小説「ハイスクール・ボブ」 15-18 | なんとなく断髪・襟足好きのためのようなブログ

なんとなく断髪・襟足好きのためのようなブログ

散髪や襟足に関する小説などなんとなく書いています。

ハイスクール・ボブ
~ある全寮制高校のカット事情~
 

15 定期カット

(18)

 理奈は、寮室に戻って来た。
理奈「ただいま」
有紀、倫、京「おかえり」

 寮室内には、有紀、倫、京がいる。
理奈「カットに行って来たよ。さっぱりしたわ。」
有紀「これで4人全員カット完了ね。」
有紀「記念に写真撮っておこうよ。」
京「いいね。」
倫「私も」
理奈「私も」
有紀「じゃ、私のスマホで撮るね。」
 有紀は、自撮り棒にスマホを取り付けた。
有紀「倫、京、理奈、写るようにこっちに入って」
 4人は、写真に入るように顔を寄せ合って、スマホのカメラを見つめている。」
有紀「じゃあ、撮るね。」
「カシャッ」
 有紀のスマホからシャッターの合成音が鳴る。
有紀「何枚か取るから、ポーズとってね。」
「カシャッ」
「カシャッ」
「カシャッ」
 3人は、手でポーズをとったり、表情を変えたりして何枚もスマホで撮影した。
有紀「はい、OK。あとでLINEに入れとくから」
倫、京、理奈、「ありがとう。」
 せっかくだから理奈、カットしたての今の状態を撮ってあげる。
理奈「いいわよ、別に」
有紀「まあまあ、そう言わずに、カット記念に撮ってあげるからスマホ貸して」
理奈「わかったわ、その代わり、可愛く撮ってね。」
 有紀は、理奈のスマホを持ち、理奈の正面に立ってスマホを構えた。

「カシャッ」
 スマホからシャッターの合成音が鳴る。
有紀「次、横からね。」
有紀は、理奈の側面に立ってスマホを構えた。

「カシャッ」
有紀「反対側も撮るから、理奈、反対向いて。」
有紀は、理奈の反対側の面に立ってスマホを構えた。

「カシャッ」
有紀「最後に後ろから撮るから、理奈、後ろ向いて」
有紀は、理奈の真後ろからと、少し動いて斜め後ろからの姿をスマホで撮った。

「カシャッ」

「カシャッ」
有紀「はい、これでどうかしら」
 有紀は、スマホを理奈に返した。
 理奈は、スマホの画像のギャラリーを見た。
 カットから帰って来たばかりの理奈の正面、側面、後ろ、斜め後ろからの写真が入っている。
 カットしたての状態は、ちょうど学園ホームページの髪型紹介に使えそうな感じだ。
理奈「へー、こんな感じなんだ。」
有紀「髪型紹介のモデルになれるかもよ。」
理奈「それはちょっと恥ずかしいかも。」
 その後も、寮室内で4人で話していると、いつの間にか昼食時間の10分前になっていた。
有紀「そろそろ昼食の時間ね。寮の食堂へ行こうか。」
 4人は寮棟B棟1階の寮生用の食堂へ向かった。
 食堂に着き、4人は定位置に着席し、昼食を食べている。
 ゴールデンウィーク最終日ということでかなりの生徒が戻って来ている。
 昼時ということもあり、まだ帰省から戻って来ていない生徒や日帰りで外出している生徒もいるせいか、3割ぐらいの席が空いている。
 食堂に来ている生徒を見るとほとんどの生徒がカットを済ませている。
 まだカットを済ませていない生徒は、今日の夕方の学園美容室の閉店時間までにカットすませなければならない。
 4人は、昼食を済ませると寮室に戻った。
理奈「倫、今日は多くの生徒がカットしてるからお風呂は早いうちに入った方がいいかもね。」
倫「そうね、夕食を食べ終わったらすぐに行くわ。」
 前回の一斉カットの日の夜、倫がお風呂場に入った時に、カットで生徒の頭皮の間に残っていた黒く短い毛クズが洗い流された際に排水口に行かずに洗い場の隅に溜まっていた。
倫は、この黒く短い毛クズがカビのように見えて気持ち悪かったのでカットの最終日は早くお風呂に入ることに決めていたのだった。
 こうして、ゴールデンウィークの最終日が過ぎていった。

 

つづく