神経質は「負け惜しみの意地っ張り」だと言われています。そんな神経質者に森田先生は伝えています。
「負け惜しみの強い人は、負けることだけを悔しがる。金銭欲の強い人は、損失ばかりを言い立てる。どちらも事実を見ることが出来ない。
負け惜しみは、見境なしに何でもかんでも負ける口惜しさがいけないので、一切勝負が出来ず、したがって上達もない。」
画像 hattatsukuji.com 勝ち負けにこだわる子供
耳が痛くないですか(笑)? 神経質は負けることが嫌さに勝負に消極的です。だから上達しないので、ますます負ける確率が高くなります。これでは本末転倒です。症状の悪循環にも似ていますね。
さて、勝ち負けにこだわる人は、神経質も含めて競争心が強い人です。勝つことに過剰にこだわるところは、承認欲求が強く、他人の評価を気にしているのかもしれません。
おそらく劣等感が強いのでしょう。勝利を得ることで、自信や賞賛を手に入れたいと考えているのです。
こういう人は、何でも「勝ち負け」にしてしまいます。初対面の人に対しては、理解するより先に、「こいつは自分よりも上か下か」を判断しようとします。ライバルと言うわけでもないのに、常に同僚の給料や評価を気にしていて、その結果に一喜一憂しています。
言うまでもなくこういう人は、対等な人間関係を結べません。
ひところ「勝ち組」、「負け組」と言う言葉が流行りました。競争心をあおるうえでは有意義な考え方なのかもしれませんが、何が「勝ち組」で何が「負け組」かもわかりません。つまりは私たちのストレスを増やしてしまっただけのような気がいたします。
ある有名人の言葉です。
「本当の勝ち組とは、勝ち負けを気にしない人である。」
うーん、至言ですね。
参考・・・「現代に生きる森田正馬の言葉」