noVme(のぶめ)ちゃんがお出かけ先で遭遇した濃密な一夜のできごと | 元鉢巻きのサバティエンヌが今後もしかしたら本格的にボディビルダーを目指すかも知れないブログ

元鉢巻きのサバティエンヌが今後もしかしたら本格的にボディビルダーを目指すかも知れないブログ

訳あって現在は非活動的な日々を送っているかつて鉢巻きのサバティエンヌだった者がいずれ元気になって何事かをなさんとの思いを胸に抱きつつなんとなくその時々の出来事などを記すブログ

(夫による代筆)
こんにちはnoVmeです。いつもブログを読んでくださってありがとうございます。
さて、先日、女装して新宿は二丁目の女の子クラブ さまにお邪魔しました。
20170418のぶめちゃんとお出かけ01 20170418のぶめちゃんとお出かけ02
↑この写真は出発時に自宅マンションの玄関の前で妻が撮ってくれた写真です。
上野のABAB にあるえる座 というお店で買ったワンピースと国分寺で買ったカバンでおでかけです。
まだ陽が昇っているうちに撮るのは今回が初めてなので、あらためて自分で自分の顔を見るのは何だか恥ずかしいです。
ちなみに修正などはまったくしていません。
女装をする方々の中には写真を載せる際、修正などをしたりする方もいらっしゃいます。
それをしたくなる気持ちはよくわかりますし、お前の顔なんか見たくないから修正しろよという声もあるかもしれませんが、まぁ私はできるだけそのままを載せさせてもらおうと思います。ご了承ください。

私の女装をいつも手伝ってくれている女友達と新宿で合流し、晩ご飯を食べてからいざ出陣です。

普段は平日の夜のお客さんの数はそれほど多くない・・・らしいのですが、
この夜は女の子クラブさんの「スタッフさんが一から女装をしてくれるサービス 」を受けたい、という女装初心者さんが多く、結構賑わっていました。
もともと社交的で話し好きな妻と友人は初対面の女装さんやスタッフさんと楽しくおしゃべりしてくれて、私も嬉しかったです。
ただ「楽しい」だけでは片付けられない性的マイノリティ事情のお話も聴けてとても勉強になりました。

ひとり、コーカソイドの男性がお店の奥のソファでこころなしか不安げに呑んでいたので、わたしは思い切って話しかけてみました。
私は、普段は人見知りでそんなことをするタイプではないのですが、自分以外の女装さんがどういう人たちなのか、興味があったのです。

彼(Sさんと呼びます)はイギリスから観光に来たトランスジェンダーの方で、
体は男性でも心は女性らしいのですが、イギリスでは気軽に女装などもできないので日本人の友人に教えてもらってこのお店に来たそうです。
Sさんは女装はしてみたいものの、前述のメイクサービスを受けるだけの金銭的な余裕がありませんでした。
店員さんに相談してみたところ、「お客さんだけ(スタッフが同伴しない)なら、追加料金無しでお店の道具を使ってメイクをしても良い」というとだったので、妻の提案で、私がSさんの人生初女装を仕上げることになりました。

さて、ここからが嵐のような怒濤の時間でした。
そもそも自分だって女装を始めて二ヶ月くらいだし、
他人のメイクなんてしたことは無いし、
自分が普段使っている化粧品とお店にある化粧品のメーカーも違うし、
ましてや外国人ですよ。
もう顔の骨格が日本人と違うわけです。
つけまつげを付けようとしたのですが、うまくいかず、ビューラーでカールさせてみるか?と妻がSさんにビューラーをあてようとしたら・・・
目の周りの骨格が日本人と違いすぎて、ビューラーが当てられない!!
我々はメイク中、ひたすら「sorry,we do our best,sorry」と繰り返し声をかけました(苦笑)

 それでも、とにかく「女性に見えるポイントを絞り込んで押さえる」作戦が功を奏したのと、Sさんのもともとの顔立ちが良かったので、なんともお美しい、フランス人形のような美女になりました。↓
20170418のぶめちゃんとお出かけ03
本人の了解を取り忘れたので、顔は伏せていますが、隣にいる顔もウィッグも疲れ切ってクッタクタの私より綺麗ですよ。
なんだかわからないけど、とにかくとんでもない達成感を得た我々夫婦はSと握手し、ハイタッチし、(心の中で)万歳三唱し・・・と大喜びです。
唯一、残念なのは、Sさんの足に合うサイズの靴がどうしても見つからず、かかとの潰れた靴を履いてもらうことになりました。

先ほども書いたようにこの日はメイクサービスを受けるお客さんが他にもいて、しかもメイクルームは一人ずつしか使えないので、Sさんの順番を待ちメイクを終え、時計を見たら日付が変わっていました。
まぁ、我々が住んでいるのは日本で最も終電が遅いらしい路線の沿線のため、それでもまだ電車があって無事帰れましたが。

さんのメイクを終えた後、終電が無くなるのではないかと慌てて出てきてしまったので、Sさんと連絡先の交換等もしていませんし、私はSNSもろくすっぽやっていないので、今後のSさんの動向を知ることはできないかもしれません。
しかし、Sさんが心から自分らしいと思える人生を今後歩めるよう、夫婦ともども祈りたいと思います。
(夫による代筆終わり)

kun*kunです。
現代日本人の中では濃い人生を歩んでいる自覚のあるワタクシですが、
上記の一昨日のできごとは、
そんなワタクシの人生の中でも特濃の経験と相成りました。
この記事も最初は自分で書いてみようとしたのですが、
言語化することが極めて困難で、夫に下請けに出してしまいました。
実を言うと、Sさんのお化粧を夫が手伝うことは、
私が安請け合いで決めてしまったことだったので、
あんなに大変なことになってしまって、
Sさん、夫、お店、多方面に申し訳なかったと、
反省しているところでもあります。
ものすごーく疲れましたが、
いろいろと楽しくもあり、
UK(イギリス)の性的マイノリティを取り巻く状況が、
必ずしも日本より良いという訳でもないらしいことなど学ぶこともでき、
もしかしたら、一人の人がちょっとでも幸せになるお手伝いが、
できたかも知れない訳でもあり、
有意義な時間を過ごすことができて、
私にとってはありがたいできごとでした。
あらためて考えてみると、
日本の性的マイノリティを取り巻く状況も、
決して良いとは言えませんが、
奇異の目で見られつつも、
存在することそのものを否定されてはいないと感じられます。
もちろん、私は、どこの国や地域であっても、
多様性が当たり前に存在するようになるべきと思っております。
日本は、ほんの150年前くらいまでは、
異性装や同性愛が異質でもなんでもなく当たり前に存在した社会でしたので、
多様性が包含される社会の実現は、
そんなに難しいことではないと信じて、
自分にできる努力を重ねていこうと考えております。