何と,久し振りに ザ・バンド(The Band)の初期音源です.
1968年7月にデビュー・アルバム 『 Music from Big Pink (ミュージック・フロム・ビッグ・ピンク) 』 リリース,翌年の1969年9月には,2nd アルバム 『 The Band (ザ・バンド) 』 をリリース.
本商品は,そんなバンドの 1969年の4カ所で行われたライヴの,オーディエンス録音を収録した 3枚組の 『 Live 1969 Revisited (No Label) 』(+) です.
(+) : 以下の公演を収録
Disc 1 : Winterland Ballroom, San Francisco, CA, USA [19th April 1969]/span>
Disc 2 : Isle Of Wight Festival, Woodside Bay near Ryde, Isle Of Wight, UK [31st August 1969]
Felt Forum, New York, NY, USA [26th or 27th December 1969]
Disc 3 : Philadelphia Academy Of Music, Philadelphia, PA, USA [26th October 1969]
因みに 「 Revisited 」 とあるので,ネットで検索してみたところ,完全に同じ内容では無いのですが,2011年に,やはり 4カ所のオーディエンス録音を収録した 『 Live 1969 』(#) がリリースされていおり,Disc 1 には,ウッドストック・フェスティヴァル(Woodstock Music and Art Festival)(1969年8月17日)の音源が収録されているんですね.
(#) : 以下の公演を収録
Disc 1 : Woodstock Festival, Bethel, NY, USA [17th August 1969]
Disc 2 : Isle Of Wight Festival, Woodside Bay near Ryde, Isle Of Wight, UK [31st August 1969]
Disc 3 : Felt Forum, New York, NY, USA [26th or 27th December 1969]
Philadelphia Academy Of Music, Philadelphia, PA, USA [26th October 1969]
Disc 1に収録された 4月のウィンターランド公演は,ヴォーカルが若干引っ込んでいる箇所や,籠った感を感じる箇所もあるものの,全体を通して出音のバランスも相応に良く,聴き易いオーディエンス録音で,Disc 2 の8月のワイト島公演の後に収録されている,2月のフェルト・フォーラム公演は,ボーナス扱いで収録されているのかも知れませんが,入力過多気味で,全体的に歪み気味です.
Disc 3 に収録されている 10月のアカデミー・オブ・ミュージック公演も音像は思ったより近く,各パートの出音のバランスも相応に良く,Disc 1-3 ,何れもヴィンテージ感を感じるオーディエンス録音ですが,録音された年代を考えれば高音質と言えるのでは無いでしょうか.
特に,Disc 1 に収録されているデビュー・ギグ時の音源は貴重です.
メーカー情報では
『ザ・バンド活動末期の貴重なステージを最高の音質にて収録したオーディエンス・アルバム「LENOX 1976」はこちらの予想を上回るセールスを記録。もちろん1970年代の偉大なグループの貴重音源ということを考えれば当然の結果なのですが、そうなればマニアが次に求めてくるのはザ・バンドがもっとも彼ららしいサウンドを作り上げていた活動初期の記録。
永遠の名作となったファースト・アルバム「MUSIC FROM BIG PINK」が革命の吹き荒れていた1960年代後半のロック界に原点回帰の大切さという、別の革命を巻き起こして一躍脚光を浴びたものの、同アルバムがリリースされた後はライブ活動を行わなかったのです。
ロニー・ホーキンスやボブ・ディランのバックを務めていた時代には、それこそ連日のステージで鍛え上げられたザ・バンドが自身のライブ活動をスタートさせるのに時間がかかったというのは意外な事実でしょう。待ち望まれた彼らのライブが実現したのは1969年のことで、その一年に残された貴重なライブ音源をまとめた名作がその名も「LIVE 1969」。三枚のディスクには伝説のウッドストックでのステージから始まり、ワイト島、さらにセカンド・アルバム・リリース後のステージまで収録するという、正に69年ライブ・アンソロジーと呼べる内容のセットだったのです。
それまでバンドのライブ音源といえば1973年から76年にかけてのアイテムばかりに集中しており、もっとも彼ららしい時期のライブ音源がなかなかリリースされなかった。そんな状況に一石を投じたのが「LIVE 1969」であり、CD三枚分にも呼ぶボリュームもマニアに高く評価されています。その結果、当然の如くSold Outとなってしまいました。
「LENOX 1976」のリリースとヒットによって古の名盤と化した「LIVE 1969」の再発を求める声がマニアから寄せられます。そこで今回、同タイトルが久しぶりの再登場を果たすことと相成りましたが、実は単なる再発ではありません。何故ならウッドストックから50周年を記念してリリースされるオフィシャル38枚組セット「BACK TO THE GARDEN: THE DEFINITIVE 50TH ANNIVERSARY ARCHIVE」の中において、遂に彼らのステージの完全版のリリースがアナウンスされた(エンディングのアナウンスまで完全収録)ことを受け、一枚目に違うライブ音源を収録させる判断が下されたのです。
一時は一枚目を省いて二枚組にトーンダウンさせたバージョンというのも検討されたのですが、幸いにも代わりに収めるに相応しい音源がマニアから提供されました。それはザ・バンドとしてのデビュー・ギグだった69年4月のウインターランド。ファースト・アルバムのリリースと大成功から半年以上が経過し、その頃にはセカンド・アルバムの制作も進行していた中でようやくザ・バンドとしてのライブが実現したのがこのステージでした。
