親を責めるにせよ、過去を恨むにせよ、気持ちが過去を向いている限り、過去の辛さはますます募り、それがまた現在の状況を悪化させます。今の状態が悪くなると、ますます過去の忌まわしい記憶がよみがえります。
どこまで行っても終わりのない「悪循環」の物語の始まりです。
人によって異なりますが、基本的にはこの「悪循環」をどこかで断ち切らない限り、前に進むことはできないのです。
過去に遭ったトラウマを語り続けることで傷つくのは、実は本人だけではありません。言われている親たちも、実は傷ついているのです。
画像 GIF 北海道警察 家庭内暴力
お互い傷ついたもの同士。どのように対応してよいかわからないうちに、最悪の状況を引き起こしてしまったりするのです。
家庭内暴力がそれです。
子供に憎しみをぶつけられておろおろする親。あるいは親が子供に暴力をふるうかもしれません。いずれにせよ子供が過去にしがみついている限り、状況は悪化するばかりです。
「親を殺したい」
そう言っていた一人の神経質者の会員がいました。彼は常々、親の虐待のせいで自分はダメになってしまった。自分らしく生きていくには親を殺すしかない。と思い詰めているようでした。
しかし、よく話を聞いていくと、本当に虐待があったのかどうかさえ、あやふやな状況なのです。もしかすると、本人の「思い込み」かもしれません。
「思い込み」で殺される方もたまったものではありませんよね。
私は彼にこう言いました。
「親を殺したい」と言う感情は自然なものだよ。だからそんなことで自己否定するのはやめよう。大切なのは、自分と親が最もハッピーになれる付き合い方を考えていくことだと思う。
子は親を選べない。だけど未来は自分で選べるんだよ。・・と。
参考・・・「「親につかれた症候群」、「くよくよするなと言われてもくよくよしてしまうあなたに」