1980年代の イエス(Yes)再結成後の活動に於いて,新メンバーでありギター,ヴォーカル,キーボードの トレヴァー・ラビン(Trevor Rabin)のイニシアティヴによって,徐々に コマーシャル化していったことに幻滅したヴォーカルの ジョン・アンダーソン(Jon Anderson)が,1988年に イエス(Yes)を脱退し 『 Fragile (こわれもの) 』や『 Close To The Edge (危機) 』,『 Tales From Topographic Oceans (海洋地形学の物語) 』 等を生み出し発表した頃のような創造性を蘇らせようと,当時のメンバーを呼び寄せて アンダーソン・ブルーフォード・ウェイクマン・ハウ(ABWH : Anderson Bruford Wakeman Howe)を結成.

 バンドは,唯一のスタジオ・アルバム 『 Anderson Bruford Wakeman Howe (閃光) 』 を 1989年6月にリリースすると共に,プロモーションを兼ね 7月3日ニューヨーク州はワンタフのジョーンズ・ビーチ・シアター公演を皮切りに 「 An Evening Of Yes Music Plus Tour 」 をスタート.

 今回,商品を 2組購入すると希望者に配布されるギフト・アイテムとして登場したのは,上述の 「 An Evening Of Yes Music Plus Tour 」 の北米ツアーから,北米ツアー終盤に当たる 1989年9月9日カリフォルニア州マウンテンビューはショアライン・アンフィシアター公演のマルチカメラ・プロショット映像を収録し,オフィシャルDVD 『 An Evening Of Yes Music Plus (イエス・ミュージックの夜) 』 としてもリリースされていた 『 イエス・ミュージックの夜 』 に関し,某衛星放送のプログラム 『 洋楽ライブ伝説 』(1980年代から1990年代までの洋楽黄金期のアーティストのライヴを中心とした人気プログラム) にて「 アンダーソン・ブラッフォード・ウェイクマン・ハウ 1989 」 として,2010年6月16日に放映された内容を収録した 『 An Evening Of Yes Music : Japanese Broadcast (Gift DVDR) 』 です.
 何故かタイトルに 「 Plus> 」 が抜けているような気がしないでも無いですが,意図的なのかも.

 今となってはオフィシャルDVD 『 An Evening Of Yes Music Plus (イエス・ミュージックの夜) 』 は入手し難い状況ですので,このギフト・アイテムは嬉しい限りです.

 メーカー情報では
 『80年代の末期に黄金時代の4人が集結し、古き良きYESミュージックの理想を甦らせてくれたABWH。まさにプログレ者の夢の結晶だったプロジェクトの象徴映像がギフト・リリース決定です。
 そんな本作でフィーチュアされているのは「1989年9月9日マウンテンビュー公演」。そう、『イエス・ミュージックの夜』、邦題でお馴染みのマルチカメラ・プロショットです。
 オフィシャルDVDも廃盤となっている定番映像ですが、本作は公式品のコピーではありません。2010年に某衛星放送局の名物番組“洋楽ライブ伝説”で流された日本放送バージョンです。本作最大のポイントは番組独自の演出と最高峰クオリティにありますが、まずはショウのポジション。ドリームチームの活動スケジュールから振り返ってみましょう。

 ●1989年
 《6月20日『閃光』発売》
 ・7月29日-9月10日:北米#1(32公演)←★ココ★
 ・10月20日-11月23日:欧州(24公演)
 ●1990年
 ・2月21日-23日:スペイン(3公演)
 ・3月1日-8日;日本(6公演)
 ・3月12日-23日:北米#2(10公演)

 これがABWHの歩み。

 日本公演を含むワールド・ツアーを実施しましたが、その中でもメインだったのはアルバム発売直後の「北米#1」レッグ。本作のマウンテンビュー公演は、その最終盤31公演目にあたるコンサートでした。
 そんなショウで撮影されたプロショットは、まさに定番中の大定番。当店では国内のコアな記録マニアによる日本番組を数多くアーカイヴしておりますが、本作もその1つ。このマニアのマスターは常に超極上ですが、本作は群を抜く素晴らしさ。何しろ、放送されたのは2010年であり、地上波でさえデジタル化が目前だった時代。衛星放送はとうの昔にデジタル全盛を迎えており、それを劣化なしで録画、DVD化したものなのです。放送年の旨みは画質だけではない。実のところ、この映像は1989年当初から何度か放送/ソフト化を繰り返しており、その都度60分の抜粋であったり、画質クオリティがまちまちだったりしました。その最高峰版となる公式DVD化が実現したのは2007年であり、本作はそれから3年後。140分以上の長尺バージョンを超極上クオリティで楽しめるのです。
 また、番組独自の解説コーナーと字幕もポイント。曲間が省略された編集のためにMCは「Roundabout」の前に入る程度ですが、そこでは番組独自の字幕が入る。公式DVDでは字幕がなかったこともあり、本作こそが“真の日本盤”とも言える仕上がりなのです。
 そんなクオリティで描かれるのは、90年代を目前にして甦ったYESミュージックの桃源郷。あまりに有名な映像だけに今さらではありますが、良い機会でもありますので一度整理してみましょう。

