写経屋の覚書-フェイト「今回は期成会の横領について詳しく見ていくんだよね」

写経屋の覚書-なのは「うん。前回見た『統監府政況報告並雑報』よりちょっと前、7月11日の大韓毎日申報に総合所のこんな広告が載ったんだよ」


写経屋の覚書-19070717申報

警告国債報償金義捐諸氏自本所로京城内各収金所를次第調査中至若期成会写経屋の覚書-ha17写経屋の覚書-nan17莫重義金을貯置不明写経屋の覚書-ha17고文簿眩惑写経屋の覚書-ha17야難以明査故로茲에広布写経屋の覚書-ha17오니該会로納金諸氏写経屋の覚書-nan17無一遅滞写経屋の覚書-ha17고領収証号数와金額과氏名과日字를昭詳히本所로録送写経屋の覚書-ha17야勿失義務写経屋の覚書-ha17심을敬要
 大韓毎日申報社内国債報償志願金総合所 白

写経屋の覚書-はやて「警告?貯置不明とか文簿眩惑とか穏やかやない言葉が出とるなぁ」

写経屋の覚書-なのは「ざっと訳すると、国債報償金について京城の各集金所を調査中なんだけど、期成会については調査できなかった上に、報償金の保管状況が不明で帳簿も迷わせるようなものだからきちんと調査することが難しい。そこで、期成会に募金した人は領収証の番号・金額・氏名・日時を書いて総合所に送ってほしいってことなの」

写経屋の覚書-フェイト「帳簿からお金の動きがたどれないから、募金者の領収証から追いかけていくんだね」

写経屋の覚書-なのは「そういうことなの。その4ヶ月後の11月5日付皇城新聞にこんな記事が載せられたの」


写経屋の覚書-19071105皇城新聞_呉の横領使途

●国金欠逋 近日巷説을聞写経屋の覚書-han17즉国債報償義捐金을期成会収金所에셔五千円이欠逋되얏슴으로該会員呉栄根氏가完納写経屋の覚書-har17次로手票写経屋の覚書-rar17成給写経屋の覚書-ha17얏다写経屋の覚書-nan17写経屋の覚書-thai17伝説에該金額으로両西等地에셔買麦殖利写経屋の覚書-ha17다가不利写経屋の覚書-har17所致로于今遷延写経屋の覚書-han17写経屋の覚書-ha17니果然인지随聞姑記写経屋の覚書-ha17노라

写経屋の覚書-フェイト「噂によると、役員の呉栄根が麦を買って利殖を図ったけど失敗したんじゃないかっていうんだね」

写経屋の覚書-はやて「小豆相場や先物取引で溶かしてもぉたようなもんやなぁ」

写経屋の覚書-なのは「総合所はその後、12月6日から13日、17日から21日、24日から27日の申報にこんな広告を掲載したの」


写経屋の覚書-19071206申報

●特別広告
国債報償志願金総合所에셔磚洞普成館内期成会의義金受入文簿를調査写経屋の覚書-ha17랴다該会主務呉栄根等이偽詐不現写経屋の覚書-ha17고義金貯置가不明写経屋の覚書-han17所致로領証調査広告도已有写経屋の覚書-ha17엿거니외方将帯持証物写経屋の覚書-ha17고交渉官庁次로又此布告写経屋の覚書-ha17오니全国同胞写経屋の覚書-nan17照亮写経屋の覚書-ha17시며領証도不日示明写経屋の覚書-ha17시오
 大韓毎日申報社内総合所

写経屋の覚書-フェイト「え?主務呉栄根の偽詐現れず、って書いてるよ。横領はなかったの?」

写経屋の覚書-はやて「単に帳簿からは不正は分からんかったいうだけのこと(ちゃ)うかなぁ。まぁ、7月の状況見たら、帳簿そのものが確認できなかったいうことかもしれへんしね」

写経屋の覚書-なのは「誤植かもしれないんだけどね。国債報償金費消事件(1)で見た警秘第248号「国債報償金に関する件」では「(現はれの誤か)」としているよ。それに誤植でなかったとしても、帳簿に不正は見られなかったけど募金の保管状況が不明だ。領収証調査広告にもあるように、証拠物を持参して官庁に交渉するため布告するよ。全国同胞はどうか領収証をお示しくださいって内容になるから問題はないと思うよ」

