ジェフ・ベック(Jeff Beck)は,1975年3月にアルバム 『 Brow By Brow (ブロウ・バイ・ブロウ) 』 をリリース後,そのプロモーションを兼ねてニューヨーク州はバッファローのニュー・センチュリー・シアター公演を皮切りに,7月30日ハワイ州はホノルルのホノルル・インターナショナル・センター(NBC:Neal S. Blaisdell Center)公演まで北米ツアーを行い,その後,「 World Rock Festival Eastland 」(ワールド・ロック・フェスティヴァル) の一環で 1975年8月に ベック・ボガート・アンド・アピス(BBA:Beck, Bogert & Appice)時代(1973年5月)に次いで 2度目の来日を果たします.

 本商品は,上述の北米ツアー中盤に当たる 5月9日ミシガン州はデトロイトのメソニック・テンプル・シアター公演と,その翌日に当たる 5月10日ウィスコンシン州はミルウォーキーのリバーサイド・シアター公演のサウンドボード録音を収録し 2016年1月に Wardourレーベルよりリリースされた 『 Definitive Blow (Wardour-167) 』 です.再紹介に伴って 「 Detroit & Milwaukee 1975 」 が サブ・タイトルとして付与されていますが,判りやすくする為に便宜上付与されたものであり,ジャケット等はリリース当時のものです.
 2枚とも,サウンドボード録音を収録しているので,初心者でも安心して楽しめる商品です.定番音源ではありますが,私的に所有していなかったので今回購入したもの.

 因みに 5月10日のミルウォーキー公演(Disc 2)の最終トラック ”Power" にはギタリストの ジョン・マクラフリン(John McLaughlin / マハヴィシュヌ・オーケストラ:Mahavishnu Orchestra)がゲスト参加しており,意識してか前日より若干早いテンポで演奏しています.

 メーカー情報では
 『“生演奏版「BLOW BY BLOW」”とも言えるサウンドボード・アルバムが蘇りました。本作は、「1975年5月9日デトロイト公演」と翌「5月10日ミルウォーキー公演」のステレオ・サウンドボード盤。
 そう、大傑作「THIS BLOWS(Import)」を最新技術でブラッシュ・アップしたものなのです。「THIS BLOWS」が登場した2007年のセンセーションは物凄いものでした。なにしろ、それまでめぼしいサウンドボードのなかった「BLOW BY BLOW」時代でしたが、一気に2公演分丸ごと登場。
 しかも、そのクオリティは極上だったのです。“オフィシャル級”と呼ぶには録りっぱなしの生々しさが先行する感触ではあったものの、歪みも濁りもないクリアな鮮度は素晴らしく、サウンドボード特有の耳に直接流れ込む感覚はとにかく鮮烈。大名盤「BLOW BY BLOW」そのままに、いや、それ以上に生演奏のスリリングまで加わった“1975年のジェフ・ベック”が耳元で鳴る最高盤だったのです。もちろん、瞬く間に完売し、長らく廃盤となっておりました。
 それから8年。今回は、あの傑作サウンドボードをさらに現代レベルの技術を駆使して蘇らせたのです。そもそも「THIS BLOWS」からして、ノイズまみれ、ピッチ不安定だった当時のネット音源とは一線を画しており、「遙かに美しい」「断然ナチュラル」と大好評でした。それを派手にイコライジングしても意味がありません。本作のサウンドは“更なる現場感覚”をテーマに、音抜けの良さ、ニュアンスの生々しさを重視しました。
 実際、中域に偏っていた「THIS BLOWS」に比べると、本作のワイドな立体感が素晴らしい。特に鮮烈なのが「5月10日」を収めたディスク2。「THIS BLOWS」では左チャンネルがハイ落ちしており、クリアではあっても今ひとつだった左右バランスが見事に改善されている。ぜひ、「She's A Woman」イントロをヘッドフォンで聴いていただきたい。
 「THIS BLOWS」ではロールするドラミングが鼻腔の後ろあたりに音が集まる感覚でしたが、本作では身体を包み込むような音空間に変貌しているのです。もちろん、疑似ステレオのわざとらしさではなく、元々のステレオ感がより生かされ、楽器1つひとつの音が際だって聞こえる。実は、ジェフが拍を取れずにリズムが不安定になるシーンでもあるのですが、その一瞬の表情まで浮かんできそうな“現場感覚”なのです。
 そんな立体的な音世界の旨みは“1975年ジェフ・ベック”の旨みをこそ、グッと押し上げている。「She's A Woman」でバツグンのタイム感を聴かせてくれたバーナード・パーディは、「Definitely Maybe」でも倍テンへもっていくフィル・インが絶妙。ウィルバー・バスコムも「Constipated Duck」後半で6連、1拍半を駆使したアグレッシヴなベース・ソロを、「Freeway Jam」イントロでは空ピックの冴える変幻自在なグルーヴを轟かせる。
 特にディスク2だけの「Air Blower」から「Got The Feeling」での高速ランニングは最高です。盟友マックス・ミドルトンの歌心が冴える「Cause We've Ended As Lovers」でも、後半部分での2拍3連で一体となり傾れ込んでいくアンサンブルの凄まじさ、その中を自在に飛び交うギターの鋭さと言ったら……。「THIS BLOWS」では渾然とした中から沸き立つ感覚のギターが、本作では立体アンサンブルの中で自由に舞い踊るのです。
 そんな本作最大の見せ場は、ディスク2ラストの「Power」。MAHAVISHNU ORCHESTRAのジョン・マクラフリンがゲスト参加してのギターバトルが炸裂するのです。当代きっての名手同士による壮絶なバトルは、手垢の付いた“火花散る”という言葉しか浮かばないほどに熱い。スケール・アウト連発のマクラフリンに対し、「BLOW BY BLOW」の切れ味そのままのジェフが真っ向からぶつかりあう。それが耳元サウンドボード、しかもステレオ感バツグンに左右から攻め立ててくるのです。長いジェフ史でも希に見る豪華共演にして、最高にスリリングなひとときです。

