はじめに
キャロットクラブの2022年追加募集馬の全頭診断をやっていきます。
期待値評価はS、A+、A、B+、B、C+、C、D+、D、Eの10段階です。
評価は、事前に基準を決め、機械的に出しています。
そのため、自分の評価と齟齬が生じる場合もあり、その場合は【総評】に記載します。
管囲横の括弧内の数字は過去に記事にした標準管囲からの差です。
あくまで私個人の評価です。データ分析がメインです。
馬体も見ていますが、私は馬体を見ても走るかどうかはわからないので評価には反映させていません。
『私を楽しむ。(それが競馬)』という昔のJRAのキャッチコピーのとおり、皆さんそれぞれの一番があるはずなので、皆さんの一番を大切にしていただければと思います。
評価一覧(92~98)
キャロ92 ナムラバイオレットの20 牝 期待値E
キャロ93 メリートの20 牝 期待値C
キャロ94 トウカイライフの20 牡 期待値B+
キャロ95 ラクアミの20 牡 期待値B+
キャロ96 グランデセーヌの20 牡 期待値C
キャロ97 ウェイヴェルアベニューの20 牝 期待値E
キャロ98 アデレードヒルの20 牝 期待値C+
個別評価(キャロット92~98)
キャロ92 ナムラバイオレットの20 期待値E
牝 父ファインニードル
予想馬体重470kg 管囲20cm(+0.16)
1800万円(一口4.5万円)
【馬格】ベストに近い馬格、管囲も安心。
【母能力】母は芝短距離の2勝馬。未勝利戦から芝1400mを2連勝で1勝Cを抜けるも、その後は鳴かず飛ばず。盛岡に売却された。
【父】アドマイヤムーン産の快速馬、スプリントG1を2勝。米国系の血統で、日本では基本的に短距離の芝ダ兼用種牡馬になりがち。レッドファルクス、ビッグアーサーと同じくちょっと日本では成功しづらい血統。走ってみないとわからないというのはどの種牡馬も同じですが、現状積極的に出資したい種牡馬ではありません。
【血統・牝系】一族にブラックタイプは皆無。牝系の活力は皆無。
【繁殖成績】初仔の牝馬
【育成進行度】やや遅め。年内デビュー予定。
【総評】ノーザンが初仔牝馬のファインニードル産駒を落札したとして話題になった馬。たしかに馬体はバランスが良く好印象。ただ、データ派的には馬格以外特に褒められるところがなく、ここまで条件が悪いと1800万円の値段も特段魅力には感じない。馬体派の人の意見が聞きたいですね。
キャロ93 メリートの20 期待値C
牝 父ミッキーアイル
予想馬体重490kg 管囲19.5cm(-0.81)
2000万円(一口5万円)
【馬格】馬格十分でいかにも短距離向きの寸の短い馬体。管囲は気持ち細い。手術歴は当歳時のものなので気にしなくていいと思います。
【母能力】母は豪州の短距離G1を2勝。豪州の芝短距離は世界トップレベルであり、能力はこれ以上ない。
【父】このブログでずっと推し続けている父。マイル以下に特化しているものの、牝馬の質を考えると素晴らしい勝上率で、スプリント戦線なら重賞級も期待できる。まだ高くなっていないので今が最高の買い時。
【血統・牝系】祖母も豪リステッド勝で祖母からの派生で複数の豪州重賞勝馬あり。名牝系というほどではないが活力は十分。
【繁殖成績】第6仔。初仔(キャンベルジュニア)が輸入され日本で5勝。その後、ガリレオに4年連続でつけられるも英国3勝馬が最高の成績で目立った結果は出ず。上々の繁殖成績。
【育成】標準。初秋デビュー目標。