写経屋の覚書-フェイト「そうだね。期成会への寄付についての領収証確認のためにみんなに呼びかけるのが主旨だもんね。これで官庁も動いたのかな?」

写経屋の覚書-なのは「ところがね、官庁よりも先に動いたのが、前にも見た李東暉だよ。12月28日、李が鄭永沢と2人で呉に会って問い詰めたの」


写経屋の覚書-19071229皇城新聞_呉栄根逮捕

1907年12月29日付皇城新聞
●呉氏捉囚 李東暉鄭永沢両氏가期成会会長代弁総務呉栄根氏를某処友人家에셔逢着写経屋の覚書-ha17야国債報償金乾没음質問写経屋の覚書-han17즉呉氏가横竪의説로百般塗沫写経屋の覚書-ham17写経屋の覚書-spun17아니라反히無理의言을発写経屋の覚書-ha17写経屋の覚書-nar17即時其調査写経屋の覚書-han17文簿를送人推来写経屋の覚書-ha17야一一査考写経屋の覚書-han17즉呉氏의欠縮이金四千余円과正租一百石과金銀属四十余両重이라掩護不得写経屋の覚書-ha17야切切自服写経屋の覚書-ha17写経屋の覚書-nan17지라李東暉氏가其熱血이湧湧写経屋の覚書-ha17写経屋の覚書-nan17中其逃躱写経屋の覚書-har17慮가不無 야呉氏를警庁으로捉去写経屋の覚書-ha17야警官에게告発写経屋の覚書-ha17야曰此漢이人民의分分収合写経屋の覚書-han17国債報償金을盗食写経屋の覚書-ha17얏스니即為捉囚写経屋の覚書-ha17고(後略)

写経屋の覚書-はやて「呉はなんとか言い逃れようとしたけど、結局、現金4,000余円と正租100石、貴金属40余両の横領を自白したんやね。正租って何なん?麦のことなんかな?」

写経屋の覚書-なのは「うん。麦と見ていいだろうね。そこで李東暉は血が騒ぎ、逃げようとした呉を捕まえて、そのまま警視庁に連れて行って告発し、逮捕させたの」

写経屋の覚書-フェイト「前に見た時、やたら熱い人だって言ってたけど、ここでその熱さがいい方向に働いたんだね」

写経屋の覚書-なのは「ノリが熱血教師だよねぇw この日、期成会役員の金東圭も横領を自白して逮捕されたことが、1908年1月1日付皇城新聞に載ってるよ」

写経屋の覚書-19080101皇城新聞_金東圭逮捕

写経屋の覚書-はやて「総合所・申報社の報償金保管状況の調査請願かてこの行動の延長なんやろなぁ。一緒に請願した鄭永沢がここでも一緒におるし」

写経屋の覚書-なのは前に見たように、12月2日に釈放されてからの行動なんだけど、行動力があるよねぇ。この李の行動と呉・金の逮捕については1908年(隆煕2年)1月1日付の申報にも載ってるの。その後の呉については、1月10日付の申報にはこんな読者の投稿が載ってるの」


写経屋の覚書-19080110申報

○挙呉泳根罪状写経屋の覚書-ha17야告同胞兄弟  吉昇淵
(中略)
噫彼呉泳根은身為国債報償義捐金期成会会員兼総務員写経屋の覚書-ha17야公心血誠이宜当倍於他人而反棄自国精神写経屋の覚書-ha17고但聡銅臭写経屋の覚書-ha17야義捐金中六千余円을偸食写経屋の覚書-ha17얏스니
(中略)
一以声討呉賊之彰罪写経屋の覚書-ha17고(後略)

写経屋の覚書-フェイト「呉泳根は期成会の会員・総務員であり公に尽す心と誠実さを他人の2倍は持っていなくてはならないのに、その精神を捨ててただ金銭に敏感で報償金の中から6,000余円を盗んだ、ってことかな?」

写経屋の覚書-はやて「ほんで、呉の明らかな罪を声討つまり糾弾する、ってことやね」

写経屋の覚書-なのは「ここで気になるのが6,000余円って金額なんだけどね、『統監府政況報告並雑報』に出てきた期成会の保管金の内容を整理してみるよ」

中国貿易の資本金に融通約35,000円~36,000円
ソウルの商人に貸与8,000円~9,000円
横領金合計約43,000円~45,000円
漢城銀行預け入れ1,700余円
合計約44,700円~46,700円
報償金総額約50,000円
不明約3,300円~5,300円

