最近では割と珍しい ザ・バンド(The Band)のブートがリリースされました.
と言っても,リリースされたのは,8月です.やはり音源的に多いのは,解散した 1976年前後でしょうか.
1975年11月にスタジオ・アルバム 『 Northern Lights – Southern Cross (南十字星) 』 をリリースするものの,ツアー活動よりアルバム制作を重視すべきとの意見をもつ ロビー・ロバートソン(Robbie Robertson)と,ツアー活動にこだわるメンバーとの対立が激化,また リチャード・マニュエル(Richard Manuel)が疲労とストレスから酒とドラッグに溺れ体調を崩すなどの問題を抱え,音楽活動が行き詰まる中,ロビー・ロバートソン(Robbie Robertson)はライヴ活動の停止を発表.
ロビー・ロバートソン(Robbie Robertson)は,他メンバーとの確執もあり,バンドを解散し新たなステップを目指していたが,リヴォン・ヘルム(Levon Helm)は,バンドの解散やライブ活動停止には反対であり,また ロビー・ロバートソン(Robbie Robertson)以外のメンバーもバンドの解散を望んではいなかった.
そんな中,『 Northern Lights – Southern Cross (南十字星) 』 のプロモーションも兼ね,6月26日カリフォルニア州スタンフォードはフロスト・アンフィシアター公演を皮切りに,7月21日バーモント州エセックス・ジャンクションはシャンプレーン・バレー・フェアグラウンズ・アンド・エクスポジション・センター公演まで,また 1ヵ月のブレイクを挟んだ 8月20日カリフォルニア州サンタクルーズはサンタ クルーズ・シビック・オーディトリアム公演を皮切りに,9月24日バージニア州シャーロッツビルはユニヴァーシティ・オブ・バージニア公演まで北米ツアーを行います.
北米ツアー終了の約1ヵ月後,スポット的に 米NBCでの人気プログラム 「 Saturday Night Live (サタデー・ナイト・ライヴ) 」 に出演し,"Life is a Carnival","The Night They Drove Old Dixie Down","Stage Fright","Georgia On My Mind" の 4曲を演奏.
そして,11月25日カリフォルニア州サンフランシスコはウィンターランド・アリーナ公演を行いますが,実質的にバンドの解散コンサートとなりました.
このコンサートには エリック・クラプトン(Eric Clapton),リンゴ・スター(Ringo Starr),ロン・ウッド(Ron Wood),ボブ・ディラン(Bob Dylan),ニール・ヤング(Neil Young),ジョニ・ミッチェル(Joni Mitchell),マディ・ウォーターズ(Muddy Waters),ドクター・ジョン(Dr. John),ヴァン・モリソン(Van Morrison),ポール・バターフィールド(Paul Butterfield),ニール・ダイヤモンド(Neil Diamond),ボビー・チャールズ(Bobby Charles)ら、錚々たる顔ぶれであり,この模様は,ドキュメンタリー音楽映画 『 ラスト・ワルツ (The Last Waltz) 』として1978年に公開され,同時に当時 3枚組のサントラ盤もリリースされました.
本商品は,8月20日カリフォルニア州サンタクルーズはサンタ クルーズ・シビック・オーディトリアム公演を皮切りに行われた,北米ツアー 2nd レグから,2nd レグ 4公演目に当たり,序盤で 3公演連続(8月23日,24日,25日)で行われたカリフォルニア州ロサンゼルスはグリーク・シアター公演の最終日である 8月25日のオーディエンス録音を収録した 『 Greek Theatre 1976 Second Night (ZION-214) 』 で,日本人のテーパーが収録したオーディエンス録音をマスター・カセットから収録しています.
でも記録によれば,3連続公演(8月23日,24日,25日)の最終日なのに,何故にタイトルが 「 Second Night 」 との疑問もありますが,ブートには良くあることなので(笑)
音像は割と近めで,会場の関係なのか独特の音の質感のオーディエンス録音ですが,録音された年代を考えると非常に高音質なオーディエンス録音と言えます.
それにも増して,ボーナス・トラック的に Disc 2 に入っている [Robbie Robertson at 銀座みゆき座] (Track 12-14)が,レア過ぎて凄いですね.