 ●ソロ・セクション
 ・アンダーソン:Time and a Word/Owner of a Lonely Heart/Teakbois
 ・ハウ:Clap/Mood for a Day
 ・ウェイクマン:Madrigal/Catherine Parr/Merlin the Magician
 ・ブルーフォード:Electric Drum Solo
 ●バンド・セクション
 ・サードアルバム:I've Seen All Good People/Starship Trooper
 ・こわれもの:Long Distance Runaround/Heart of the Sunrise/Roundabout
 ・危機:And You and I/Close to the Edge
 ・閃光:Birthright/Themes/Brother of Mine/The Meeting/Order of the Universe

 ……と、このようになっています。

 開演から各人のソロ・セクションを経てバンド・セクションに移っていく構成も懐かしく、アンダーソン/ハウ/ウェイクマンの3人がYES然としている一方、エレドラを駆使ししたブルーフォードとの対比もABWHらしい。そして何より、ブルーフォードを交えて甦ったクラシックスの素晴らしさ!
 長いYES史ではアラン・ホワイトの方がスタンダードのようにもなっていますが、やはりオリジネイターはブルーフォード。70年代とは機材が違うとは言え、細かく繊細なフレージングの数々は曲本来の姿を描き出している。特に70年代当時には実現しなかった「And You and I」「Close to the Edge」の生演奏は、もうそれだけで感無量(あまりも今さらですが、やはり「Siberian Khatru」も聴いてみたかった)です。
 50年以上に及ぶプログレッシヴ・ロックの歴史では、数々のスーパー・バンドが現れてはシーンを湧かせていきました。その中でもABWHほど、“ファンの夢”そのものだったプロジェクトはなかった。その象徴とも言うべき公式マルチカメラ・プロショット。どうぞ、極上の日本放送バージョンで心ゆくまでお楽しみください。』

An Evening Of Yes Music : Japanese Broadcast (Gift DVDR)
 
 Live At Shoreline Amphitheatre,Mountain View,CA,USA 09th September 1989
 PRO-SHOT COLOUR NTSC Approx.145min.
 Broadcast Date : 16th June 2010
 

   01. Intro 
   02. The Young Person's Guide to the Orchestra

   Jon Anderson
   03. Time And A Word
   04. Owner Of A Lonely Heart
   05. Teakbois

   Steve Howe
   06. Clap
   07. Mood For A Day

   Rick Wakeman
   08. Madrigal
   09. Catherine Parr
   10. Merlin The Magician

   11. Long Distance Runaround
   12. Electric Drum Solo
   13. Birthright
   14. And You And I
   15. I've Seen All Good People
   16. Close Tto The Edge
   17. Themes
   18. Brother Of Mine
   19. The Meeting
   20. Heart Of the Sunrise
   21. Order Of the Universe
   22. Roundabout
   23. Starship Trooper

 Jon Anderson : Vocal
 Bill Bruford : Drums, Percussion
 Rick Wakeman : Keyboards
 Steve Howe : Guitar, Backing Vocal

 Jeff Berlin : Bass
 Julian Colbeck : Additional Keyboards
 Milton McDonald : Rhythm Guitar

 収録されている映像の一部
 
 ※) 一応貼り付けますが,ブロックされたら削除しますので悪しからず.

[参考]
An Evening Of Yes Music Plus Tour Dates
 1989
 July
  [North American Tour]
  03 Jones Beach Theater,Wantagh,NY,USA
  29 Mud Island Amphitheater,Memphis,TN,USA
  30 Chastain Park Amphitheater,Atlanta,GA,USA
 
