-丘と丘陵-
「丘のまち多摩市」であるが、高みを台形にならしての都市化で丘地形は建物の海に沈んで見えにくくなっている。
この地の丘に美瑛の丘のような田園風景はないが、大地形としての地形学的「丘陵の町」は健在だ。特有の谷底地形「谷戸」との高低差を人と車に振り分ける骨格は紛れもなく丘陵のたまものなのだ。いくつあるのだろう、陸橋が多い。
微地形、つまり台地の斜面にかつての里山の雑木林が残された。株立ちヤマザクラ大木に薪炭林の痕跡を見る。
ステレオタイプされた「丘」という単語のイメージ、人が描く共同幻想のアイコンとしての「丘の」という枕言葉は、やはり心地よい。
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