メーカー情報では
『ザ・バンドにとって最後のツアーとなってしまった76年夏のアメリカ。このツアーと言えばスティーブ・ホプキンスによる傑作オーディエンス「LENOX 1976 STEVE HOPKINS MASTER」が代表作となっており、例のラジオ放送では伺い知れないライブ全体を極上音質で捉えてくれたという点でも非常に価値が高いベストセラーとなっています。
確かに本ツアーのオーディエンス録音に関しては「LENOX 1976~」がトップであることは疑いようもないのですが、何と日本人によって記録された貴重なオーディエンス録音が昔から出回っているという意外な事実もあったのです。ザ・バンド久しぶりのライブ活動であったことから日本の音楽誌においても取り上げられ、思いのほか多くの日本人が参戦していたツアーでもあったのです。それが実質的に彼らにとって最後のツアーとなってしまったのだから、なおさら目撃された方は幸運であったと言えるでしょう。
そんな貴重な記録が8月25日のグリーク・シアター。さすがに「LENOX 1976~」の別格クオリティには及ばないものの、それでもモノラル録音のどっしりとした質感が実にザ・バンドに打ってつけな聞き心地で音像も驚くほど近い。ようやく「LENOX 1976~」以外でも限定プレスCDでのリリースに足る76年ツアーの良質オーディエンスが登場してくれた感があります。
ところがこちらの音源、今回が初登場ではありません。以前からトレーダー間にも出回っており、それどころか90年代に「TEARS OF GRIEF」というタイトルがリリースされた実績まである。しかしトレーダー間のバージョンは日本から海外を経由したせいで極端にカセット・ダビングが繰り返されて広まる結果となってしまい、トレーダーリストなどにおいては「音質イマイチ」とのレッテルが貼られてしまったのです。
当然こんな状態のジェネ落ちカセットをそのままCD化した「TEARS OF GRIEF」もまた今となっては相当な荒くれクオリティで、ピッチが高くなってしまった上にヒスノイズはマシマシといった具合。なるほどこれが「音質イマイチ」呼ばれてしまった所以でして、相当にジェネが上がってしまっていたことが伺えたのです。せっかく貴重な日本人録音でザ・バンド、ラスト・ツアーの記録でもある。そんな音源の価値が半減してしまった。
この不遇の音源のマスターカセットが突如として提供されたものだから、これには本当にびっくり。マスター・レベルでは当然トレーダー間にも一切出回っておらず、掛け値なしに衝撃の発掘。何よりクオリティが飛躍的に向上しており、もはや5ランクは聞きやすくなったのではと思えるアッパー感。なるほど、オリジナルの録音はこんなに素晴らしい音質だったのか…と驚かれること間違いなし。よって従来トレーダー間に出回っていたバージョンや古のCD「TEARS OF GRIEF」などまるで比較にならない。正にマスターの威力を思い知らされます。
本音源が日本人による録音であったことを雄弁に物語ってくれる場面が「Up On Cripple Creek」終了後に「よかったぁ~」としみじみする声で、お目当ての曲が聞けた喜びからか、これにはほっこり。もっとも同曲や「Ophelia」では間違って録音停止ボタンを押してしまったようなカットが生じているのですが、そうした箇所を「TEARS OF GRIEF」では大胆にもカットして隠蔽していたことが分かるでしょう。残念な部分ではありますが、そうした部分も含めて今回はカットすることなく完全に収録しています。
そして「LENOX 1976~」と比べてザ・バンドの演奏がより彼ららしいリラックスした雰囲気で奏でられているのも魅力。中でもリチャード・マニュエルの声の衰えが前面に出てしまっていた「Tears Of Rage」はツアーをこなすにつれて声が出ないなりに上手く歌えており、「LENOX 1976~」やアズベリーパークの白黒プロショット映像などよりもはるかに安心して聞ける76年バージョンとなっています。
またガース・ハドソンによるおなじみ「Genetic Method」から「Chest Fever」への流れは彼のオルガンがもの凄い迫力で迫ってくるのですが、それもまた既発盤やトレーダー間のジェネ落ちカセットとは比較にならないレベル。
そんな衝撃のマスター収録が実現した日本人録音の限定プレスCDリリースに相応しいボーナストラックも特別に収録。1978年の映画「THE LAST WALTZ」の公開時、ロビーが映画のプロモーションの為に来日を果たしています。その際に行われたイベントでは劇場で行われたこともあり、単なる記者会見や試写会でもなくバンドとのジャム・セッションが実現しました。
この模様はリアタイで広く報じられていましたが、実際にそのセッションの模様を捉えた音源というのは一切存在が知られていませんでした。ところが今回のグリーク・シアターを録音してくれたテーパーがこのイベントまで録音してくれていたのです!
