双方が遺留分権利者に損害を加えることを知って贈与をしたときは、算入されます(1030条後段)。

424条と違って、ここでは常に無償行為が対象になるから、遺留分権利者に損害を与えることという認識があれば足りると解されている。ただ、贈与契約時に遺留分を侵害していることの認識のみならず、将来も遺留分の侵害が続くと予見していたことが必要とされている(大審院判例昭和11年6月17日)。

 

これに対して、生前贈与が相続人に対してなされ、それが特別受益とされる場合は、特別受益者の相続分に関する903条が遺留分に準用されている結果(1044条)、1年以上前の贈与も全て加算されます。