「男性美」「女性美」ってのはあるんじゃないかと | 星垂れて平野闊く 月湧いて大江流る

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 まだ京都に住んでいた頃、JR西日本をよく利用してたんですが、近畿圏のある私立大学の車内広告がありました。同大に在籍する学生の一人にクローズアップして、本人に取材したものです。
 その時大変よく目にしたのが、応援団で活躍するある女子部員の紹介でした。
 
 応援団といっても、チアリーダー部ではなくて、普通は男性がやる、学ラン着て白い手袋して、ってアレです。男性ばかりの応援団の中に、髪の長い華奢な女性が入って頑張っています、やっぱりそれが好きだからです、ウチの大学はこういう学生を応援します、という趣旨の広告です。
 
 わたくし、その写真を見る度に、大変失礼ながら、「貧相だ」「女の子がいたら絶対おかしい」という違和感を拭えずにいました。
 日頃あれほど、ジェンダーフリー万歳、女らしさ、男らしさの押しつけ反対、あたしは絶対に化粧しないからな、と主張している名倉がそんなことを言う方がおかしい、と考えられる方が多いかと思いますし、あたしはべつにその女性のやる気とか情熱とかに文句を言っているわけではないんです。応援団っていうと男でも音を上げるくらいに厳しいと聞きますから、女性の身でよく頑張ってるなといつも思いました。
 やっぱり、「女性では体力的にも気力的にも応援団員は務まらない」なんていうのは、他人が決めることではないのです。
 
 ただ、これこそあたしが石頭なのかも知れないですが、「応援団というのはやはり、ガタイがよくて声の野太い男性のものだ」という気がしてならないんです。
 「それじゃあんたが散々批判してるふんどし男(前項・前々項を参照)の言ってることと同じじゃないか」というご意見もあるかと思いますが、今言いましたように、その女性の闘志とかスポーツマンシップとか、ましてや体力とか、そんなことを問題にしているわけではないんですね。
 それと、再三言いますように、相撲に女性が参加できないのは「女は不浄だから」という差別的思想がベースになっていますが、あたしが本項で言わんとしていることは勿論、そういうことでもない。パフォーマンス以外の例えば事務的な用事などであっても、女性が応援団のフィールドに立ち入ることさえ許さん、応援団は神聖であって、女は不浄だから、ってそんな話をしてるんじゃないのはおわかりですよね?
 
 前々項の最後の方でちょっとだけ宝塚に触れましたが、その話を展開したいと思います。
 宝塚歌劇団というのは、女性だけで構成するからよい。歌舞伎というのは、男性だけで構成するからよい。少年合唱団というのは、変声期前の少年だけで構成するからいいんです。これは差別ではなくて、そうすることで独特の世界観を作り上げようとしているんだ、とあたしは思います。
 男性ばかりの応援団に女性が交じるというのは、このタブーを犯しているような気がしてしょうがない。何でもかんでもジェンダーフリーにすればいいってもんじゃないぜ、と思うのです。
 
 もしかしたらふんどし男君もこの程度のことが言いたかっただけかも知れないのですが(ただその時の文脈とか言葉の端々から、彼が極めて女性蔑視的、非民主的な思想の持ち主だということが読み取れたものですから)、でもあたしはそれを差別だと受け取り、しかし自分の言ってることは差別ではないと主張している。でも、他の人からすれば、ふんどし男の言ってることも名倉の言ってることも変わらない、どっちも差別だ、もしくは、べつにどっちも差別ではない、どっちでもいい、と思うかも知れません。
 それと、では相撲の話でも出てきたように、身体障害の男性や、でなくても女性と間違えるような声や体格の男性はどうなるのか?また、FTMやMTFなどのトランスジェンダーは?という難問も依然残されたままです。
 
 しかし、幾ら性差別反対っつってもですな、ミニスカート穿いてポンポン持ったチアリーダー部に男が交じってたら、やっぱりおかしいって思うでしょ?
 
 とずっと思っていたんですが、先日、関西に帰ってみて、また電車の中であの大学の広告を目にしました。
 そして驚いたことに、今度は正に女性ばかりのチアリーダー部で活躍する男子学生の紹介だったのです。さすがにスカートは穿いてなかったですが。
 
 時代は刻々と移り変わってゆくなあと思いつつ、いや、やっぱりこれはおかしい、やるなら女性だけで学ラン着た応援団を組織したり、男性だけでポンポン持ったチアリーダー部を組織したり、または男女混合のジェンダーフリー、ユニセックス応援団を別に組織したりすべきだ、と思いました。
 どれも、なかなかいい考えだと思います(^皿^)
 
 繰り返しますが、あたしは決して、「今まで伝統的に男性だけのものとされてきたことに女性が挑戦すること、やってみたいと思うこと」「またはその逆」ということ自体を否定したり批判したりしているわけではありませんので、誤解のありませんように。