そこではロビーの映画に対する質疑応答も手短に済まされ、より彼の本領が発揮できるであろうジャムへと移る大変に画期的なイベントであったことに驚かされます。まず最初は「The Weight」をインストでバンドと演奏。しかもロビーはエゴを出すことなくメインのギタリストを立てつつ、それでいていかにも彼らしい乾いたフレーズを入れるという見事な対応ぶり。
そして「THE LAST WALTZ」のフィナーレよろしく「I Shall Be Released」では当日居合わせたアーティストが舞台に上がって大合唱しつつ、ご本尊ロビーが間奏ではお得意のフレーズを炸裂。このあまりに貴重な場面もモノラルながら実に素晴らしい音質にて捉えられており、本編グリーク・シアターのマスター収録に負けじと衝撃のボーナストラックとなっています。世界中のマニアを驚愕させること間違いなしの超アッパー版マスターと幻のロビー初来日が一つにまとめられた極めつけの限定プレスCDリリース!』
Greek Theatre 1976 Second Night (ZION-214)
Live At Greek Theatre, Los Angeles, CA, USA
25th August 1976
[From Original Masters / UPGRADE]
Disc 1
01. Baby Don't You Do It
02. The Shape I'm In
03. It Makes No Difference
04. The Weight
05. King Harvest (Has Surely Come)
06. Forbidden Fruit
07. This Wheel's On Fire
08. The Night They Drove Old Dixie Down
09. Across The Great Divide
10. Ophelia
TOTAL TIME (48:15)
Disc 2
01. Up On Cripple Creek
02. Twilight
03. Introductions Of Horn Section
04. The W.S. Walcott Medicine Show
05. Tears Of Rage
06. Stage Fright
07. Acadian Driftwood
08. The Genetic Method / Chest Fever
09. Life Is A Carnival
10. Ring Your Bell
11. Rag Mama Rag
Rick Danko : Bass, Fiddle, Vocal
Levon Helm : Drums, Mandolin, Vocal
Garth Hudson : Organ, Piano, Accordion, Synthesizer, Clavinet, Saxophones
Richard Manuel : Piano, Drums, Organ, Clavinet, Dobro, Vocal
Robbie Robertson : Guitars, Piano, Vocal
[Robbie Robertson at 銀座みゆき座]
The Last Waltz Premier Show
Live at Miyuki-Za, Tokyo, Japan
14th July 1978
[From Original Masters]
12. Interview (Q&A)
13. The Weight
14. I Shall Be Released
TOTAL TIME (74:34)
The Shape I'm In
Ophelia
Life Is A Carnival
The Weight [Disc 2, Track 13]
I Shall Be Released [Disc 2, Track 14]
本商品の初回限定ナンバー・ステッカー付に限り,前日に当たる 8月24日の同会場でのオーディエンス録音を収録した 『 Greek Theatre 1976 First Night (Bonus CDR) 』 がボーナス・アイテムとして付属しています.
因みに,テーパーは商品側と同一人物のようです.
商品側と同様の質感のオーディエンス録音で,収録位置も同じような位置だったのでは無いでしょうか.
曲間でのテープ・チェンジや,録音途中でのマイク位置の変動によって,音像が遠目になる部分等もあり,商品化は厳しいんでしょうね.
メーカー情報では
『マスターカセットから衝撃のアッパー版リリースが実現する「GREEK THEATRE 1976 SECOND NIGHT」のリリースを記念し、初回納品分には前日の録音を収録したCD-R「GREEK THEATRE 1976 FIRST NIGHT」が付属します。
日本から果敢に1976年のグリーク・シアターに参戦してくれたテーパーは前日の同会場におけるザ・バンドのステージも録音してくれていたのです。これがまた翌日に匹敵する素晴らしい音質で捉えられていました。
ですが、ネットのおかげで現在のように予備知識を仕込むことなく現地に飛ぶのが当たり前だった昭和。ライブがどんな構成かも知らずに録音された結果「The Night They Drove Old Dixie Down」はテープチェンジに当たってしまってほとんど収録されず、「The W.S. Walcott Medicine Show」もまた同様の理由によって演奏の途中から収録。そしてフィナーレ「Rag Mama Rag」になるとテープ終了につき演奏の序盤で録音が停止。
これだけならまだしも、一番惜しまれるのが「Stage Fright」からマイクが下を向いてしまい音像が遠くなってしまうということ。この状態が「Life Is a Carnival」の序盤まで続いてしまうのが残念。先の理由から生じたカットは仕方ないにしても、この音像の変化さえなければ十分プレスCDでリリースできたクオリティなのだから本当にもったいない。
実を言うとこちらの音源もまた以前から海外経由でトレーダー間に広まっており、翌日と同じように音質ががっくり落ちていた。おまけに先のような録音上の問題も抱えていたことが災いとなってトレーダー間でも敬遠されがちな音源であり、翌日ほど流通していないという状況でもあったのです。
そんな初日の録音ですら今回はマスターカセットが提供されたことで音質が飛躍的に向上。改めて先の問題さえなければ余裕でプレスCDだったのに…ということを確信させてくれる音の良さ。
よって翌日のアッパー版音源の初回納品分に同梱されるレア音源としては申し分ないものですし、先の理由から今まで聞かれたことのないマニアがほとんどではないでしょうか。その点では非常にゴージャスなレア音源の付属CD-Rだとも言えましょう。
演奏自体はこの日も絶好調なのですが、唯一リチャードが歌っていた「Tears Of Rage」は翌日と比べるとかなり荒っぽい調子で歌われており、あまりに雰囲気が違う様を聞き比べるのも楽しいかと。
