映画2本
今日は平日の金曜日だが、昨日のブログに書いた通り、
運動会の児童鑑賞日だから授業はなくて休暇を取った。
草薙剛の映画
「碁盤斬り」を見てきた。
昨日は夕方から用事があり
それまでの時間つぶしに
石原さとみの「ミッシング」を見た。
この2つの映画のことを書いておこう。
これから見る人はネタバレ含みます。
まず「ミッシング」
私の好きなトーク番組の
「ボクらの時代」の監督と石原さとみと中村倫也の3人の
トークを聞いて、見たいと思った。
石原さとみはこの監督に直談判して出たいと言ったらしい。
監督は 庶民的なお母さんだから石原の
ような華のある人は適さないと思ったらしい。が実現した。
この話を聞いていたから
石原のこれまでの自分を全て捨て去った潔さを感じた。
本当に凄まじい演技で圧倒された。
いきなり子どもが失踪している夫婦の困惑 悲しみから始まる。
夫役の青木崇高は初めは一見醒めた冷たさで違和感があったが、実は石原に負けない悲しみと悔しさをうちに秘めてこらえていたのがわかり、いい夫婦関係だった。
来る日も来る日もビラを配り目撃情報を求める夫婦。
それに対するマスコミの取材や、SNSの誹謗中傷、地域の人達の無責任な他人事の対応…等など、かなり今日的なシビアな問題も提起している。
かなりリアルで容赦無い描き方なので、ほんのちょっとの人の優しさやしぐさが
身にしみる。
犯人は出てこない。
サスペンスのように、解決するのではないかと期待してみてはいけない。
ハッピーな結末ではないけれど、でも1条の光のみえる
よい終わり方だった。
「碁盤斬り」
孤狼の血の監督で、あの
残酷なこわい数々の場面と比べると、とても穏やかで
静かで美しい。
清原果耶の存在のためか、とても気高く気品のある映画に仕上がっていた。
碁盤はうちのお寺に複数あって、廊下は地域の人達の碁会所のようになっていたから初めからとても親しみの持てる気がした。
草薙剛は「ミッドナイトスワン」が大好きで応援していたから「アカデミー賞の最優秀作品賞と最優秀主演男優賞」を授賞した時は嬉しかった。
だから武士をどんなふうに演じるのか、どんなふうに碁を打つのか、とても興味があった。
はじめは両替商の國村準と碁を打つ場面や、父と娘の生活など淡々としていて
このまま終わるはずはないが…と思っていると、やはり
なぜ浪人になって貧しい暮らしをしているのか?
が明らかになる。
冤罪により国元を離れて江戸に来ているが、国からきた仲間に妻の死の真実を告げられ、
また50両の紛失事件から
一気に物語が動き出す。
そこに両替商で働く中川大志と清原果耶との恋愛や、
小泉今日子の吉原のおかみのきっぷの良さ、
工藤工の悪、市村正親の親分肌、國村と中川の相互かばい合いなど、物語が縦横に織りなして深みを増していく。
工藤工との立ち回り場面だけが人が殺される残酷な場面で、あとは時代劇とはいえ、復讐劇とはいえ
武士の果たし合いの映画ではない。
工藤工との囲碁の勝負の結末を楽しみにしていたが
負けを悟って、刀を抜きいきなり斬りつけるのは予想外だった。
うまくできた物語で
草薙君のあまり武士らしくない武士も似合っていた。
いや、あの一本気な筋の通し方はまさに武士そのものかもしれない。