小説っぽいもの#03
以下の文面は全てフィクションです。バイトから帰ったら家の電気が灯いていた…
夕方、母と話してた“例の件”で父親が、まだ起きているのだろう。
玄関のドアを開けると母がやって来て、父が待っていると告げる。
居間では父が“例の雑誌”を前にケワシイ顔をしていた。
「孝昭が、こんな事に興味があるとはな…」
そこで俺は初めて知った。
その雑誌には『一ノ瀬アニメーション学校』と書かれていた。
「まぁ‥孝昭が自分で決めたのだから応援するぞ!」
俺は焦った。
“アニメーション”なんか興味は無いぞ。
「いや、あの…バイトで金貯めて、自分の力で何とかするから…」
必死である!誰が行ってたまるか!
しかし、父親は意外にも乗り気だ。
「何を言う。若いうちの一年は、年取ってからの十年に匹敵するんだぞ。始めるなら早い方が良いに決まってる!」
おいおい本当に良いのか?
アニメーションだぞ!
「いや‥でも‥」
俺が何か言おうとした時、
「住む所も決めないとな?」
…え?
「そうねぇ。隣街だから、通うには遠いわねぇ。」
母も何故か嬉しそうだ。
あの…まぢっすか?
俺…一人暮らしするの?
小説っぽいもの#02
以下の文面は全てフィクションです。10月も中旬に差し迫ったある日のこと…
自分の部屋でバイトまでの時間をつぶすかのようにボーっと雑誌を眺めてたら、突然母が怒鳴りちらしながらノックもせず入って来た。
「進路はどうするの?」だとか、
「○○さんとこの○○ちゃんは○○の大学を受ける」だとか…止まりゃしない。
進路?
今は学校に通ってるワケじゃないんだから…
○○さんとこの○○ちゃんって誰?
などと頭の中でツッコミを入れてる最中も、母は喋り続けている…。
「スゴいものだ」
と感心しつつも、いい加減うるさく思えて来たので
「ちゃんと考えてるよ!」
と言ってみた。
母は一瞬黙ったが
「嘘!」
そう言うと、また喋り出した…。
もはや話に脈略は無い。
同じ話の繰り返しだ。
母の言葉を聞き流しながら、さっきまで読んでいた雑誌にふと目をやると『願書受付中』と見えた。
(おぉ、コレだ!)
「ホントに考えてるよ。今もコレ見てたんだから。」
やっと静かになった母が俺の差し出した雑誌を手に取り、まじまじと眺めている。
…そして
「お父さんに相談するから、この本借りるね。」
そう言うと部屋を出て行った…。
さて…
一体何が『願書受付中』だったんだろう?
小説っぽいもの#01
以下の文面は全てフィクションです。コンビニのバイトを終えて家に帰る…時刻は深夜1時をまわっている。
別に今日が特別なワケではなく「いつも通り」である。
家に着くと、まず風呂に入り遅い夕食をすませる。
それから録画したテレビを観たり、ゲームをプレーしてから就寝…時刻は午前5時を過ぎてる。
…いつも通りである。
俺は、結城孝昭。フリーターだ。
高校を卒業してからの半年間、ずっとこんな生活をしている。
中、高と学校では、それなりに成績も良く、周りの全員が大学に進むものだと思ってたらしい…
いや、俺もそのつもりだった。
中途半端な成績の良さが過信となり、受けた大学全てが「不合格」
自暴自棄になりどうでも良くなった。
卒業してからも、本当に何もしなかった日々がしばらく続いた。
「世間体があるから」と、母親がうるさかったので、とりあえず家から2㎞ほど離れた所にあるコンビニでバイトを始めた。
2㎞は少し遠いかも知れないが、知り合いやご近所さんに会うよりかはマシだと考えたからだ。
…結局は俺も「世間体」を気にしてたのかも知れない。