2024/02/26 直木賞「ともぐい」 | つっちーの日々

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元気な好奇心旺盛な女性。
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失敗。
外に出たら冷たい強い風。
真冬用のカシミア幅広ストールを
真知子巻きにして出れば良かった。

今日はコーラスの練習日だが、
特別ブログに書くほどの内容もないだろう。

(ネタバレ含みます)


昨日読み終わった 今季直木賞
「ともぐい」の事を書こう。

私は人の名前を覚えるのが苦手で、
聞いてもインプットされない。
知り合いでさえそうなのだから
ましてやよく読む作家でも無い限り
覚えてはいない。

直木賞ノミネート作品が発表されると
直ぐに図書館に予約をいれる。
受賞してからだと半年から1年かかるのだ。

この「ともぐい」もノミネートの時に予約したから 待ち人数はあと5人だった。

でも熱海に旅行に行くのに新幹線で読む本が無かったから買ってしまった。

数人の読書好きの友達に回せるから
勿体無くは無いだろうと思って。

「川﨑秋子」
読んだことのない作家だと思って検索したら 
なんと「締め殺しの木」の作者だった。
これも
本屋大賞か直木賞にノミネートされた時に読んだ。

詳しくは覚えていないが
釧路当たりで暮す 貧しい苦労人の
女性一代記? のような薄い印象が残っている。

悪くはなかった。

その作家の本だが、まあ驚くほどに作風もテーマも文体も違う印象だ。

共通は舞台が北海道である事。

私は少しマタギに興味があって
読んだことがある。
宮沢賢治の「なめとこやまの熊」
が好きだったからかもしれない。

まさに世間とは絶縁の様に
山で犬とだけ暮らしている。
生計を立てるために
たまに山から降りて 熊の各部所や
山菜など売りに行く。

たった一軒だけの 取り引き先の大店には好かれていて、
良くしてもらうから読者としては安心。

なめとこ山の熊のイメージで読み進めた。

とても女性が書いたとは思えない
骨太な文で、解剖学的な恐怖は
時々我慢して読む。

アイヌの生活や精神を感じさせる。

熊爪という変な名前だが 
彼と共に暮らす犬に 
私は魅了されてしまった。
影の主人公だ。

ずっと面白くてわくわくしながら読んでいったが、終わりの方になって、
私の予想とは全く違った方向に行った。

この方向には行かないでほしかった。
でもこの結末で良かったのかもしれない。

なめとこ山の熊の精神にも通じているのかもしれない。