【総評】輸入馬が活躍して数年経て輸入された繁殖という少し珍しいタイプ。母の能力は間違いなく一線級。豪州でのスプリント実績は高く評価すべき。日本での繁殖実績もあり2000万円は明かに安い。育成が少し遅めなのは無視できないが、それでも2000万円ぐらいなら軽く回収してくれるのではという期待感有り。馬体も短距離父×短距離母という特化型血統の良さが良く出ている感があり、芝短距離中心に活躍が見込める。私はもうポチりました。
キャロ94 トウカイライフの20 期待値B+
牡 父リアルスティール
予想馬体重500kg 管囲20cm(-0.54)
3600万円(一口9万円)
【馬格】馬格ベスト。今回の募集は馬格に問題がある馬が一頭もおらず、流石はキャロットといったところ。
【母能力】母はダ中距離で中央3勝し、3勝クラスで頭打ち。能力の裏付けは十分。
【父】新種牡馬の中では一番ノーザンが力を入れている。牝系はラヴズオンリーユーもでた名牝系で期待は大きい。
【血統・牝系】母の産駒からコスモス賞勝馬が出た以外は活躍馬はおらず、活力はあまりない。母父トウカイテイオーは目を引くが、正直、今の馬場でこの母父がプラスになることはなさそう。
【繁殖成績】第5仔。0勝,2勝,1勝,0勝という繁殖成績で、2歳OP勝馬を輩出している。ただし、OP勝馬はその後2勝クラスで停滞。ぼちぼち。
【育成】遅め。コメントで言及はないがペース的には年内デビュー目標というところか。
【総評】データ的には買える要素多く高評価。ただ、個人的には3600万円はリアルスティール産駒としては高めに感じ、価格設定に疑問で、育成も遅れ気味。ただ、セール購入馬だけあって馬体の見栄えはいいし、母父トウカイテイオーに魅力を感じるのであれば。
キャロ95 ラクアミの20 期待値B+
牡 父エピファネイア
予想馬体重480kg 管囲19cm(-1.07)
4000万円(一口10万円)
【馬格】ベストに近い馬格だが管囲が心配な細さ。幸い今のところ頓挫はしていないようなので、そこまで気にすることはないかもしれないが。
【母能力】母は芝短距離を3勝。準オープンでも3着に入るなど能力は十分。
【父】推しも推されぬトップサイアー。すでに価格は上昇し、期待値的なうまみはないが、クラシック制覇も狙える良種牡馬であることに変わりなし。
【血統・牝系】祖母は芝短距離を5勝、繁殖に上がってからは重賞馬も輩出し、他にも中央勝ち馬を多数輩出。活力十分。
【繁殖成績】第2仔。初仔のドレフォン産駒はセレクトで3960万円の値がつき、既に未勝利を突破。父がエピファネイアに変わった本馬にはさらなる期待がかかるのは当然。セレクトセールと価格比較するのはどうかと思うが、初仔の値段を考えるとかなりお得感がある。
【育成】至って順調。コメントで言及はないが頓挫さえなければ遅くとも6月には移動しそう。
【総評】追加募集の中では文句なしのトップ評価。母の能力十分、第2仔、父はトップサイアー、育成も至って順調、牡馬で4000万円と価格も許容範囲なら人気は必至。キャロットではあと10年くらいはアワブラ狙いに徹しようと思っているが、本馬なら牡馬でもと思ってしまう条件の良さ。特にこの時期の募集は育成の順調度はとても大事なので、その点がトップクラスの評価であることは安心感があります。
あえて懸念を挙げるとしたら管囲か。あと、私は重視しませんが、馬体はあまり見映えがしないなと思いました。
キャロ96 グランデセーヌの20 期待値C
牡 父モーリス
予想馬体重480kg 管囲19.4cm(-0.67)
3200万円(一口8万円)
【馬格】ベストに近い馬格、管囲もぼちぼち。
【母能力】0勝馬。未勝利戦でも勝負に参加できず。競争能力は低い。
【父】ジャックドールという大物が登場し、盛り返し気味。ただ、産駒全体を見渡すと期待されていたほどではない。価格は初期の高い値段が据え置かれており積極的に買いたい種牡馬ではない。