誰もが待ち望んだウインターランドでのデビュー・ギグは4月17日から都合三日間に渡って行われたのですが、その初日は緊張のあまり発熱してしまったロビー・ロバートソンに催眠術をかけてギグを決行したという伝説でも有名。この時の体験を元にロビーが「Stage Fright」を作曲したのもまた有名でしょう。そんな伝説のギグですが、何と三日目となる19日の模様を捉えたオーディエンス録音が存在します。
ザ・バンドがステージ・デビューを飾ったギグの最終日の音源が残っているだけでも奇跡的なのですが、この音源が出回ったのは今から10年以上前。あまりの貴重さから当時CD-Rアイテムがいくつか売り出されたのも今は昔。現在ではネット上を検索しても見つからない貴重音源と化してしましました。
そんな音源が初めてプレスCDに収録されるというだけでも大きなトピックなのですが、音質はこれぞビンテージ・オーディエンスの典型。アナログ感たっぷりで漂うヒスノイズも全く嫌味がない。もちろんマニア向けな音源であることに違いないのですが、これが驚くほど聞きやすいのです。まず音像からして、これまた驚くほどオンなバランスであり、中でも各人のボーカルのバランスが大きい。とはいってもそこはビンテージ・オーディエンス、冒頭から低めなピッチの不安定さを抱えており、従来のアイテムで完全放置プレイだったこの問題を今回は徹底的にアジャスト。
そして何より感動的なのは、正に「MUSIC FROM BIG PINK」そのままの世界をステージで繰り広げる様子。先の理由からボーカルのバランスが大きめですので、リチャード・マニュエルが「Tears of Rage」を熱唱する様や、優しさに溢れた「In a Station」を聞かせる姿には感動せずにはいられないほど。これぞ初期のバンドでしか味わえない場面でしょう。また初日には熱が出て絶不調だったロビーも快調にギターを弾いており、最後には観客に語り掛けてくれます。
極めつけはカントリー・トラディショナルの「Little Birds」。こういった牧歌的な曲を1969年にライブで演奏してみせたところがザ・バンドの面目躍如であり、ザ・バンドとしての演奏は未だにこの音源でしか聞かれないという超貴重カバー。先にも触れたように近年入手困難な存在でしたので、今回のリリースで聞くのが初めて…というマニアも少なくないのでは。しかもウッドストックの代わりに4月のウインターランドが収録されたことにより、全てがオーディエンス録音で構成され、なおかつ1969年を通したライブ音源が三枚のディスクで見事に集約される内容ともなりました。
二枚目のディスク以降は基本的に前回のリリースを踏襲したものとなりますが、それらに関しても単なる再発に留まらない徹底した音源のレストアを敢行。実を申しますと前回のリリースはピッチ調整以外に一切の手を加えていませんでしたので、今回は各音源に散見された問題が一掃された堂々たるアッパー版でのリリースでもある。もちろん、それらの音源は元から状態が秀でていたというのも大きいのですが、今回は別項に記しましたように、緻密なまでの修正を各音源に加えているのです。
ワイト島は前回のリリース時から、1969年のオーディエンス録音としては信じられないレベルな音の良さであり、そのインパクトは未だに色褪せていません。まるで当時のラジオ放送か?と錯覚しそうになるほどオンな音像が素晴らしい。何しろ「Chest Fever」ではガース・ハドソンのオルガンとリチャードが弾くピアノの鍵盤類がはっきりと聞き分けられるという驚異的なクリアネス。さらにリリース当時に専門誌などで話題となった、ロビーの(ギターでなく歌が笑)唸りまくる「To Kingdom Come」が強烈。同曲でリックとリヴォンが歌っている時は何ともないのに、リチャードと一緒にロビーが歌い出すと一気に歪むボーカルが異様なほど。あれだけ名曲を書けてギターが上手いのに、歌声がからきしダメだったのだから面白いものですね。だからこそ、他のメンバーが彼の曲を歌い上げるというバンドの構図が成り立っていたのです。
ワイト島の後にボーナス的に収められた12月のフェルト・フォーラムでもロビーは未だに「To Kingdom Come」で唸ってますが、4月のウインターランドであれだけ控えめに同曲を歌っていた姿から一転、もはや堂々とした唸りっぷり(笑)に驚かされます。こちらは粗いビンテージ音質ですが、やはり音像が非常にオンなので十分に楽しめるかと。
そして最後のディスクに収録された10月のフィラデルフィア公演、これは今から10年近く前に発掘された、ザ・バンド最古のフルサイズ・ライブ音源として世界中のマニアを喜ばせたもの。音像的には本タイトルに収録されたオーディエンス録音の中ではもっとも距離感を覚える録音状態ですが、代わりに鮮度と臨場感が素晴らしいという別の魅力と聞きやすさを備えています。まだ4月ウインターランドではレパートリーが少なく、40分程度のギグをこなすのがやっとだったバンドもセカンド・アルバムがリリースされたことでレパートリーが一気に増大。
何より同アルバムが大ヒットしただけに留まらず、シングル「Up on Cripple Creek」までもがヒットと言う状況の中にあり、礼儀正しく聞き入っていながら、それでいて盛り上がるというオーディエンスの反応や臨場感を捉えているのがいい。よってセカンド・アルバム収録に対する反応も熱狂的。おまけにガースがオルガンのインプロビゼーション(この頃はまだ短い展開でした)から「Chest Fever」に移った瞬間の盛り上がり、あるいは「Loving You Is Sweeter Than Ever」で繰り広げられるロビーのギターとリチャードのピアノのバトルに対する拍手といった、オーディエンスが「音楽に聞き入っている」様子を克明に捉えてくれているのがエラい。
