夜:気をお付け。そこには「戦争」が入ってるんだよ。昔から見るとずっと恐ろしく、力も強くなってるから。その中の一つでも逃げ出したが最後、どんなことになるかわかりゃしない。ただありがたいことに、あいつらみんな太っていて、のろまなんだよ。だが、みんな総がかりで扉を押さえてなくっちゃいけない。その間に洞穴の中を大急ぎでちょっとだけ覗くんだよ。
【中略】
チルチル:ええ、ええ、とっても大きくて、恐ろしい奴らだった。あんな奴らが青い鳥持ってる筈ないや。
(モリス・メーテルリンク「青い鳥」1908)
この間、YouTubeでNHKスペシャル「映像の世紀」のテーマ曲としても使われた「パリは燃えているか」の音楽を聴きながら、何とも言えない(_ _)気分に浸っていました。
最近つくづく思うんですが、終戦時十歳だった人がもう八十二歳なんですよね。
あたしたちが子どもの時、まだまだ戦争ってリアルだったんですが(特にあたしは両親不在で年寄りに育てられているので)、もう今時の人は感覚が薄いんだろうなと思います。
今の子に第二次世界大戦時の映像を見せたら、
「え、昔の映画じゃないんですか?」
って言いそうじゃないですか?戦争は本当にあったくらいのことは知っていても、これが実際の映像だとは知らなかったりするんじゃないでしょうか。
あたしでさえも改めて見て、「これって百年足らず前、人類が(うちのおばあちゃんもおじいちゃんもみんなみんな)実際に体験したことなんやなあ」「嘘みたいやなあ」って思いますから。
世の中には仏陀やキリストが実在の人物とは知りませんでしたとかいう人がいるんですが、
「え、ヒトラーって実際にいた人なんですか?」
「映画のキャラクターじゃないの?」
とかなりそう。いや冗談抜きで。
幻のような第二次世界大戦
幻になろうとしている第二次世界大戦
幻の第二次世界大戦
幻にしてはいけない第二次世界大戦
しかし否応なく幻になろうとしている第二次世界大戦