ドラッグストア薬剤師 寺脇令子です。
2024年春、初出版します!
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今日は恒常性に関してのお話です。
恒常性(ホメオスタシス)とは、生体の. 内部や外部の環境因子の変化に関わらず
生理機能が一定に保たれる性質. のことであり、生物にとって極めて重要なものです。
私たちの身体は極端なことが起きると、ちょうど良い、中間の状態に戻そうとします。
それは身体のことでも、心のことでも同じです。
言い換えれば極端な状態は続かない。必ずちょうど良い状態に戻るし、そうでなければなんとしてもそこに戻す力が働く、と捉えてください。
このことを理解しておくと、ご自身の健康や健康を損ねたときに対する考え方を整えることができます。
イタズラに薬に頼ったりすることなく、過剰な治療にNo!が言えるようになるのです。
この記事では恒常性を身体のサインと表現していきます。
スピリチャルなことと混同しないようお願いします。
では、わかりやすいように事例を使って書いていきますね。
◉うつ病と診断されたTさん
いきなりですが、このTさんは私です。
50才になる少し前、私は「うつ病」と診断されました。
発症から2週間後に仕事に復帰し、1年半後には薬から脱却しています。
そこで起きたこと、経緯を簡単に追いながら、恒常性とからめていきたいと思います。
1始まり
始まりは突然でした。ある日突然めまいとともに、身体中の「気力」が失われた感覚がありました。
「働きすぎかなあ」とぼんやりと考えてみたものの、そう簡単に休めるはずもなく、通常通り働き、子供の部活の送り迎えなども積極的に行っていたある日、それが起きました。
人身事故
ぼんやりと運転していた私は、車で人にぶつかってしまったんです。
幸い、その方の怪我は軽症で、命に別状なし。
けれど私は文字通り「スイッチが切れたように」なってしまいました。
・めまい、気力の低下・・身体を休めて元に戻すという身体のサイン
2頭が働かない
スイッチが切れたようになった私は、何もできず、頭が働かなくなりました。
「医者に行った方が良いな・・」と思い、信頼できる医師のもとを尋ねました。
この「頭が働かない」というのは、結構長く続きました。
薬に効果によって「働く気力」が蘇った私は仕事に行きましたが、子供達の食事を作ることができませんでした。
さらに、買い物もできませんでした。だから当時高校生だった息子が一緒に買い物をしてくれました。
献立が決められない、料理の手順がわからない。できないづくしでした。
・頭が働かない・・身体の回復に向けて余計なことを考えられないようになっていた
3動けた次の日は落ち込む
少し身体も頭も動くようになってくると、「やりたいことを何かしたい」と思うようになります。
これも恒常性の一つ。
休んでばかり、寝てばかりだと「動こうかな」と思うのですよね。
そして、楽しんだり動いたりした結果・・ガクン!と気分が落ちます。
うつ病でなくてもこういうことはありますよね。
・楽しいことをするのは良いけれど、やりすぎると負担がかかるため、一旦落ち込ませて元に戻そうとする
4減薬
薬を減らすのは徐々におこないます。
身体が薬がある状態に慣れているためですね。
・徐々に薬を減らし、もう少しでゼロになる!というときに、めまいが再発する
ちょっと薬を減らすのが早かったのかもしれません。
このあとは、順調に薬が減り・・病院からも卒業できました。
かなり端折りましたが、大体このような経過をたどりました。
うつ病に限らず、心理的な、精神的な不具合は、その程度によっては薬を必要としますが、そうでないこともあります。
・例えば落ち込みのある場合、とことん落ち込むと、あるとき突然「ふっと」上がる瞬間が来ます。
・とことん泣いたら、笑えるようになります。
・やる気が出なくても、放っておけば沸々と「やる気」が出てきます。
感情には波があっても良いのです。
フラットに見える人は、感情の波がないのではなく、その波が小さいか、それを気にしないか、です。
身体が、心が反応するに任せてみましょう。
きっと「あれ?大丈夫かも」と思えるに違いありません。
*2週間以上同じ状態が続いたら、医師に相談しましょうね
*薬剤師は薬を飲みなさい、とだけ言うと思っていたかもしれませんね。
薬剤師は今や、セルフメディケーションを担う存在。
これからも、薬のことだけでなくさまざまな方向からの発信を続けていきますね!
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