「勝ち負け」にこだわる② | 神経質逍遥(神経質礼賛ブログ)

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何のとりえもない平凡で臆病者の神経質者が語る森田的生き方ブログです。

「勝てば恨みを買ひぬべし 敗くれば心安からず 勝つと敗くるを捨つるこそ、夜半の眠りの夢も安かれ」

と言う歌があります。私たちの悩みの多くは「勝ち負け」にとらわれることから起こります。だから歌の様に「勝つと負けるを捨てる」ことが出来れば、「夜半の眠りの夢」も、安らかであるに違いありません。

 

しかしながら、私たちのような煩悩具足の凡夫は、勝ち負けを捨てようとしても、どうしても捨てることが出来ません。これを捨てようとするほど、ますます心がそれにとらわれて苦しくなります。

だから私たちは、それこそあるがままに、「勝っては喜び、負けては悔しがる」所に、却って勝ち負けにとらわれない、自由な境地があるように思われるのです。

 

            画像 photo-ac.com 将棋を指す

 

勝ち負けにとらわれない方法として、森田先生はこのように述べています。それは「最初から勝敗を度外視して、その時その時の現在になりきって、一挙手一投足をおろそかにしないように心がける。」ことだそうです。つまり、「今、ここになりきる」と言うことなのでしょうね。

 

森田先生は、良く将棋をなさいました。普通の人と同じように、勝てば喜び、負けたら悔しがりました。しかしその時何番やったとか、そのうち何回勝ったかと言うことには、およそ無頓着だったそうです。先生本人も「全く覚えていない」そうです。

そんな具合だから、その時の勝利の誇らしい気持ちや、負けたときの恨めしい気持ちも、少しも後に残らないそうなんです。

これが「勝ち負けにとらわれない」と言うことなのでしょうか。

 

参考・・・「あるがままに生きる」