 大名盤「BLOW BY BLOW」を創りあげたばかりのジェフがアルバム全9曲中7曲もの生演奏バージョンを披露し、それを最高のステレオ・サウンドボードで聴ける。そんな贅沢盤がさらなるアップグレードを果たした。しかも、形だけイコライジングしたものではなく、しっかりと演奏の意味を捉え、音源が必要としているマスタリングを見極めた1本。最高のサウンドボード・アルバムだからこそ、究極を求めた2枚組です。
 ぜひ、本作で鮮烈サウンドで蘇った「BLOW BY BLOW」時代のジェフに再会してください。』

Definitive Blow (Wardour-167)
 
 Live At Masonic Temple Theatre,Detroit,MI,USA 09th May 1975
     & Auditorium Theatre,Milwaukee,WI,USA 10th May 1975
 [STEREO SOUNDBOARD RECORDING]

  Disc 1
  [09th May 1975]
   1. Intro
   2. Constipated Duck
   3. She's A Woman
   4. Freeway Jam
   5. Definitely Maybe
   6. Superstition
   7. Keyboard Solo
   8. Cause We've Ended As Lovers
   9. Power
   10. Got The Feeling
   11. Diamond Dust
   12. You Know What I Mean
   TOTAL TIME (54:48)

  Disc 2
  [10th May 1975]
   1. Constipated Duck
   2. She's A Woman
   3. Freeway Jam
   4. Definitely Maybe
   5. Superstition
   6. Keyboard Solo
   7. Cause We've Ended As Lovers
   8. Air Blower
   9. Got The Feeling
   10. Diamond Dust
   11. Power (Guest: John McLaughlin)
   TOTAL TIME (55:23)

 Jeff Beck : Guitar
 Wilbur Bascomb : Bass
 Max Middleton : Keyboards
 Bernard Purdie : Drums

 [09th May 1975]
 Freeway Jam
 
 Power
 
 Got The Feeling
 

 [10th May 1975]
 She's A Woman
 
 Air Blower
 
 Power (Guest: John McLaughlin)
 


 本商品の初回ナンバー入りステッカー付きに限り,1975年にBBCのテレビ・プログラム 「 Four Faces Of Guitar 」 に出演(JEFF BECK & UPP)した際の映像を収録した 『 BBC Studio 1975 (Special Bonus DVDR) 』 がボーナスディスクとして付属しています.
 定番映像ではありますが,ジェフ・ベック(Jeff Beck)が機材の説明しているシーンや ”She's A Woman” は必見の価値があります.

 メーカー情報では
 『1975年に収録され、1976年にBBCにて放送された「Four Faces of Guitar」のジェフ・ベック&UPPの回を収録。
 タイムコード入りで、画質はまずまずながらも、音声は綺麗に録れているので、ストレスなく全編を楽しむことができます。
 UPPはイギリスで結成されたフュージョン・バンドで、ドラムは日本人ミュージシャンとの仕事でも有名なジム・コープリー、キーボードはアンディ・クラーク、ベースはスティーブン・アメイジングと言う面々。当初はギターレスの編成だったため、彼らのファーストアルバムでは、ジェフ・ベックがプロデュースとギターを務めています。
 オープニングは、アルバムにも収録されたGet Down In The Dirtで、貴重なスタジオ・ライヴを楽しめます。続いては、司会者とのジェフのやり取りが7分近く収められているのですが、ここでジェフは自身のギター、機材に関して、実際に実演しながら、Q&Aに応えており、歴史的にも非常に重要な、ファンにはマストと言える映像をじっくりと観ることが出来ます。
 まず、ギターについては、ピックアップセレクト等レスポールの基本的な使い方と構造、弦の張力とベンディング(チョーキング)の関係、ボトルネック奏法とオープンチューニングのスタンスを実演を混ぜながら説明しています。
 次のエフェクター類の説明では、まずブースターのシーンによる使い分けと、ワウワウ(Cry Baby)の効果を実演。アンプ(Ampeg)については主にフィードバックにおけるギターとアンプの相性を説明しています。
 最後にTalk Box(トーキングモジュレーター)については、実演も貴重なシーンですが、バッグに入った本体が、ファンのみならず、ギター関係者にとって実に興味深い映像となっています。
 ラストにはShe's A Womanを5分以上の大熱演。「画質がもう少し良かったら・・・」とは思いますが、実際はブート慣れしているファンにとっては全く問題ないレベル。高度な技量をもったメンバーと、この当時のジェフの生々しい演奏ぶりは全てのロック・ファン必見。カメラも殆どがメインのジェフのプレイを追ってますので、ストレスなく最後まで楽しめます。
 1975年のジェフの動画映像は限られているので、ファンは必携間違いありません。』

