1980年代の イエス(Yes)再結成後の活動に於いて,新メンバーでありギター,ヴォーカル,キーボードの トレヴァー・ラビン(Trevor Rabin)のイニシアティヴによって,徐々に コマーシャル化していったことに幻滅したヴォーカルの ジョン・アンダーソン(Jon Anderson)が,1988年に イエス(Yes)を脱退し 『 Fragile (こわれもの) 』や『 Close To The Edge (危機) 』,『 Tales From Topographic Oceans (海洋地形学の物語) 』 等を生み出し発表した頃のような創造性を蘇らせようと,当時のメンバーを呼び寄せて アンダーソン・ブルーフォード・ウェイクマン・ハウABWH : Anderson Bruford Wakeman Howe)を結成.

 バンドは,唯一のスタジオ・アルバム 『 Anderson Bruford Wakeman Howe (閃光) 』 を 1989年6月にリリースすると共に,プロモーションを兼ね 7月3日ニューヨーク州はワンタフのジョーンズ・ビーチ・シアター公演を皮切りに 「 An Evening Of Yes Music Plus Tour 」 をスタート.

 そして,ツアー開始から約8ヵ月後の 1990年3月に来日を果たし,3月1日東京はNHKホール公演を皮切りに,3月8日中野サンプラザ公演まで,都合 6公演を行います.

 本商品は,上述の来日公演から 4公演目となる 3月5日大阪はフェスティヴァル・ホール公演のオーディエンス録音を収録し Virtuosoレーベルから 2020年12月前後にリリースされた 『 Definitive Osaka 1990 (Virtuoso 449/450/451) 』 です.

音像は思ったより近く,ドラムが少し大きめではあるものの,各パートの出音のバランスも相応に良く,音がクリアで,高音質のオーディエンス録音と言えますし,オーディエンス・ノイズも少ないので,初心者でも充分楽しめるのでは無いかと思います.
 ”Long Distance Runaround” と,シームレスに繋がる ”Drum Solo” のトラック割りの位置が今一です(笑)

 メーカー情報では
 『ジョンやハウだけでなく、リックも、ビルもいる……プログレ者の夢を一身に体現してくれた1990年のABWH来日。その超・極上オリジナル音源が登場です。
 そんな本作に吹き込まれているのは「1990年3月5日:大阪フェスティバルホール公演」。その一部始終を真空パックした超絶級オーディエンス録音です。
 ABWHの来訪は、オリジネイター:ビル・ブルーフォードまで帯同したシンフォニック・ロックの奇跡。まさに日本のプログレ・ファンにとっては大事件だっただけに、当店でも象徴作『CLOSE TO THE MASTER(Virtuoso 228-230)』を筆頭として数々の名作でアーカイヴしてきました。
 まずはそのコレクション整理も併せ、当時のスケジュールから振り返ってみましょう。
 
 ・3月1日:NHKホール
 ・3月2日:NHKホール←※『REBIRTH ON THE EDGE』
 ・3月4日:NHKホール←※『TOKYO 1990 3RD NIGHT』
 ・3月5日:大阪フェスティバルホール ←★本作★
 ・3月7日:横浜文化体育館←※『CLOSE TO THE MASTER』
 ・3月8日:中野サンプラザ

【日本録音史の象徴とも言うべき伝説テーパーの超傑作】
 以上、全6公演。これだけの公演数がありながら、ほとんど関東圏で占められていた事も特徴的なツアーでしたが、その中にあって唯一の例外が本作の大阪公演でした。
 そんなショウで記録された本作は、ちょっとやそっとじゃ済まない奇跡の超・極上オーディエンス録音。本作を手掛けたのは、当店でもお馴染みの伝説的テーパー。80年代を中心にエリック・クラプトンやジェフ・ベック、ミック・ジャガー、THE ROLLING STONES、PINK FLOYD等々、数々の歴史的な録音を残してきた人物……と言えば、ピンと来る方もいらっしゃるのではないでしょうか。本作は、そんな名手のオリジナル・カセットからダイレクトにデジタル化された銘品中の銘品で、伝説コレクションでも飛び抜けた超傑作なのです。
 実際、この音をどう言葉にしたらいいのか途方に暮れる……。とにかく超クリア・超鮮明・超ド密着。チェックポイントの1つひとつがすべて満点で、言ってしまえば「サウンドボードにしか聞こえない」タイプ。しかし、そうカンタンに済ませてしまうのは音源に失礼に当たる。実際、極々うっすらとしたホール鳴りが醸す美や気品が凄いのです。どれだけうっすらとしているかと言うと、ヘッドフォンをして目を閉じ、瞑想級に集中すると分かるレベル。それくらいさり気なくとも確実に存在しており、それがゴリゴリしたベース・ラインに艶を、ドラムにキットの構造まで目に浮かぶ現実感を、ギターやシンセに荘厳なシンフォニック感を、そしてコーラス・ハーモニーに降り注ぎ感を宿らせているのです。
 しかも、その美感はあらゆるアンサンブルでも揺るがない。ABWHのショウはソロ・セクション/バンド・セクションに分かれた構成になっているわけですが、1人ひとり違う楽器でソロを執っているのに、すべてが美しい。シンプルなヴォーカルやアコギは息が止まるほどの繊細さですし、シンセのヴァイヴも、鋭いピークが乱舞するパーカッションでも、どんな特性の音でも美麗。もちろん、それらが一体となったバンド・セクションでも複雑なシンフォニーの隅々まで克明。それこそ楽器1つひとつが振動している現実感、会場の床が震えるような立体感までもが感じられるのです。

