映画「朽ちないサクラ」を見た。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20240626/20/yahhoyama/a1/f1/j/o0645108015456264312.jpg?caw=800)
まず、柚月裕子の原作であること!
杉咲花主演である事!
この2つの条件がそろって面白くないわけがない。
杉咲花の演技をうまい!と思った最初の作品は、「湯を沸かすほどの熱い愛」での宮沢りえの娘役。
「市子」「52ヘルツのクジラたち」
ドラマの「アンメット」
特別美人というわけでもなく、ほぼ淡々とした語りで
大根役者と言われそうな
要素もある。
なのに なぜこんなに
見る者の心に食い込んでくる
のか、
演じている対象が スクリーンの中とは思えず実在に思えてくる。
この映画は警察ドラマ、でも杉咲はバリバリの正義感で事件解決する刑事でなく
事務職員。
元公安のすご腕刑事、安田顕との2人場面が多い。
安田顕がこんな優しい 穏やかないい人を演じるのは珍しいなあ・・・・と思いながら見ていたら、
さすが柚月裕子 ! 最後はやっぱりなぁ
安田顕らしい役だった。
杉咲が 真実を突き止めて安田顕に迫る場面は、大声の迫力ではなく、静かな強い信念と 真実を突き止めた強さに満ちていた。
単なるストーカー事件でもなく、
警察内部の隠蔽でもなく、 オーム真理教や地下鉄サリン事件を思わせる団体も絡んできて、公安VS警察…複雑で面白くなる。
殺された親友の母親、藤田朋子の演技が印象に残る。
渡鬼のイメージはなく
娘を失った母親の悲しみと喪失感と愛を素朴に熱く演じていて拍手。
坂東巳之助もさすが歌舞伎役者で、
複雑な立場と心情を言葉少なく存在で示していた。
柚月裕子の作品に初めてであったのは「盤上の向日葵」
読書好きの友達の推薦だった。
これを読んで いっぺんにこの作者が好きになり、怒涛の勢いで全作品を読破した。
私の記憶・・・・
臨床心理、合理的にありえない、ウツボカズラの甘い息 、
チョウセンアサガオの咲く夏、
検事の本懐、検事の死命、検事の信義、最後の証人、
パレードの誤算、
蟻の菜園、慈雨、月下のサクラ、
風に立つ、孤狼の血、暴虎の牙、
狂犬の眼、猫が見ていた、
教誨・・・・
何か忘れてないかな?
警察、検事ものが面白い。
特に
佐方貞人シリーズが好き。
今、女 男 というと誤解されるが、
この人の作品を読んで女性とは想像つかない。本当に骨太で、ヤクザの世界など恐ろしい表現をする。
新作を待っている!