BBC Studio 1975 (Special Bonus DVDR)
 
 Jeff Beck & UPP / Performing 2 Songs On BBC TV "Four Faces Of Guitar"
 PRO-SHOT COLOUR NTSC Approx.16min.
 

   1. Get Down In The Dirt

   [Jeff Explains Equipments and Effects]
   2. 1954 Les Paul Oxblood
   3. Color Sound
   4. Cry Baby
   5. Ampeg
   6. Talk Box

   7. She's A Woman
   TOTAL TIME (15:38)

 Jeff Beck : Guitar
 Jim Copley : Drums
 Andy Clarke : Keyboard
 Stephen Amazing : Bass

 収録されている映像
 

[参考]
※) 詳細なツアー日程は不明なので,あくまで参考程度.
1975 Tour Dates
 April
  24 New Century Theater,Buffalo,NY,USA
  25 Dome Arena,Henrietta,NY,USA
  26 Springfield Civic Center,Springfield,MA,USA
  27 Capitol Theatre, Passaic, NJ,USA
  29 Hofstra University,Hempstead,NY,USA
  30 Avery Fisher Hall at Lincoln Center,New York City,NY,USA

 May
  02 Spectrum Theater,Philadelphia,PA,USA
  02 The Midnight Special TV Show,Burbank,CA,USA
  03 The Music Hall,Boston,MA,USA
  04 New Haven Veterans Memorial Coliseum,New Haven,CT,USA
  06 Dome Auditorium,C.W. Post College,Brookville,NY,USA
  07 Cleveland Music Hall,Cleveland,OH,USA
  08 Aerie Crown Theater,Chicago,IL,USA

  09 Masonic Temple Theatre,Detroit,MI,USA
  10 Riverside Theater,Milwaukee,WI,USA
  11 Ambassador Theatre,St. Louis,MO,USA
  29 Civic Theatre,San Diego,CA,USA
  28 Exposition Hall,Civic Plaza,Phoenix,AZ,USA
  29 Golden Hall,San Diego,CA,USA
  30 Shrine Auditorium,Los Angeles,CA,USA
  31 Winterland Arena,San Francisco,CA,USA
     ⇒ [Two Shows]
 
 June
  01 Civic Center,San Jose,CA,USA
  03 Paramount Theatre,Portland,OR,USA
  04 Paramount Theatre,Seattle,WA,USA
  07 Ice Arena,Denver,CO,USA
  08 Johnson Gymnasium,University Of New Mexico,Albuquerque,NM,USA
  09 Civic Center Theater,El Paso,TX,USA
  11 Dallas Memorial Auditorium,Dallas,TX,USA
  12 HemisFair Arena,San Antonio,TX,USA
  13 Civic Center Music Hall,Oklahoma City,OK,USA
  14 Tulsa Assembly Center,Tulsa,OK,USA
  15 Houston Music Hall,Houston,TX,USA
 
 July
  05 Johnson Gymnasium,University Of New Mexico,Albuquerque,NM,USA
  19 Queen Elizabeth Theatre,Vancouver,BC,CANADA
  23 O'Keefe Centre,Toronto,ON,CANADA
     ⇒ [Two Shows]
  26 Tad Gormley Stadium,New Orleans,LA,USA
  27 Un-Known Venue,Toronto,ON,CANADA
  30 Honolulu International Center (Neal S. Blaisdell Center),Honolulu,HI,USA
 
 August
  03 World Rock Festival EASTLAND,Makoma Ice Arena,Sapporo,JAPAN
  05 World Rock Festival EASTLAND,Aichi-Ken-Tuikukan,Nagoya,JAPAN
  07 World Rock Festival EASTLAND,Korakuen Stadium,Tokyo,JAPAN
 
 October
  15 Lakeland Civic Center,Lakeland,FL,USA
  16 Lakeland Civic Center,Lakeland,FL,USA
  18 Gulfstream Park,Hallandale Beach,FL,USA
 
 November
  08 Lakeland Civic Center,Lakeland,FL,USA
 

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