アメリカ拳銃事情 「グロックスイッチ」の凄さ コンシールドキャリー(銃を隠して携帯する)の増加 | 『日本史編纂所』・学校では教えてくれない、古代から現代までの日本史を見直します。

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従来の俗説になじまれている向きには、このブログに書かれている様々な歴史上の記事を珍しがり、読んで驚かれるだろう。

アメリカ拳銃事情
「グロックスイッチ」の凄さ


コンシールドキャリー(銃を隠して携帯する)の増加


アメリカの大統領選挙まで8か月。相次ぐ事件を受けて「銃規制」が主要な争点となる中、たった3つの部品で拳銃をマシンガンのように変えてしまう装置の違法な流通が広がり続けているという。
昨年4月、カリフォルニア州で6人が死亡した銃乱射事件。犯行に使われた拳銃には、殺傷能力を高めるある装置がつけられていました。その装置が、アメリカで急速に広がりをみせている。

その名を『グロックスイッチ』といい、これがが付いていると、拳銃をマシンガンのように変えてしまう。
3つの小さな部品で構成される「グロックスイッチ」。わずか数分で拳銃に装着できる。
取り締まり当局の協力のもと、装置を付ける前と後で比較してみた結果。通常、銃弾は引き金を引くたびに1発ずつ発射され、17発撃ち終わるまでの時間は、およそ10秒。
一方、グロックスイッチを装着すると、1秒ほどで一気に発射される。100発発射するのにも5、6秒しかかからない。
通常の銃を使った場合、弾はほぼすべて胸のあたりに命中するが、しかし、グロックスイッチを使った場合、反動が連続するため、弾は分散して当たって、銃の扱いが難しくなる。
攻撃力を高める一方、標的以外の人を傷つける危険も高まる。所持すること自体すでに違法だが、ネットで2万円程度で販売されていて、押収された数もこの5年で15倍以上に激増している。

取り締まり当局の マイケル・ホフマンさんの話では。
「(所持する人は)支配感や威嚇を示そうとしています。インターネットで非常に簡単に手に入れることができるようになりましたし、最近は3Dプリンターで自作する人もいるようです」
「連射装置」は、5年前にラスベガスで60人が死亡した全米史上最悪の銃乱射事件を機に注目されました。この時使われたライフル銃に取り付ける装置も所持が禁止されましたが、
これらの装置が規制されても二分する世論もあり、銃そのものの規制強化にはつながらず、事件は後を絶ちません。
「銃規制」は中間選挙の争点として今年に入ってさらに関心を高めていますが、追悼式典の出席者でさえ多くの人が「銃を持つ権利は認められるべきだ」と答えました。
事件現場に居合わせた人は、「責められるべきは銃ではなく、銃を使う『人』です」「必ずしも新たな法律が必要だとは思いません。必要なのは教育です」こうした考えががアメリカでは多い。

 こうした規制に逆行するアメリカの状況を、現地にいる知人に調べてもらったメールの内容が以下である。
「バイデン米大統領は、2022年6月25日に連邦議会が可決した銃規制強化の法案に署名し、成立させた。
これは過去30年近くで最も重要な銃規制の連邦法となる
この法案は、21歳未満の銃購入時の身元調査拡大などを盛り込んでおり、上院では民主党議員に加えて、銃に関する権利を主張することが多い野党・共和党からも、ミッチ・マコネル院内総務をはじめ15人が賛成した。
新法案は、21歳未満の銃購入希望者に対する身元確認を強化するほか、精神医療や学校警備の強化策に連邦予算150億ドル(約2兆円)をあてる。
また、裁判官が危険とみなした人から銃を押収する緊急措置を導入している州を支援する、資金提供なども盛り込まれている。
ただし、バイデン氏をはじめとする多くの民主党議員や活動家が求めてきた大幅な規制強化には程遠いとの意見もあり、また、
米連邦最高裁は、銃を持ち歩く権利を制限するニューヨーク州法を違憲とする判断を出しており、銃に関する権利をめぐってアメリカ国内で激しい論争が巻き起こっている。