【観客の息吹までもがアンサンブルを形成する奇跡の美世界】
 さらに驚くべきは、ステージ上の音だけではないということ。開演パートからリアルな喝采が巻き起こるのですが、その一声、拍手の一粒までもが美しい。もちろん、現場は「1音たりとも聞き逃すまい」という緊張感が支配しているわけですが、それでも曲間で沸き上がり、名曲のフレーズに溢れる感情が抑えられなくなった喝采が湧く。その観客の息吹までもが「美」を構築しているのです。
 それは全編・全曲で味わえるわけですが、1つ例に挙げるなら「Long Distance Runaround」でしょうか。リックのイントロ・フレーズから歓喜が湧き、会場中を巻き込む盛大な手拍子が起こるのですが、このスペクタクルと美しさがハンパではない。遠くの打音は小さい1粒、近い手拍子は大きめの1粒で、それが千集まっても1粒1粒が潰れないから遠近感が超リアル。それが海のように広がりつつ、秩序を崩さずに極太の演奏音に付き従うから美しい。まるで……と言うより、確実に手拍子がパーカッションの一部になってショウを形成している。さらにさらに、ドラマティックな展開が引き起こす響めき、「ぞうさん」や「どんぐりころころ」で広がる笑みや唱和……そんな演奏と息吹のバランスまでもが感動を呼び起こすのです。

 ショウ内容に触れる前に長くなってしまいましたが、本稿に目を留められる方ならABWHのショウはご存じでしょう。あの素晴らしきYESミュージックの夕べを、録音の女神も微笑む奇跡のサウンドでフル体験できるのです。これはもう、サウンドボードさえ軽々と超えたオーディエンス録音だからこその美の世界。どうぞ、永久保存プレス3CDで思う存分ご体験ください。

 ★「1990年3月5日:大阪フェスティバルホール公演」の超絶級オーディエンス録音。伝説的録音家のオリジナル・カセットからダイレクトにCD化されたサウンドは、まさに奇跡。とにかく超クリア・超鮮明・超ド密着でチェックポイントの1つひとつがすべて満点。言ってしまえば「サウンドボードにしか聞こえない」タイプですが、それだけでは済まない気品や美まで宿している。
 ゴリゴリしたベース・ラインの艶、ドラムにキットの構造まで目に浮かぶ現実感、ギターやシンセの荘厳なシンフォニック感、コーラス・ハーモニーの降り注ぎ感、そしてパーカッションの一部と化してアンサンブルを形成している観客の喝采……そんな演奏と息吹のバランスまでもが感動を呼び起こす奇跡のライヴアルバムです。』

Definitive Osaka 1990 (Virtuoso 449-451)
 
 Live At Festival Hall,Osaka,Japan 05th March 1990
 [From Original Masters]

  Disc 1
   01. The Young Person's Guide To The Orchestra
   02. Time And A Word / Owner Of A Lonely Heart / Teakbois
   03. Clap
   04. Mood For A Day
   05. Keyboard Solo
   06. Long Distance Runaround
   07. Drum Solo
   08. Birthright
   09. And You And I
   10. Themes
   11. Levin / Bruford Duet
   TOTAL TIME (63:12)

  Disc 2
   01. Close To The Edge
   02. Zoh-San / Donguri Koro Koro 
   03. The Meeting
   04. Brother Of Mine
   05. Heart Of The Sunrise
   06. Order Of The Universe
   TOTAL TIME (61:47)

  Disc 3
   01. Roundabout
   02. Starship Trooper
   TOTAL TIME (20:57)

 Jon Anderson : Vocal
 Bill Bruford : Drums
 Rick Wakeman : Keyboards
 Steve Howe : Guitar
 Julian Colbeck : Keyboards
 Tony Levin : Bass
 Milton Mcdonald : Guitar

 And You And I
 
 Close To The Edge
 
 Heart Of The Sunrise
 

[参考]
An Evening Of Yes Music Plus Tour Dates
 1989
 July
  [North American Tour]
  03 Jones Beach Theater,Wantagh,NY,USA
  29 Mud Island Amphitheater,Memphis,TN,USA
  30 Chastain Park Amphitheater,Atlanta,GA,USA
 
