【マンション傾斜問題】と【杭データ偽装】その1 | マンション検査 キッチリ見せて頂きます!公認インスペクター亀田

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マンションを専門に住宅診断(ホームインスペクション)をしています。
ブログでは日々感じたことをつづっていきます。リフォームやリノベーションについても。

ゼネコンでマンションを造り、
デベロッパーでマンションを企画販売まで担当した、
マンション建築のプロによる住宅診断!


こんにちは。
東京マンションインスペクター代表の亀田です。

昨年掲載した
【中古マンションとホームインスペクション】の記事について、
年始のご挨拶で『ブログ見てますよ~!というご連絡を頂き、

そうか、それじゃあ頑張ろう!と思ったのもつかの間、
いよいよ年度末の予約が入ってきて、
なかなか時間が取れないこのごろです(^_^;)


さて、前回は、アメリカからメールを頂き、
日本の仲介業者の頼りない活動に不満を頂きながらも、
マンション購入につてい自分自身でしっかりとお調べになり、
それでも情報の足りない点や、
理解出来ない部分はインスペクターを上手く利用する事で、
都内の中古マンションを無事ご契約されたお客様のことを、
実際にやり取りしたメールを紹介する事でご案内させていただきました。

まだご覧になっていない方はどうぞ。
中古マンションとホームインスペクション その1
中古マンションとホームインスペクション その2
中古マンションとホームインスペクション その3
中古マンションとホームインスペクション その4
中古マンションとホームインスペクション その5
中古マンションとホームインスペクション その6
中古マンションとホームインスペクション その7
中古マンションとホームインスペクション その8
中古マンションとホームインスペクション その9


今回はその続編にあたります。

実は、お客様が無事契約を結びアメリカに帰えられた後、
日本のマンション業界を揺るがす、
大きな問題が発生しました。



【横浜マンション傾斜問題

【杭施工データ偽装問題】

私が初めて目にしたのは、
どちらかのニュースサイトだったと思います。

『横浜のマンションで傾きが発覚!!●●不動産!!

注意深く記事を見ながら、
ネット上の情報を集めました。

損害賠償? 建て替え?
誰が責任を? 何処が施工したのか?
どんな状態か?今すぐ危険なのか?

情報が行き交い、
なかなか正確な状況がつかめません。

ただし、事の重大さとしては
【構造計算偽装問題レベルという事が分かりました。


構造計算書偽装事件...

建設業界に身を置くものとして、
これほど大きな事件は無かったと記憶しています。


その平成17年に発覚した【構造計算偽装問題
ちょうど10年目の年に、
このような問題が起きたのは偶然でしょうか。


実は私自身、平成17年の問題発生当時は、
マンションデベロッパーで建築担当として、
お客様に完成した建物を引き渡す業務も行っていました。

この時、ちょうどマンション引き渡し一週間前に問題が発覚し、
正確な情報がまだつかめていない中、
お客様にマンションを引渡さなければならないという、
大変な役割を経験しました。

たまたま偽装問題の発覚したマンションと同じ検査機関で
確認申請を取得しており、
その事もあって、お客様からは構造上問題ないのかと質問攻めと、
また何かあった場合には買い戻す約束として、
一筆入れろなどと責任問題で詰め寄られ、
対応に苦慮した事を思い出しました。

普段、マンションの開発業務(近隣説明)で、
利害関係の調整など難しい交渉事を行っていましたが、
このときの紛糾はそれらと比べても非常に難しいものでした。


今回は当事者ではないため、同じ業界にいる人間として、
施工技術の問題を客観的にとらえることが出来たと思います。


さて、問題発覚後、
私のところにもお客様から多くの問い合わせが寄せられました。

私は分かる範囲で説明し、もしも必要であれば、
一緒に杭や地盤に関する書類など、確認する事をお約束し、
皆さんに少しでもご安心頂ければと対応しておりました。

そしてそうする間にも、気になっている事がありました。
そうです、先日中古マンションをご契約されたお客様の事です。

アメリカにもこの事件は伝わっているでしょうし、
また心配が増えて不安になっているのではないかと...

そしてその数日後には、ご連絡を頂きました。


ご無沙汰しております。アメリカ在住の里中です。





つづく。