夏のコミケ参加確定とスペンサー騎兵銃 | 幕末ヤ撃団

幕末ヤ撃団

勝者に都合の良い歴史を作ることは許さないが、敗者に都合良い歴史を作ることも許しません!。
勝者だろうが敗者だろうが”歴史を作ったら、単なる捏造”。
それを正していくのが歴史学の使命ですから。

 今日もまた、研究家のあさくら先生に誘われて栃木県の某射撃場へ行って来ました。

 前回、全弾不発に終わってしまったスペンサー騎兵銃の実弾射撃リベンジです。

 

 その前に、サークルの告知です。歴史サークル「幕末ヤ撃団」は、次回の夏コミケ96へのサークル参加が確定致しました。

 

日時:8月11日(日)

場所:東京ビックサイト

ブース:西D50a

 

 新刊は、『新選組の武士道 新選組隊士・永倉新八』です。他にも研究家あさくらゆう先生の既刊本『坂本龍馬研究への提言四』などもあるかと思われ。

 ヤ撃団新刊は、永倉新八を中心におき、新選組の武士道を論じることで、幕末志士の思想精神と江戸時代の武士道について論じていきたいと思っております。乞うご期待ください。

 

 さて、話をスペンサー銃リベンジ射撃会に戻します。今回は、あさくら先生が改良した金属薬莢を秘密兵器に、実弾射撃テストを行います。

 もちろん、私は”見てるだけ”の見学者ですけども。

 前回の金属薬莢(カートリッジ)よりも、後ろの雷管(プライマー)部分が大きくなっているそうです。

 

 まずは、英式ミニェー(エンフィールド)銃の射撃から行われました。使用弾丸はミニェー弾です。

 うん。安定の先込銃っすな。機構が単純な分、不発も少ない。これに対して、スペンサー銃は今回も不発を連発します。

 どうやら、ハンマー部の叩く面が削れたのか、へっこんでいるようで、非常に微細ですが変形が見られました。これが原因で、ハンマーの衝撃力が逃げ、雷管部への衝撃が足りなさそう。

 そこで、何度も不発弾を叩き、雷管をいじめ抜いたところ……

 ついに激発してくれました。実弾発射です!。

 

 写真では、黒色火薬を使った弾を使用したため、銃口から火を吹く写真が撮れましたが、他の弾は現代の無煙火薬を使用しているために、火も出ないし煙も少ない。写真にはっきりと写ってくれない。この写真が唯一の一枚でした。

 それでも何とか実弾を発射できまして、合計で3発ぐらい撃てたのかなと。こうした金属薬莢使用の後装銃は、ミニェーやゲベールと比べれば複雑な機構になってくるし、微細な狂いが射撃に影響する。つまり、不安定になりがちなのだなぁと感じました。

 「戦車も動かなければタダの鉄屑」なんて言われますが、高性能だが不安定要素のある銃と、性能は悪いが安定して射撃ができる先込ミニェー銃……。どっち使うべきか?。と問われると、なかなか難しい。戦場で射撃できねば死ぬしかないわけで……。横に最新式高性能銃があっても、手に取るのは旧式銃という事もあったかもしれません。

 もちろん、スペンサー銃のすべてが不良品なわけではなく、今回のスペンサー銃が元々調子悪かったことも不発が増えた原因なのですけども、それでも後装式は、前装式と比べれば複雑な射撃機構を持っていますので、弾が詰まったりすると圧倒的に厄介なものになるのです。

 

 射撃終了後にターゲットを確認します。大きな穴はミニェー銃によるもの。まん丸の小さな穴がスペンサー銃。やはり威力の違いからこんな感じになりました。

 前装銃のゲベール銃やミニェー銃は、雷管を激発させ、その炎が火穴という穴を通って銃内部に詰められた発射火薬に引火、爆発して弾が発射されます。その際に、爆圧が火穴から多少抜けて行ってしまい、爆圧が落ちて威力が下がってしまうらしい。

 これに対し、金属薬莢使用の後装銃は、金属薬莢が完全に一方向にだけ爆圧を指向させているため、爆圧の全圧力を弾に与えます。火穴がそもそもありませんから。そのために威力が高い。それはもう音の違いで解るし、銃の反動も段違いらしく、ミニェー銃の時はそのまま撃っていたあさくら先生が、スペンサー銃を撃つときは方にタオルを肩に当て、そこにストックを当てて反動を受けていたことからも解ります。

 以上、ということで不発は多かったけれども、なんとかスペンサー銃の実弾射撃実験は成功致しました~。

 あさくら先生、お疲れさまでした~。