写経屋の覚書-フェイト「横領額を差し引いても、約3,300円~5,300円が行方不明なんだね」

写経屋の覚書-はやて「一応、考え得る最小値から最大値の幅をとっとるんやね。そやけど、「約」やから四捨五入の切り上げ切り捨てはあるやろね」

写経屋の覚書-なのは「うん。そういうことを踏まえて考えると、吉昇淵の言っている6,000余円って、この不明金に当てはまるんじゃないかな?」

写経屋の覚書-はやて「さっき見た現金4,000余円と正租100石・貴金属40余両を全部換算したらその額になるんと(ちゃ)う?」

写経屋の覚書-フェイト「銀行預け入れは1,700余円だから、貿易資本金が約35,000円、商人貸付が8,000円とすると小計44,700円、ここに6,000余円を足すと総計約50,700余円。計算は合うよね」

写経屋の覚書-なのは「というわけで、期成会の報償金は、貿易の資本金に流用・商人に貸付・呉個人の横領で、銀行に預け入れた1,700円以外は全部費消されてたって考えるのが妥当だと思うよ」

写経屋の覚書-はやて「ほんなら、私が前回の最後で言うた1908年7月27日の憲機第40号には期成会の私消金がなくて保管額が18,700円22銭7厘って報告されとるんはどういうことなんやろ?」

写経屋の覚書-なのは「1910年7月6日付の大韓毎日申報には期成会を整理する保管委員の広告があるんだけど、そこでは保管額が18,768円4銭になってるの」


写経屋の覚書-19100706皇城

○本人等이隆煕三年九月三十日에前期成会■셔推尋写経屋の覚書-han17国債報償金一万八千七百六十八円〇四銭(物品放売価幷)■韓一銀行■期任寘이온바本年三月十六日写経屋の覚書-ska17지本利計算写経屋の覚書-ha17야合金額이二万〇六百六十一円四十銭인写経屋の覚書-thai17今에国債報償金処理会로越交写経屋の覚書-ha17写経屋の覚書-sap17기茲에広布写経屋の覚書-ha17오니一般同胞写経屋の覚書-nan17 照亮写経屋の覚書-ha17写経屋の覚書-ap17
隆煕四年七月六日

前期成会国債報償金
保管委員 李承喬
  李敏卿
 金柱炳
 金相天

写経屋の覚書-フェイト「横領事件の後、また募金が集まったの?」

写経屋の覚書-はやて西岡隊長のスレでも分かるように、1907年6月から大韓毎日申報・皇城新聞の募金額も激減していっとるのに、期成会だけが1907年7月から1908年7月の間に18,768円も集められたとは考えにくいで」

写経屋の覚書-なのは「そうなんだよね。「(物品放売価幷)」ってあるように期成会の財産を処分したり、呉たち役員が横領した金銭を弁済させたりしてなんとか回収できた金額と考えた方がよさそうだね。そうそう、1910年(隆煕4年)4月1日付皇城新聞にはこんな記事もあるんだ。還推は取り戻すって意味だよ」


写経屋の覚書-19080401皇城新聞_期成会横領金の所在

1910年4月1日付皇城新聞
●期成会国債報償金
前期成会에세収合写経屋の覚書-han17国債報償金에呉栄根金東圭両氏犯用還推条及漢城、天一、漢湖三銀行의任置条合九千四百十九円八十四銭을該委員諸氏가推尋写経屋の覚書-ha17야韓一銀行에任置写経屋の覚書-ha17写経屋の覚書-nan17写経屋の覚書-thai17韓一銀行에任寘条八千余円은金東圭氏가出他写経屋の覚書-ha17야姑未換署写経屋の覚書-ha17얏더라

写経屋の覚書-フェイト「呉と金が横領したのを取戻した分と3つの銀行に預けてある分を合わせた9,419円84銭が韓一銀行に預けられてたことが分かったけど、8,000余円は金が引き出してしまっていて返還されてないって話なんだね」

写経屋の覚書-はやて「え?一旦取り戻したのにまた横領されたん?これは弁済されたんやろか?」

写経屋の覚書-なのは「うーん、どうなのかなぁ。続報は発見できてないから分からないんだよね。じゃ、期成会の話はこれで終了、今回はここまでにするね」

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