 August
  01 Hampton Coliseum,Hampton,VA,USA
  02 Skyline Sports Complex,Harrisburg,PA,USA
  03 Spectrum,Philadelphia,PA,USA
  04 Nassau Veterans Memorial Coliseum,Uniondale,NY,USA
  05 Merriweather Post Pavilion,Columbia,MD,USA
  06 Great Woods Center for the Performing Arts,Mansfield,MA,USA
  08 Riverfront Park,Manchester,NH,USA
  09 Orange County Fairgrounds,Middletown,NY,USA
  10 Jones Beach Theater,Wantagh,NY,USA
  11 Hartford Civic Center,Hartford,CT,USA
  12 Old Orchard Beach Ballpark,Old Orchard Beach,ME,USA
  13 Garden State Arts Center,Holmdel,NJ,USA
  15 A.J. Palumbo Center,Pittsburgh,PA,USA
  16 Blossom Music Center,Cuyahoga Falls,OH,USA
  17 Cayuga County Fairgrounds,Weedsport,NY,USA
  18 Lakeside Amphitheater,Darien Center,NY,USA
  19 Pine Knob Music Theatre,Clarkston,MI,USA
  20 Poplar Creek Music Theater,Hoffman Estates,IL,USA
  22 CNE Grandstand,Toronto,ON,CANADA
  23 Grandstand at Lansdowne Park,Ottawa,ON,CANADA
  24 Forum de Montréal,Montreal,QC,CANADA
  25 L'Agora du Vieux Port,Quebec City,QC,CANADA
  28 The Summit,Houston,TX,USA
  29 Greek Theatre,Los Angeles,CA,USA
  29 Coca-Cola Starplex Amphitheatre,Dallas,TX,USA
   
 September
  04 SDSU Open Air Theatre, San Diego State University,San Diego,CA,USA
  05 Pacific Amphitheatre,Costa Mesa,CA,USA
  06 Greek Theatre,Los Angeles,CA,USA
  07 Greek Theatre,Los Angeles,CA,USA
  08 Santa Barbara Bowl,Santa Barbara,CA,USA
  09 Shoreline Amphitheatre,Mountain View,CA,USA
  10 Cal Expo Amphitheatre,Sacramento,CA,USA
 
 October
  [UK Tour]
  20 Whitley Bay Ice Rink,Whitley Bay,UK
  21 Edinburgh Playhouse,Edinburgh,UK
  22 Edinburgh Playhouse,Edinburgh,UK
  24 NEC Arena,Birmingham,UK
  25 NEC Arena,Birmingham,UK
  28 Wembley Arena,London,UK
 
 November
  [European Tour]
  02 Forest National,Forest,BELGIUM
  03 Ahoy,Rotterdam,NETHERLANDS
  05 Alsterdorfer Sporthalle,Hamburg,GERMANY
  06 Falkoner Teatret,Copenhagen,DENMARK
  08 Johanneshov Isstadion,Stockholm,SWEDEN
  09 Skedsmohallen,Oslo,NORWAY
  11 Sporthalle,Cologne,GERMANY
  12 Stadthalle,Kassel,Germany
  13 Rudi-Sedlmayer-Halle,Munich,GERMANY
  14 Hanns-Martin-Schleyer-Halle, Stuttgart,GERMANY
  16 Festhalle, Frankfurt,GERMANY
  17 Carl-Diem-Halle,Würzburg,GERMANY
  18 Jakobshalle,Basel,SWITZERLAND
  19 Palais Omnisports de Paris-Bercy,Paris,FRANCE
  20 PalaRuffini,Turin,ITALY
  21 PalaTrussardi,Milan,ITALY
  23 Palazzo dello Sport,Rome,ITALY
  30 Palacio de Deportes de la Comunidad de Madrid,Madrid,SPAIN
 
 1990
 February
  [European Tour]
  21 Palau dels Esports,Barcelona,SPAIN
  22 Pabellón de la Ciudad Deportiva del Real Madrid,Madrid,SPAIN
  23 Sala Multiusos,Zaragoza,SPAIN
 
 March
  [Japan Tour]
  01 NHK Hall,Tokyo,JAPAN
  02 NHK Hall,Tokyo,JAPAN
  04 NHK Hall,Tokyo,JAPAN
  05 Festival Hall,Osaka,JAPAN
  07 Yokohama Bunka Taiikukan,Yokohama,JAPAN
  08 Nakano Sunplaza,Tokyo,JAPAN

  [North American Tour]
  12 Pacific Coliseum,Vancouver,BC,CANADA
  13 Opera House,Spokane,WA,USA
  14 Chiles Center at University of Portland,Portland,OR,USA
  15 Paramount Theatre,Seattle,WA,USA
  18 The Mosque,Richmond,VA,USA
  19 Spectrum,Philadelphia,PA,USA
  20 Wang Theatre,Boston,MA,USA
  22 D.A.R. Constitution Hall,Washington,DC,USA
  23 Madison Square Garden,New York City,NY,USA

































[関連記事]
Paris 1989 (Amity 643)
 
Close To The Master (Virtuoso 228/229/230)
 
Los Angeles 1989 : Mike Millard First Generation Tapes (Amity 636)
 
 


#2021-09-14 #期間限定