1964年にデビューし,1970年1月リリースのアルバム 『 Bridge Over Troubled Water (明日に架ける橋) 』を最後に活動を停止するまで,フォークやフォーク・ロックを代表するデュオとして数々のヒット曲を世に送り出し,1990年に ロックの殿堂(Rock and Roll Hall of Fame)入りをも果たした サイモン・アンド・ガーファンクル(Simon & Garfunkel).

 そんな サイモン・アンド・ガーファンクル(Simon & Garfunkel)の商品として,今回,コアな企画ものがリリースされました.
 その企画ものとは,Prof. Stonedによるモノラル・バージョン(一部ステレオ・バージョン)のシングルを収録した 『 The Complete Singles Collection 1965-1970 The Mono / Stereo 45 Mixes (No Label) 』 です.

 メーカー情報では
 『オフィシャルでは未だに実現する気配すらないサイモン&ガーファンクルのモノラル音源集。
 彼らほどのビッグネームのビンテージ音源の扱いに対して一石を投じたProf. Stonedによる各アルバムのモノ・バージョンの限定プレスCDリリースは現在も大好評ベストセラー記録中なのですが、彼らもまた60年代のアーティストらしくシングルのモノ・ミックスというのが存在します。ところがアルバムのモノラルすら未だにCD化されていない現状の中において、彼らのシングル・ミックスというのは完全に見過ごされていしまっている。これまた60年代のビッグネームらしかぬ状況かと。
 その点S&G大国であった日本はエライ。アナログの時代、S&Gのシングルでミックスが違うことに目を付け、二人での初来日が実現した1982年に独自の7インチ・シングルをまとめたボックスセット『ALL THE SINGLES』をリリースしていたのでした。これは当初からマニアに高く評価されていただけでなく、今なおシングル用ミックスをまとめて聞ける超便利かつ画期的なセットとして彼らの間では秀逸なアナログボックスとして現在でもその価値が落ちていないほど。
 ところがCD時代を迎えると日本はおろか世界的にS&Gのシングル音源が完全に見過ごされてしまい、未だにリリースが実現することがないままとなってしまったのです。あれだけの大ヒットを飛ばしたデュオのシングル用モノラル・ミックスが見過ごされてしまったままとは、にわか信じがたいものがあります。

 この由々しき事態に対しても我らがProf. Stonedが立ち上がってくれたのは頼もしい限り。そこは彼らしく、オリジナルのアナログ・シングル(もちろんUS盤)からのトランスファーを敢行。確かに日本が誇る名ボックスセットであった『ALL THE SINGLES』も素晴らしかったが、80年代プレスのアナログであったことから、そこはオリジナルのUSシングルにはかなわない。それをベースにしたトランスファーというだけでも、今回のリリースが名盤となることは約束されたようなもの。
 もっとも「Old Friends/Bookends」までの収録曲は先にリリースされた三枚のモノラル・アルバムと同じバージョンとなってしまう訳ですが、こちらはシングルのリリース順に収録されていることで選曲がベストアルバム状態となっているのがポイント高め。
 それだけではありません、ベストセラーと化した『BOOKENDS US MONO』のボーナストラックに収録された「A Hazy Shade Of Winter」のシングル・モノ・ミックスはPURPLE CHICK制作『ALTERNATE BOOKENDS』からの流用でスクラッチノイズが混入していましたが、今回はProf. Stonedによる超クリーン・トランスファーが実現。ここでも彼の手腕を見せつけられた思いが。 また同じ『BOOKENDS』期のアルバム未収録シングル音源でありながら『BOOKENDS US MONO』ボーナスに収録が叶わなかった「You Don’t Know Where Your Interest Lies」も今回はオリジナル・シングルからのモノ・ミックスをがっつりクリアー・サウンドにて収録。

 そして何と言っても本コンピレーション最大の目玉はアルバムとしてのモノラルが存在しない名盤『明日に架ける橋』の希少なモノ・ミックス音源が聞かれるという事!アルバム単位ではモノラルが滅びた1969年において、まだシングルのみでモノラルのミックスが作成される習慣が辛うじて残っていたのです。その結果として同アルバムからの先行シングルとなった「The Boxer」のシングルはモノラルでのリリースが実現。それどころか完全にステレオの時代となった70年を迎えても「Cecilia」まではご丁寧にモノラルでリリースされていたのでした。
 ステレオで聞かれるのが当たり前な『明日に架ける橋』収録曲ですので、それらをモノラルで聞くという体験はあまりにも新鮮であり、その感触がステレオとはまるで違う。アルバム・タイトル曲を始めとしたこれらモノ・ミックスのドライな感触は本当に面白いもの。そして極めつけは「Baby Driver」。アルバムではテープ操作によってエンディングが強引に転調していましたが、ここではそれがなくストレートに曲が終わるのです。さらに間奏のサックスに深いエコーがかけられているのがまた面白い。
 先にリリースされたアルバム三枚で既に60年代モノラルの衝撃をProf. Stonedならではの超クリアーサウンドにて堪能されたかと思いますが、今度はラスト・アルバム『明日に架ける橋』から残された数少ないモノ・ミックスがまた安心のクリアーさで楽しめてしまう。それでいてラスト・シングルかつステレオでのリリースとなった「El Condor Pasa (If I Could)」も安易に現行盤から引用することなく当時のシングルから収録するという念の入れよう。今回もProf. Stonedならではの行き届いた内容がマニアを唸らせてくれますが、その一方でこれはモノラル・バージョンによるS&Gのベストアルバムなのです。もはやマニアだけでなくすべての音楽ファンに推したい古き良き時代のS&Gシングル集!』

The Complete Singles Collection 1965-1970 The Mono / Stereo 45 Mixes (No Label)
 

   01. The Sounds Of Silence (Columbia 4-43396, 1965, #1)
   02. We’ve Got A Groovey Thing Goin’
   03. Homeward Bound (Columbia 4-43511, 1966, #5)
   04. Leaves That Are Green
   05. I Am A Rock (Columbia 4-43617, 1966, #3)
   06. Flowers Never Bend With The Rainfall
   07. The Dangling Conversation (Columbia 4-43728, 1966, #25)
   08. The Big Bright Green Pleasure Machine
   09. A Hazy Shade Of Winter (Columbia 4-43873, 1966, #13)
   10. For Emily, Whenever I May Find Her
   11. At The Zoo (Columbia 4-44046, 1967, #16)
   12. The 59th Street Bridge Song (Feelin’ Groovy)
   13. Fakin’ It (Columbia 4-44232, 1967, #23)
   14. You Don’t Know Where Your Interest Lies
   15. Scarborough Fair/Canticle (Columbia 4-44465, 1967, #11)
   16. April Come She Will
   17. Mrs. Robinson (Columbia 4-44511, 1968, #1)
   18. Old Friends/Bookends
   19. The Boxer (Columbia 4-44785, 1969, #7)
   20. Baby Driver
   21. Bridge Over Troubled Water (Columbia 4-45079, 1970, #1)
   22. Keep The Customer Satisfied
   23. Cecilia (Columbia 4-45133, 1970, #4)
   24. The Only Living Boy In New York
   25. El Condor Pasa (If I Could) (Columbia 4-45237, 1970, #18) *Stereo
   26. Why Don’t You Write Me *Stereo
   TOTAL TIME (76:17)

 The Sounds Of Silence
 
 Homeward Bound
 
 El Condor Pasa (If I Could)
 

[参考]



























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#2023-01-18