1972年9月にアルバム 『 Close To The Edge (危機) 』 がリリースされるのに伴って,1972年7月末から開始された 「 Close To The Edge Tour 」.
 その一環として1973年に入って初めて行われたツアーは 3月8日~14日の初来日となったジャパン・ツアーでした.
 その後,3月19日オーストラリアはブリスベンのフェスティヴァル・ホール公演を皮切りに,3月27日シドニーのホーデン・パビリオン公演まで行われたオセアニア・ツアー,4月4日からは北米ツアーが開始されます.

 本CDは初来日後に行われた オセアニア・ツアーの初日である1973年3月19日オーストラリアはブリスベンのフェスティヴァル・ホール公演のオーディエンス録音を収録した 『 Kang And Brahms (Amity 066) 』 です.

 音像は割と近く,若干籠り気味の缶がありますが,充分な高音質と言えます.
 残念なのはメーカー情報にも記載れているように ”Yours Is No Disgrace” の終盤部から最後に演奏された ”Starship Trooper” がテープの容量不足の関係で収録されていない点ですが,何と言ってもこの時期の勢いのあるライヴ音源を聴ける事が有難い.

 メーカー情報では
 『1973年、日本ツアー直後に行われたオーストラリア・ツアー初日、3月19日のブリスベン公演をマスター・クオリティを確信させる高音質オーディエンス録音で1時間35分に渡って収録。
 And You And Iの7:01でのテープチェンジによるカット、アンコールのYours Is No Disgraceが8:24でテープ終了でエンディング未収なのは残念ですが、ライブの全貌は、安定した音像でしっかりと捉えられており、本来ならプレスCDでリリースされるべき、全てのイエス・ファン必聴の超高品質録音盤です。

 オープニングのSiberian Khatru から、アグレッシブなソロをバシバシ聴かせるハウを筆頭に、日本公演以上にノリにのったスケールの大きな演奏を聴かせてくれます。
 Heart Of The SunriseはイントロにシンセのSE入り。硬質でストイックなプレイは楽曲の魅力を際立たせます。
 3曲目のI've Seen All Good Peopleの前にリックが短いピアノソロを披露します(ELPのSheriffのエンドみたいなプレイ)。ハウはClap の後半にはオーストラリアではお馴染みのTie Me Kangaroo Down Sportの一節をサラリとインサートし、観客の喝采を浴びます。
 Close To The Edgeも素晴らしい音質で録音されており、円熟の演奏を太く自然な理想的なサウンドでじっくりと堪能できます。この時期の良好な音源なら、何公演分あっても聴いてみたいと思わせる絶品の演奏内容を楽しめます。7分間のリックのキーボードソロは2分目手前にCans
And Brahmsが挿入されています。
 Yours Is No Disgraceでは2:36でオルガンのサスティンが鳴らず、ベース(ギター?)が穴埋めするところはスリリングです。(オルガンは直ぐに回復します。)ここからの5分は全員が一丸となった凄いプレイが聴け、ギター、ドラムとも迫力満点のプレイをクリアーなサウンドでたっぷりと楽しめます。マスターテープにあったアナログ・ノイズを全て丁寧に除去しました。まさに絶頂期、音質・演奏内容極上のファン必携の一枚が登場です。

 ★beatleg誌 vol.109(2009年5月号)のレビュー要約です。ご参考まで。
 イエスの1973年3月19日のオーストラリア、ブリズベーン公演を完全収録した2枚組。この日は初来日公演直後の公演ということもあり、日本公演のパフォーマンスとの違いを探るのも楽しいだろう。音声はオーディエンス録音で、モノラル。
 程度の低いカセットがマスターとなっているようで、すでに経年変化でテープがよじれているのが残念だが、記録的な価値を見いだせる人にとっては、そんなの関係ねえ。「燃える朝やけ」の前にリック・ウェイクマンがシンセの低音をブリブリいわせた珍しいイントロを付け加えたり、「アイヴ・シーン・オール・グッド・ピープル」の直前にもピアノを弾いたりと、いつもとはちょっと違った面が見え隠れしているのが面白い。
 もちろん「アイヴ...」の前のピアノは、歌い出しのコーラスのキーを確認するためのもので、通常はスティーヴ・ハウのマンドリンでやるところをリックのおどけたピアノで代用したというものだ。スティーヴ・ハウのソロ・コーナーでは、壮絶な「クラップ」の中にはオーストラリアのトラッド「Tie Me Kangaroo Down Sport」をさりげなく挿入したり、リック・ウェイクマンのソロでは「キャンズ・アンド・ブラームズ」を挿入したりと、なかなか芸の細かいネタが満載されているので、そんなディテイル探しも面白いかもしれない。
 このセット・リストでの聴きどころである「危機」の完成度も『イエスソングス』並みの凄まじさであり、特にアラン・ホワイトのパワーには圧倒させられる。音質の欠点をアーティスト自らがカヴァーしている好作品である。』

Kang And Brahms (Amity 066)
 
 Live At Festival Hall,Brisbane,Australia 19th March 1973

  Disc 1
   1. Firebird Suite  
   2. Siberian Khatru
   3. Heart Of The Sunrise
   4. I've Seen All Good People
   5. Mood For A Day
   6. Clap incl. Tie Me Kangaroo Down Sport
   7. And You And I

  Disc 2
   1. Close To The Edge
   2. Wakeman Solo (incl. Cans And Brahms)
   3. Roundabout
   4. Yours Is No Disgrace

 Jon Anderson : Vocals
 Steve Howe : Guitars
 Chris Squire : Bass
 Rick Wakeman : Keyboards
 Alan White : Drums

 Heart Of The Sunrise
 
 Close To The Edge
 

[参考]

危機
[Steven Wilson Remix]



危機



イエスソングス




1973 Tour Dates
 March
 [Japan Tour]
  08 Tokyo Koseinenkin Kaikan,Tokyo,JAPAN
  09 Shibuya Koukaidou,Tokyo,JAPAN
  10 Kanda Kyoritsu Koudou,Tokyo,JAPAN
  11 Nagoya-shi Koukaido,Nagoya,JAPAN
  12 Kouseinennkin Kaikan,Osaka,JAPAN
  14 Kyoto Kaikan,Kyoto,JAPAN

 [Oceania Tour]
  19 Brisbane Festival Hall,Brisbane,AUSTRALIA
  21 Apollo Stadium,Adelaide,AUSTRALIA
  23 Festival Hall,Melbourne,AUSTRALIA
  26 Hordern Pavilion,Sydney,AUSTRALIA
  27 Hordern Pavilion,Sydney,AUSTRALIA
 
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