これらの事情を考慮に入れると、アメリカの銃規制の今後の動きは予断を許さない状況と言えるだろう。」

しかしアメリカ人の拳銃所持数は増加していると云い、なおかつ所持者の間では「コンシールドキャリー(銃を隠して携帯する)」も増加している統計が出ている。
これはアメリカではたいして珍しくなく、銃の免許を持つ人の中でも「アテンデックスキャリー」といってヘソの前の腹にホルスターとマガジンのセットをベルトにしっかり掛けている人も多い。
勿論全州で許可されているわけではない。州によっても郡レベルの規制が在り細分化されている。

銃犯罪律の高いアメリカでは、一般的に警察のリスポンスタイムは6~10分だがこの間が暴漢や犯人と対峙して撃たれるケースが多い。従って素早く抜いて相手を倒さなければ此方が殺られる切迫した時間になる。
だから地方なら保安官事務所へ出向き、バック・グラウンドを調査されたうえにパーミント(許可証)を発行してもらう。
しかし銃はどこでも持っては行けない。それは政府の建物や学校になるが守る人は少ないという。
ちなみにグアムの射撃場のガードマンは、腰のガンベルトに思い思いの拳銃を吊るし、予約客をホテルと射場の送迎をするが、ホテルにはロビーにも入れない。銃所持者にはそういう厳しさは在る。

アテンデックスキャリー
こうした現状に危機感を抱いた人の間ではアテンデックスキャリー(早撃ち)の練習熱も高まっている。

発砲の順序

脇の下、腰の横、尻の上など銃の所持場所は様々だが、アテンデックスキャリーの一番の有利な点は早く抜ける事につきる。
先ず①で左手で服を上げ②で銃を取り出す。③で両手で銃を支え正面に突き出し④で発射。
この動作を普通にやれば4秒だが、練習すれば2秒以内で出来るようになり、熟練すれば0.6秒で3発撃てる。

ここで大事なことは、銃をキャリーしている時は、チャンバーの中に一発弾を入れ、安全装置も掛けないことである。
この状態は非常に危険でもある。トリガーを引くだけで弾が出る。抜く際誤って引き金を引いてしまうと自分の足を撃ったり、男の大事な物を撃っててしまい、足には大動脈が在るので命取りになる。
ここでの注意点は、銃の出し入れの際、絶対にトリガーガードの中に人指し指を入れない。
指は発射の直前までガードに添えて置くことが必須となる。
アメリカ映画で警官がこの体制で行動しているのはこのためである。
ちなみに近年は自動拳銃が主流だが、拳銃の部品の組み合わせは精巧緻密で、コンクリート上に落としても暴発はまずない。

しかし実際の危険な極限状態に置かれた人間は、頭の中はアドレナリンで満ち、スライドを引いてチャンバーに送弾したり、セーフテイを解除するのに思考力を使う。
1秒を争う時、それは時間のロスになり、命取りになる。
ここでの注意点は、銃の出し入れの際、絶対にトリガーガードの中に人指し指を入れない。
実際にこの行動がとれるまでには、ショットタイマー(銃を抜いて発射までの時間を発射音で計る。)を使い、始めはドライファイヤー(空撃ち)からの日頃の練習が大切になる。

昔私は、フイリピン・セブ島でコルトガバメント1911を腹巻の中に裸でぶちこんでいたが、銃は鉄の塊で亜熱帯のかの地でも腹が冷えて下痢に悩まされた経験が在る。
(この記事は以前記してあるので興味のある方は  世界一の銃砲大会「BIG SANDY SHOOT」 | 『日本史編纂所』・学校では教えてくれない、古代から現代までの日本史を見直します。 (ameblo.jp)をどうぞ)
現在、ホルスターは布、プラスチック、皮制と数多く出回っているが、腹にフィットし腹を冷やさない工夫が施されている。

さて、いつ何が起きても不思議でないアメリカは、折角銃を所持しコンシールドキャリーを実践しても、日ごろの練習を怠ると咄嗟の危機に役立たない。
白人黒人間の人種差別は根深く、今は「民主主義」の右左のイデオロギー対立までが起こっている。
人々の増悪は増殖し、日ごとに増える銃犯罪に、自分の身は勿論、愛する者達を守るため銃に頼らざるを得ない。
だから勝つか負けるかまさに弱肉強食の権化のような、そんな国が「アメリカ」なのである。