小説「ハイスクール・ボブ」 15-17 | なんとなく断髪・襟足好きのためのようなブログ

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ハイスクール・ボブ
~ある全寮制高校のカット事情~
 

 ご精読ありがとうございます。

 しばらくアメンバー限定でしたが、
 ここからは、全員公開しますので、非アメンバー様も読んでいただけます。
 

15 定期カット

(17)

 カットを終えた理奈は、カウンターに向かった。
 カウンターでは、天草が対応している。
 天草は、カウンターの内側にあるノートパソコンを操作している。
天草「はい、では、もう一度生徒証をカードリーダーに通してくださいね。」
理奈「はい。」
 理奈は、生徒証を取出して、カードリーダーに通した。
「ピッ」
 生徒証をカードリーダーに通すと、カードリーダーが反応する。
 カードリーダーの読取り後、天草が、パソコンを操作すると、カウンター内にあるレシート専用のプリンターからレシートが出力される。
天草「はい、お疲れ様でした。」
 天草は、レシートを理奈に渡した。
 理奈は、天草からカウンター越しにレシートを受け取った。
理奈「あのぅ、このレシートって何かに使ったりするんですか?」
 理奈は、レシートが何かの手続き等で必要なのか不安になり、天草に尋ねた。
天草「詳しいことは学校に聞いてもらった方がいいんだけど、カット指定期間内に普通にカットした時は、特にレシートを何かに使うってことは聞かないわね。指定期間を過ぎてからカットしたり、他に何か特別な理由があってカットした時なんかは学校に出す書類に貼り付けたりしないといけない場合があるみたいだから、そういう時はしっかり保管していないといけないわね。今回は1年生のカット指定期間内だから学校から特に何も言われていないのなら何かに使うことはないと思うわ。」
理奈「わかりました。ありがとうございました。」
天草「いらないからといってお店の前の廊下などに捨てちゃダメよ。」
理奈「わかりました。大丈夫です。」
 理奈は、レシートを財布の中に入れた。
 そして、理奈は、カウンターを離れて出口に向かった。
 天草は、理奈がいたカット席に戻って、理奈のカットで出た毛クズを掃除している。
 今回は、伸びた分だけのカットなので1センチぐらいの長さの毛クズがほとんどなので、ほうきで数回掃くだけですぐに片付いた。
 待合には、6人の女子生徒がカットを待って長椅子と丸椅子に座って待っている。
 6人の女子生徒の中には理奈と同じ2組の生徒も3人いた。
 理奈は、カット待ちの2組の生徒も3人に軽く手を振って学園美容室を出た。
 理奈がドアを開けて廊下に出ようとしたその時、ちょうど次に待っている女子生徒が呼ばれていた。
 理奈は、美容室を出て、食堂棟2階の廊下を少し歩き、階段を下りて食堂棟を出た。そして寮棟へ向かった。
 外に出ると、カットを終えたばかりの髪に外の風があたる。
カットしたばかりのサイドや襟足がスースーとする感触がある。
 今回は、全体として1センチ程度しかカットしていないが、カットしたサイドや襟足のスースーとする感触が気持ちよかった。
 中学時代のロングヘアの時にはなかった感触だ。
 理奈は、刈り上げられた襟足を手で撫でて感触を確かめていた。
 1か月前の一斉カットの直後と同じ感触だ。
 理奈は、学園内の敷地を寮棟に向かって歩いている。
 途中、前から1年の女子生徒がこっちに向かってくる。まだカットをしていなく髪が伸びた状態だ。おそらくこれからカットのために学園美容室に向かっているようだ。
 理奈と同じ2組の島田 麻琴だ。
 お互いに気付き、軽く手を振る。
麻琴「あっ理奈。今カット行ってたの?」
理奈「うん。今終わって寮に戻るところ。麻琴、これからカットなの?」
麻琴「そうなの。美容室混んでた?」
理奈「うーん、私が出た時で5人待ちぐらいだったわ。」
麻琴「そうなんだ。最終日だからやっぱり混んでるんだね。」
理奈「そうね。まあ待ってるのは1年の生徒だけだから。」
麻琴「それはそれでちょっと恥ずかしいんだけどね。」
 理奈の方から見ると、麻琴の後ろの方向からまた別の1年の女子生徒が食堂棟の方へ向かって歩いているのが見えた。その女子生徒も髪が伸びた状態でまだカットしていないようだ。ここを歩いているということは学園美容室に向かっているようだ。
理奈「あっ、後ろから1組の子がこっちに来ているわ。あの子も多分美容室に行こうとしてるよ。急いだ方がいいよ。」
麻琴「そうね、じゃあ、バイバイ。」
理奈「バイバイ。」
 麻琴は、学園美容室がある食堂棟の方へ、理奈は寮棟の方へそれぞれ歩いて行った。

 

つづく