私的には,1968年~1971年までの,3人編成(マーク・ファーナー(Mark Farner),メル・サッチャー(Mel Schacher),ドン・ブリューワー(Don Brewer))の頃が一番好きで,1970年7月のフロリダでのライヴを収録し,同年11月にリリースされたオフィシャルの 『 Live Album (ライヴ・アルバム) 』 を当時聴きまくっていました.

 本作はその 2年後で,キーボードにクレイグ・フロスト(Craig Frost)を迎えての 4人編成になり,アルバム 『 Phoenix (不死鳥) 』 をリリース(1972年9月)した後,10月11日ワシントン州シアトル公演を皮切りに,12月31日ネヴァダ州ラスヴェガス公演まで行われた北米ツアーから,ツアー終盤に当たる12月23日ニューヨーク州ニューヨークのマディソン・スクウェア・ガーデン公演を収録し,Uxbridgeレーベルからリリースされた 『 Madison Square Garden 1972 (Uxbridge 998) 』 です.

 因みにこの公演の模様は当時米国のFMやTVで放送されていますが,本作に収録されてるのは,放送前のマスターが流失したもののようです.

 Disc 1 の音源の方は,若干ヴォーカルのバランスが他のパートより低めではあるものの,サウンドボードであり高音質,しかも Disc 2 で同公演の映像も楽しめると言うファンには有難い優れものの商品です.
 
 メーカー情報では
 『クレイグ・フロストを迎え、4人組となった新生GRAND FUNK。その極上ステレオ・サウンドボード&プロショットの決定的セットが登場です。
 そんな本作に収められているのは「1972年12月23日ニューヨーク公演」。象徴的な大会場“マディソン・スクエア・ガーデン(以後、MSG)”でのショウを記録したライヴアルバムをディスク1に、マルチカメラ・プロショットをディスク2に配した2枚組です。
 このショウはテレビ放送もされた古くからの大定番ですが、本作はどちらもTVバージョンとは異なるもの。

 それぞれ、個別にご紹介していきましょう。

【ディスク1:極上ステレオ・サウンドボード】
 まず登場するのは、極上サウンドボードによるライヴアルバム。
 MSG公演はテレビ放送だけでなく、FMラジオ局WBCNの番組“ABC IN CONCERT”でも放送されました。
 このFM版はテレビとはサウンドも内容も異なる。まず何より、鮮烈なステレオ感が凄い。テレビ版のミックスはかなり中央に寄っており、ちょっと聴いただけではモノラルかステレオかも判別しづらいものですが、FM版はまったく違う。各楽器が完全にセパレートしており、オルガンやギターが左右から攻め立て、頭の周りをフレーズがグルグルと回る。完全な立体サウンドなのです。
 そして、曲目も違う。同じショウではありますが、セレクトが異なっており、ストーンズのカバー「Gimme Shelter」や「Footstompin' Music」といったプロショット版にはない曲も聴けるのです。
 そんなFM放送版ですが、本作はそのベスト・マスター。ごく最近になって名門「krw_co」が発掘したもので、何と1stジェネのリール・マスターからダイレクトにデジタル化されている。その鮮度は圧倒的であり、鳴りはどこまでも美しく、先述したステレオ感も異様に鮮やか。それこそ、このままオフィシャルにリリースできるほどのクオリティなのです。
 クレイグ・フロスト加入後の4人時代というと公式の伝統作『CAUGHT IN THE ACT』もありますが、「Flight Of The Phoenix」「Into The Sun」「Get It Together」「I’m Your Captain」「Hooked On Love」等、そこでは聴けない名曲もたっぷりと楽しめます。

【ディスク2:流出マルチカメラ・プロショット】
 代わってのディスク2は、同じショウの映像編。
 こちらもテレビ放送とは異なり、作業用カウンターも入った流出マスターのマルチカメラ・プロショットです。テレビ放送版より若干暗めではあるものの、画質やマスター鮮度自体はテレビよりも美しい。
 何よりも嬉しいのは安定感。テレビ放送のエアチェックは頻繁に画面が乱れるものばかりでしたが、本作はビシッと安定している。サウンド・画質の両面でオフィシャル級とは言い難いものの、それでも伝説の初来日からわずか1年半しか経っていないGRAND FUNKをマルチカメラ・プロショットで見られる醍醐味は何物にも代えられません。
 そんなクオリティで描かれるショウも素晴らしい。ディスク1のFM版と異なる曲は『E PLURIBUS FUNK』の「Loneliness」だけですが、これもまた『CAUGHT IN THE ACT』では聴けない美味しい名曲。そして、その演奏ぶりが灼熱。キーボードを導入した『PHOENIX』でポップ方面も盛り込み始めたわけですが、そこからは「Flight Of The Phoenix」だけであり、残りはすべてトリオ時代のナンバー。マーク・ファーナーの歌声はどこまでもソウルフルで、ドン・ブリューワーのドラミングも力強く轟く。伝説の初来日を思わせるタフなロックが爆発し、そこにキーボードが味付けしていくのです。

 黄金時代を謳歌しつつ、更なる高みを目指していた1972年のGRAND FUNK。
 そんな彼らの大舞台となったMSG公演を極上のステレオ・サウンドボードと流出プロショットで描く決定盤です。70年代アメリカン・ロックの粋、どうぞ2枚組でじっくりとお楽しみください。』

Madison Square Garden 1972 (Uxbridge 998)
 
 Live At Madison Square Garden,New York City,NY,USA 23rd December 1972 
 Benefit for The Phoenix House
 Disc 1:STEREO SOUNDBOARD RECORDING
       WBCN Broadcast of ABC In Concert Aired January 19th 1973
 Disc 2:PRO-SHOT COLOUR NTSC Approx.53min.
 


  Disc 1 [CDR]
   1 Flight Of The Phoenix
   2 Footstompin' Music
   3 Into The Sun
   4 Get It Together
   5 Heartbreaker
   6 Good To Be In New York City Jam
   7 I'm Your Captain
   8 Hooked On Love
   9 Inside Looking Out
   10 Gimme Shelter
   TOTAL TIME (48:25)

  Disc 2 [DVDR]
   1. Flight Of The Phoenix
   2. Into The Sun
   3. Get It Together
   4. Heartbreaker
   5. Black Brass
   6. I'm Your Captain (Part 1)
   7. Phoenix House Interview
   8. I'm Your Captain (Part 2)
   9. Loneliness
   10. Hooked On Love
   11. Inside Looking Out
   TOTAL TIME (52:38)
 
 Mark Farner : Vocal,Guitar,Keyboards,Harmonica
 Craig Frost : Keyboards,Vocal
 Don Brewer : Drums,Vocal
 Mel Schacher : Bass

 Heartbreaker
 
 Gimme Shelter
 

 収録されている映像の一部
 [終盤部分]
 

 一応,収録映像を貼り付けますが,プロショットの関係もあり,著作権侵害で即刻削除する可能性がありますので悪しからず.

[参考]
















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