 August
  01 Hampton Coliseum,Hampton,VA,USA
  02 Skyline Sports Complex,Harrisburg,PA,USA
  03 Spectrum,Philadelphia,PA,USA
  04 Nassau Veterans Memorial Coliseum,Uniondale,NY,USA
  05 Merriweather Post Pavilion,Columbia,MD,USA
  06 Great Woods Center for the Performing Arts,Mansfield,MA,USA
  08 Riverfront Park,Manchester,NH,USA
  09 Orange County Fairgrounds,Middletown,NY,USA
  10 Jones Beach Theater,Wantagh,NY,USA
  11 Hartford Civic Center,Hartford,CT,USA
  12 Old Orchard Beach Ballpark,Old Orchard Beach,ME,USA
  13 Garden State Arts Center,Holmdel,NJ,USA
  15 A.J. Palumbo Center,Pittsburgh,PA,USA
  16 Blossom Music Center,Cuyahoga Falls,OH,USA
  17 Cayuga County Fairgrounds,Weedsport,NY,USA
  18 Lakeside Amphitheater,Darien Center,NY,USA
  19 Pine Knob Music Theatre,Clarkston,MI,USA
  20 Poplar Creek Music Theater,Hoffman Estates,IL,USA
  22 CNE Grandstand,Toronto,ON,CANADA
  23 Grandstand at Lansdowne Park,Ottawa,ON,CANADA
  24 Forum de Montréal,Montreal,QC,CANADA
  25 L'Agora du Vieux Port,Quebec City,QC,CANADA
  28 The Summit,Houston,TX,USA
  29 Greek Theatre,Los Angeles,CA,USA
  29 Coca-Cola Starplex Amphitheatre,Dallas,TX,USA
   
 September
  04 SDSU Open Air Theatre, San Diego State University,San Diego,CA,USA
  05 Pacific Amphitheatre,Costa Mesa,CA,USA
  06 Greek Theatre,Los Angeles,CA,USA
  07 Greek Theatre,Los Angeles,CA,USA
  08 Santa Barbara Bowl,Santa Barbara,CA,USA
  09 Shoreline Amphitheatre,Mountain View,CA,USA
  10 Cal Expo Amphitheatre,Sacramento,CA,USA
 
 October
  [UK Tour]
  20 Whitley Bay Ice Rink,Whitley Bay,UK
  21 Edinburgh Playhouse,Edinburgh,UK
  22 Edinburgh Playhouse,Edinburgh,UK
  24 NEC Arena,Birmingham,UK
  25 NEC Arena,Birmingham,UK
  28 Wembley Arena,London,UK
 
 November
  [European Tour]
  02 Forest National,Forest,BELGIUM
  03 Ahoy,Rotterdam,NETHERLANDS
  05 Alsterdorfer Sporthalle,Hamburg,GERMANY
  06 Falkoner Teatret,Copenhagen,DENMARK
  08 Johanneshov Isstadion,Stockholm,SWEDEN
  09 Skedsmohallen,Oslo,NORWAY
  11 Sporthalle,Cologne,GERMANY
  12 Stadthalle,Kassel,Germany
  13 Rudi-Sedlmayer-Halle,Munich,GERMANY
  14 Hanns-Martin-Schleyer-Halle, Stuttgart,GERMANY
  16 Festhalle, Frankfurt,GERMANY
  17 Carl-Diem-Halle,Würzburg,GERMANY
  18 Jakobshalle,Basel,SWITZERLAND
  19 Palais Omnisports de Paris-Bercy,Paris,FRANCE
  20 PalaRuffini,Turin,ITALY
  21 PalaTrussardi,Milan,ITALY
  23 Palazzo dello Sport,Rome,ITALY
  30 Palacio de Deportes de la Comunidad de Madrid,Madrid,SPAIN
 
 1990
 February
  [European Tour]
  21 Palau dels Esports,Barcelona,SPAIN
  22 Pabellón de la Ciudad Deportiva del Real Madrid,Madrid,SPAIN
  23 Sala Multiusos,Zaragoza,SPAIN
 
 March
  [Japan Tour]
  01 NHK Hall,Tokyo,JAPAN
  02 NHK Hall,Tokyo,JAPAN
  04 NHK Hall,Tokyo,JAPAN
  05 Festival Hall,Osaka,JAPAN
  07 Yokohama Bunka Taiikukan,Yokohama,JAPAN
  08 Nakano Sunplaza,Tokyo,JAPAN

  [North American Tour]
  12 Pacific Coliseum,Vancouver,BC,CANADA
  13 Opera House,Spokane,WA,USA
  14 Chiles Center at University of Portland,Portland,OR,USA
  15 Paramount Theatre,Seattle,WA,USA
  18 The Mosque,Richmond,VA,USA
  19 Spectrum,Philadelphia,PA,USA
  20 Wang Theatre,Boston,MA,USA
  22 D.A.R. Constitution Hall,Washington,DC,USA
  23 Madison Square Garden,New York City,NY,USA

































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Paris 1989 (Amity 643)
 

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#2020-12