サウンドボードのウッドストックはオフィシャルに譲るとして、今回はオーディエンス録音だけでまとめられた1969年ライブ・アンソロジー。よりマニアックに充実した内容と、全編を通しての初期ザ・バンドならではの真摯な演奏ぶりがたっぷりと味わえるのです。彼ら本来の姿が前回のバージョン以上に浮き彫りとなる究極のレア・ライブ音源セットへと生まれ変わりました!』
Live 1969 Revisited (No Label)
Live At
Winterland Ballroom, San Francisco, CA, USA
[19th April 1969],
Isle Of Wight Festival, UK
[31st August 1969],
Felt Forum, New York, NY, USA
[26th or 27th December 1969] &
Academy Of Music, Philadelphia, PA, USA
[26th October 1969]
Disc 1
[19th April 1969]
01. This Wheel's On Fire
02. Tears Of Rage
03. Long Black Veil
04. Chest Fever
05. In A Station
06. Little Birds
07. To Kingdom Come
08. The Weight
TOTAL TIME (40:44)
Disc 2
[31st August 1969]
01. We Can Talk
02. Long Black Veil
03. To Kingdom Come
04. Ain't No More Cane
05. Don't Ya Tell Henry
06. Chest Fever
07. I Shall Be Released
08. The Weight
09. Loving You Is Sweeter Than Ever
[26th or 27th December 1969]
10. The Unfaithful Servant
11. To Kingdom Come
12. The Night They Drove Old Dixie Down
13. Across The Great Divide
14. We Can Talk
15. Up On Cripple Creek
16. Loving You Is Sweeter Than Ever
TOTAL TIME (61:10)
Disc 3
[26th October 1969]
01. Introduction
02. This Wheel's On Fire
03. We Can Talk
04. Don't Ya Tell Henry
05. Caledonia Mission
06. Chest Fever
07. I Shall Be Released
08. Loving You Is Sweeter Than Ever
09. The Weight
10. Long Black Veil
11. Tears Of Rage
12. Don't Do It
13. The Unfaithful Servant
14. Up On Cripple Creek
15. Slippin' And Slidin'
16. Look Out Cleveland
17. The Night They Drove Old Dixie Down
TOTAL TIME (63:25)
Robbie Robertson : Guitars, Vocal
Rick Danko : Bass, Vocal
Levon Helm : Drums, Mandolin, Vocal
Garth Hudson : Organ, Saxophone
Richard Manuel : Piano, Drums, Vocal
[19th April 1969]
In A Station
To Kingdom Come
[31st August 1969]
Ain't No More Cane
I Shall Be Released
[26th or 27th December 1969]
The Night They Drove Old Dixie Down
Across The Great Divide
[26th October 1969]
We Can Talk
The Weight
[参考]
[関連記事]
「The Last Waltz Revisited (Uxbridge 1799)」
「Tokyo 1983 : The Band Is Back Japan Tour (Gift DVDR)」
「Wembley Stadium 1974 : Pro-Shot Video (Bonus DVDR)」
※) 『 Wembley Stadium 1974 : Master Tapes (ZION-229) 』に付属のボーナス・アイテム
「Wembley Stadium 1974 : Master Tapes (ZION-229) 」
「Pittsburg 1970 (Gift DVDR)」
「We Can Talk Session 1968 (Gift CDR)」
「The Last Waltz Rehearsals (Gift CDR)」
「Greek Theatre 1976 First Night (Bonus CDR)」
※) 『 Greek Theatre 1976 Second Night (ZION-214) 』に付属のボーナス・アイテム
「Greek Theatre 1976 Second Night (ZION-214)」
「The Last Waltz : Complete Video Monitor Edition (No Label)」
「The Last Waltz : Complete Video Monitor Edition (Gift DVDR)」
「In A Station 1976 (Gift CDR)」
「Lenox 1976 Steve Hopkins Master (ZION-144)」
「Asbury Park 1976 (DVD)」
#2023-03-07