inc.percussion days 2022 in TOYOHASHI

後編のレポートをさせていただきます

なにげに私もinc.古参メンバー、戸崎可梨です

2日目のプレイアデス講座のあとは、東廉悟&細野幸一による

スネアドラムワークショップでした

音程がなく、とてもシンプルな「スネアドラム」という楽器ですが

さまざまな音色や響き、そしてリズムを聴くことができました

太鼓ひとつで、いろんな世界に行けることを教えてくれました

そして２日目ラストはいよいよ

inc.パーカッショニストによるリサイタルが２つありました

(この先４枚、穂の国とよはし芸術劇場PLATさんTwitterよりお写真お借りしています)

まずは悪原至　パーカッションリサイタル

連日の講座で演奏している『プレイアデス』と同じ作曲者であるヤニスクセナキスの『ルボンA』からはじまり

ヴィブラフォン、スネアドラムと様々な打楽器での流麗な演奏がつづきます

『モノヴァランス』では楽譜の指示にある照明も使っての演奏

耳だけでなく目からも音楽を感じられるような演出に想像力をかきたてられました

そして最後はジャンベ3台によるヤニスクセナキス『オコ』で締めくくられました

（左端でわたしもお手伝いさせていただきました〜）

つづいて篠崎陽子&高口かれん　マリンバデュオリサイタル

お2人の熟練の、そして息の合った演奏が本当に素晴らしかったです

おふたりのソロの演奏もあり

マリンバのみせるさまざまな表情を感じることができました

マリンバを２台使っていましたが

響きや音圧、音楽の広がりは２倍どころか何十倍にも

個人的にはマリンバデュオ『オクタボーンズ』で痺れました

私たち演奏者にとっても、先輩のかっこいい背中を見られることは

何よりの刺激になります

みんなお腹いっぱい満ち足りた気持ちでホテルへ帰ったのでした

そしていよいよ最終日、3日目

朝いちばんに、中所宜夫さんによる能のすり足を体験するからのスタート

inc percussion daysでは恒例となってきたこの講座

毎回講座を受ける間隔が空いてしまうのですが、回を重ねて少しずつ

すり足というものにからだが馴染んできているように思います

足袋をはき扇をもつと、不思議と背筋をしゃんとしたくなります

歩くという動作がこんなにも魅力的になるなんて、かっこいい世界だなといつも思っています次は舞えるところまでいきたい

そのあとは富田真以子による

みんなのためのワークショップ③だれでもできる！ドラムセット入門

わたしもサポートで参加させていただいたのですが

まいまい（富田真以子）のとっても分かりやすく丁寧な説明により

はじめてドラムセットをさわるという方も

ほっと肩の力を抜いて、にこにこ参加されている姿が印象的でした

太鼓とシンバルで、リズムを生み出す言ってみればそれだけのことですが

それだけで、言葉にはできないけど、体から湧き上がってくる、わくわくどきどきがあるんです

つづいてホール開場と同時に、ロビーで３組目のヤニスクセナキス／オコの演奏

そして最終日の

みんなのための公開講座③クセナキス「プレイアデス」metaux

一見むずかしい！と思われがちなこの曲ですが、意外とかわいい、おちゃめなところもたくさんあるんですよ

そのあとはレクチャーコンサート③マリンバ

写真左から、藤本亮平・中野志保・三神絵里子・戸崎可梨と共演：細野幸一による

マリンバのレクチャーコンサート

4人それぞれ毛色のちがう曲を演奏し、ことばでお客さまに曲ができた背景だったり、曲について自分の思っていること、演奏するにあたって考えていることなどをお伝えしました

私たち演奏家も、ふだん音で伝えている曲のことをことばで伝える機会って少ないので、貴重な経験をさせていただけました

そしてそして盛りだくさんすぎるこのイベントの最後を飾るのは

志多らさん（和太鼓）、中所宜夫さん（能）、加藤訓子さん（打楽器）

によるステージです

（公演の写真が入手できず残念ですがことばで伝えていきます）

前半は志多らさんによる和太鼓や篠笛での演奏

私は初めて演奏を聴かせていただいたのですが、もうほんとうに圧巻でした

ものすごいエネルギーとその場を支配する圧倒的な音楽の存在感に魅了されました

言葉通り、「目でも耳でも」そしておそらく「誰でも」楽しめるステージでした

そして演奏会の前半最後に

志多らさんと加藤訓子さんによる『三木稔／マリンバスピリチュアル』

わたしはこんなに心が震えたのは、初めてでした…

打楽器は「楽器を打つ（叩く）」と書きますが、やっぱり

打った振動がこころを震わせるんだと身をもって体験することができました

後半は中所宜夫さん（能）、加藤訓子さん（打楽器）による

能と打楽器／花を奉る

中所さんのひとつひとつがシンプルで、でも確実に私たちを魅入らせる動きと

訓子さんの力強く優しい、凛とした音が合わさって

私はこの演目を見るたびに、演目名通りになってしまいますが

一輪の花を生けるときのような、あたたかくて澄んだ気持ちになります

こうしてinc.percussion days 2022 in TOYOHASHIは幕を閉じました

豊橋市民文化会館の皆さま、ご来場いただいたお客さま、気にかけてくださった皆さま

本当にありがとうございました

私たちincメンバーは今年もたくさんの挑戦をしていくことになると思います

ぜひ見届けていただけたら嬉しいです戸崎可梨でした