【血統・牝系】母母は名繁殖リッチダンサーで、複数の重賞馬(バウンスシャッセ、ムーンクエイク、コントラチェック)を輩出。牝系の活力は十分。
【繁殖成績】第2仔。初仔はいまだ未勝利(0-1-0-6)。
【育成】やや遅れ気味。秋ごろデビュー目標か。
【総評】一目、3200万円は高いなという感じ。母は牝系はいいものの競争能力にかなり疑問符で、初仔も走っていない。育成の進行度も強調出来ない。モーリスは全体的にまだ割高に感じます。ただ、いかにもモーリスという感じの筋骨隆々の馬体でその点は高評価。
キャロ97 ウェイヴェルアベニューの20 期待値E
牝 父ロードカナロア
予想馬体重466kg 管囲20cm(+0.25)
6000万円(一口15万円)
【馬格】ぼちぼちの馬格、管囲は安心。
【母能力】BCフィリーメアリースプリント勝馬で最高クラスの競争能力。
【父】3年目までの勢いは見る影もないが、現役種牡馬としては上位の能力であることは間違いない。とはいえ、一度上がった価格は中々下がらず、その価格に見合うかというと…
【血統・牝系】母が一族の最高傑作。活力十分。
【繁殖成績】第3仔。初仔のフランケル産駒(グレナディアガーズ)が朝日杯、阪神Cを勝利。第2仔もすでに勝ちあがっており、最上級の繁殖成績。
【育成】やや遅れ気味
【総評】追加募集の目玉。最上級の母に日本トップクラスの種牡馬。血統の組み合わせ的に距離が持たなそうな点が心配だが、牝馬ならマイルまでいければ十分。個人的には奥村豊厩舎は最も信頼している厩舎なので、奥村厩舎というだけで出資欲が湧いてくる(詳しくはこちらの記事をどうぞ)。
ただ、期待値的にはロードカナロア産駒の高額馬ということで厳しい評価に。また、これだけの血統馬がどうしてここまで残っているのかという疑問もある。育成の進行も遅めで、6000万円の価格を考えると無視できない。欲しいけど、自分の出資方針とは合わないので見送ります。
キャロ98 アデレードヒルの20 期待値C+
牝 父ヘニーヒューズ
予想馬体重466kg 管囲19.8cm(+0.05)
1000万円(一口10万円)
【馬格】ダート馬とすればやや物足りない馬格だが牝馬ならやむなし。
【母能力】母はダート短距離で3勝し、準OPで頭打ちとなった。能力は十分。
【父】ヘニーヒューズは結果を出し続けるもダート種牡馬ということもあり価格は上がらず、おいしい種牡馬。
【血統・牝系】3代母は名牝ユーザーフレンドリー。母母からは活躍馬が出ておらず、活力は低下気味。
【繁殖成績】初仔。
【育成】至って順調。
【総評】かなり腰高で馬体のバランスがいいとは言えないが、母の能力十分で父も期待値高めの種牡馬。育成も順調。ケチをつけるなら牝系の活力の低さぐらいで、1000万円は明かに安い。地方馬はこの世代既に1頭持っており、流石に二頭目はやりすぎな感があるが、期待値はかなり高そう。
総評
昨年ほどではないものの、今年も粒ぞろい。
個人的にファンである奥村先生にウェイヴェルアベニューの20で一発当ててほしい気持ちはあるものの、期待値的にはあまりおいしくなさそう。
メリートの20はすでにぽちったので、あと1頭ぽちるかどうか。
候補としては
ラクアミの20かアデレードヒルの20。
アワブラを考えないならラクアミの20一択。かなりの好条件。
アデレードヒル20もアワブラも狙えて条件もいいが、この世代2頭目の地方馬になるので躊躇。
まあまだ時間はあるのでじっくり考えます。
皆さんもいい馬との出会いがありますように。
最後まで読んでいただきありがとうございました。