小説「ハイスクール・ボブ」 16-4 | なんとなく断髪・襟足好きのためのようなブログ

なんとなく断髪・襟足好きのためのようなブログ

散髪や襟足に関する小説などなんとなく書いています。

ハイスクール・ボブ
~ある全寮制高校のカット事情~
 

16 夏仕様
(4)
 理奈は学園美容室前の廊下からカット中の女子生徒をじっと見ていた。
 窓越しに見えるカット席でカット中の女子生徒の一人は、同じ303号室の倫のように見える。
窓越しなのではっきりとはわからない。
 たしか倫は今週末の土日にカットに行くと言ってたからだ。
 カット席に座っている倫と思われる女子生徒は、真っ白なカットクロスの上にピンク色のネックシャッターを着けられていて正面の鏡に映る自分の姿をじっと見ている。
 その女子生徒のサイド、バックはすでにカットが終わっている感じだ。そして、今まさに前髪のカットの真っ最中だ。
 もう一人の女子生徒は、1組の生徒だ。その生徒は、仕上げの段階で、耳後ろから襟足にかけてのおくれ毛をトリマーで処理しているところだ。
 理奈は、あまりじっと見ていると気まずいと思い、その場を離れて、廊下を歩きだした。
 数十分後、理奈が先に寮室に戻っていると、しばらくして倫が帰って来た。
「ただいま」
 夏仕様のスクールボブにカットしたばかりの倫が入り口に立っている。
理奈「おかえり」
理奈「倫、さっきカット行ってたんだね。」
倫「知ってたの。」
理奈「うん、放課後購買に行った時、たまたま美容室の前を通りがかったら倫がカットしてるのが見えたから。」
倫「そうなんだ。別に予約はしてなかったんだけど、購買に行った帰りに学園美容室に入ってカットできるか聞いてみたら、たまたまその時間空いてたんで、待たずにすぐカットしてもらえたわ。」
倫「夏仕様だから後ろは前のカットの時よりも短くなってるよ。」
 倫は、後ろに振り返り、理奈に襟足を見せた。
 襟足は、夏仕様ということで3ミリのバリカンで綺麗に刈り上げられていて地肌か透けて見えている。
 襟足のおくれ毛は綺麗に処理されていて、生え際が青白くなっている。
倫「襟足をここまで短くしたのって初めてだわ。」
 倫は、襟足の刈り上げを手のひらで撫でながら言った。
 前髪は、これまでと同じように眉の端から端の幅で、眉の少し上でパツンと真っすぐに切り揃えられている。
 倫の場合も京と同じように、サイドや前髪のラインが気持ち前回より短めになっている。
倫「土日は混雑するかもしれないから、平日の放課後のうちにカットに行っておいた方がいいよ。」
理奈「そうね。」

6月9日、金曜日 始業前
 理奈は、教室内に入って教室内を見渡すと、1年2組の生徒のうち、さらに3人の生徒がカットを済ませていた。

 そのうちの一人は倫だ。
 これで1年2組39人中10人の生徒がカットをすませたことになる。
 理奈が自分の席から教室内を見渡して、女子生徒の後ろ姿を見ると、襟足の刈り上げが伸びたイガイガ状態の生徒たちの中に襟足をサッパリと夏仕様に綺麗に刈り上げられた状態の10人の女子生徒の後ろ姿が目立っている。
 理奈のすぐ前の席は黒田 風香だ。
 風香も昨日にカットを済ませていたようだ。

 他のカット済みの女子生徒と同じように夏仕様のスクールボブになっている。

 昨日までイガイガ状態だった風香の襟足の刈り上げが綺麗に夏仕様の3ミリの短さに刈り上げられている。

 風香の耳の後ろから襟足にかけての生え際のラインは綺麗にトリミングされていて、おくれ毛は処理されていて剃り跡が青白くなっている。

 風香は、理奈がゴールデンウィーク中に自宅に帰省していた時、学園に戻るバスで一緒になった生徒だ。
 理奈は席を立って風香の前に行って風香に話しかけた。
理奈「風香、昨日髪切りにいってたんだ。」
風香「うん、昨日の放課後に予約してたんだ。そうそう、予約の時間の少し前に学園美容室に行ったらちょうど倫がカットしていたわ。」
風香「私は、倫の少し前にカットが終わった子の後にカットしてもらったんだけど。」
理奈「そうなんだ。」
 昨日、理奈が学園美容室の前の廊下から美容室の中を見ていた時、風香は待合の椅子に座って待ってたのだった。
風香「理奈はいつカットに行くの?」
理奈「明日の土曜日に行こうと思ってるの。」
風香「土日は学園美容室は混むみたいだから、早く行った方がいいよ。」
理奈「わかったわ。ありがとう。開店直後に行くようにするわ。」
風香「それか、今日の放課後に行ってみたら。予約してなくても空いてたら通してもらえるわ。」
理奈「そうね。倫も予約してなかったって言ってたし。」
風香「たしか倫の後にも1組の子が一人やってきて、その子も予約してなかったけど、倫が終わった後、すぐに通してもらってたわ。」
理奈「そうなんだ。だったら今日の放課後、ちょっと学園美容室の前を通って様子を見てみるわ。」
風香「あっ、そろそろチャイムが鳴るから準備しないと。」

理奈「ごめんね」 

「キーン、コーン、カーン、コーン・・・・」

 始業のチャイムが鳴った。

 理奈は、風香の後ろの自分の席に戻って、まっすぐに前を向いて座った。

 風香も、まっすぐに前を向いて座っている。
 理奈は、前の席に座っている風香の昨日カットしたばかりの夏仕様の3ミリの短さで綺麗に刈り上げられた襟足と、両耳穴のラインで真っすぐに切り揃えられたバックのボブのラインをじっと見つめながら、授業が始まるのを待っていた。

 

つづく