ぜひ初回納品分をお見逃しなく!』
Greek Theatre 1976 First Night (Bonus CDR)
Live At Greek Theatre, Los Angeles, CA, USA
24th August 1976
[From Original Masters / UPGRADE]
01. Intro
02. Baby Don't You Do It
03. The Shape I'm In
04. It Makes No Difference
05. The Weight
06. King Harvest (Has Surely Come)
07. The Night They Drove Old Dixie Down
08. Across The Great Divide
09. Ophelia
10. Up On Cripple Creek
11. Twilight
12. The W.S. Walcott Medicine Show
13. Tears Of Rage
14. Stage Fright
15. The Genetic Method / Chest Fever
16. Life Is A Carnival
17. Ring Your Bell
18. Rag Mama Rag
TOTAL TIME (77:24)
Rick Danko : Bass, Fiddle, Vocal
Levon Helm : Drums, Mandolin, Vocal
Garth Hudson : Organ, Piano, Accordion, Synthesizer, Clavinet, Saxophones
Richard Manuel : Piano, Drums, Organ, Clavinet, Dobro, Vocal
Robbie Robertson : Guitars, Piano, Vocal
Across The Great Divide
Tears Of Rage
Ring Your Bell
[参考]
詳細情報(メーカー情報より)
Robbie Robertson at 銀座みゆき座(映画館)
★初登場★超重要音源
12. Interview (Q&A)
⇒ ★通訳者入り
13. The Weight
⇒ ★有名日本人バンド(上手い)との共演
14. I Shall Be Released
⇒ ★当時の有名日本人ミュージシャン達がステージに参加、歌とコーラス。凄い
★超貴重★1978年当時の夢のような時間
司会者(観客に)「入場の時に、皆さんに歌詞カードを渡したと思いますので、どうぞ一緒に歌ってください。」
Tour Dates
1975
March
23 SNACK Benefit 1975
1976
June
26 Frost Amphitheater,Stanford,CA,USA
27 Santa Barbara Bowl,Santa Barbara,CA,USA
July
03 Berry Park,Wentzville,MO,USA
03 Memorial Coliseum,Lexington,KY,USA
04 The Summit,Houston,TX,USA
05 Pine Knob Music Theatre,Clarkston,MI,USA
06 Pine Knob Music Theatre,Clarkston,MI,USA
07 Washington Park Race Track,Homewood,IL,USA
09 Henry W. Maier Festival Park,Milwaukee,WI,USA
⇒ [Summerfest 1976]
13 Westchester Premiere Theatre,Tarrytown,NY,USA
14 Commack Arena,Commack,NY,USA
15 Casino Arena,Asbury Park,NJ,USA
16 Carter Barron Amphitheater,Washington,DC,USA
17 Carter Barron Amphitheater,Washington,DC,USA
18 Music Inn,Stockbridge,MA,USA
20 Casino Arena,Asbury Park,NJ,USA
21 Champlain Valley Fairgrounds and Exposition Center,Essex Junction,VT,USA
August
20 Santa Cruz Civic Auditorium,Santa Cruz,CA,USA
23 Greek Theatre,Los Angeles,CA,USA
24 Greek Theatre,Los Angeles,CA,USA
25 Greek Theatre,Los Angeles,CA,USA
27 Santa Cruz Civic Auditorium,Santa Cruz,CA,USA
29 Music Inn,Stockbridge,MA,USA
31 CNE Bandshell,Toronto,ON, CANADA
September
02 The Music Hall,Boston,MA,USA
05 Steiner Ranch,Austin,TX,USA
10 LSU Assembly Center,Baton Rouge,LA,USA
12 Reed Green Coliseum,Hattiesburg,MS,USA
13 Pete Mathews Coliseum,Jacksonville State University,Jacksonville,AL,USA
17 Spectrum Theater,Philadelphia,PA,USA
18 The Palladium,New York City,NY,USA
19 The Palladium,New York City,NY,USA
21 Syria Mosque,Pittsburgh,PA,USA
25 Nashville Fairgrounds Speedway,Nashville,TN,USA
26 Music Inn,Stockbridge,MA,USA
24 University of Virginia,Charlottesville,VA,USA
October
30 Saturday Night Live,New York City,NY,USA
November
25 Winterland Arena,San Francisco,CA,USA
⇒ [The Last Waltz]
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#2022-08-10