クーラーはお好き? | 神経質逍遥(神経質礼賛ブログ)

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まだ4月だと言うのに、暑いですねぇ(笑)。さすがにクーラーはつけていませんが、もし今からつけたりしたら、夏真っ盛りになったらどうすりゃいいんだと、不安になってしまいます(笑)。

さて、いわゆる健常者にとって、依存症患者の「治りたくない気持ち」は、最も理解不能なものかもしれません。今日はそんな依存症者の気持ちを少しでも理解するために、こんな話を持ってきました。

 

        画像 shiseido.co.jp 打ち水の様に涼しい素肌

 

真夏の暑い日、昔の人はどのように暑さをしのいでいたのでしょう。たとえばうちわや扇子、軒先に風鈴をつるしたり、玄関には打ち水をして、井戸水で冷やしたスイカを食べたり、行水などを楽しんでいましたね。後に電化が進んでからば、扇風機がその役割を引き継ぐことになります。しかしこれ以上の涼を求めても無理なので、辛抱するしかありませんでした。

 

しかし今はどうでしょう。どこでもクーラーがあります。多くの家庭で、24時間クーラーの恩恵を得ることが出来ます。昔の人々の暮らしに比べれば、格段に快適になりました。しかし、その分私たちは幸せになったと言えるのでしょうか。

クーラーが普及し始めたころは、例えば畑仕事などをしていて、お昼休みにクーラーの利いた部屋に入ると、「わぁ涼しい」、「生き返るなぁ」などと感動したものです。ところが現在、クーラーの涼しさに感動する人がいるでしょうか。

 

どんなに快適なものでも、それに慣れてしまうと、それが「当たり前」になってしまいます。そしていつの間にか慢性的な欲求不満状態に置かれることになってしまいます。

「暑さ」をストレスに置き換えてみます。昔の人はストレス対策としてスポーツをしたり、山に登ったり、釣りに出かけたり、ドライブしたり、音楽を聴いたり、旅行をしたりと、様々な方法がありました。

しかしあまりにもストレスが強いと、私たちは「手っ取り早く強力にストレスを軽減できる方法」に走ってしまいます。その最たるものが「お酒に酔う」、「薬物を使用する」と言うものです。

 

        画像 thebest-1.com 家庭用スポットクーラー

 

ちょうど熱中症になりかけの人が、クーラーと言う「手っ取り早く強力に暑さを和らげてくれる方法」を選択するのと似ています。

クーラーに慣れきってしまった人は、クーラーに感動しなくなるばかりか、クーラーに頼れば頼るほど、「暑さに弱い人」になってしまうのです。そしてますますクーラーに頼るようになります。やがてクーラーなしでは暮らせないようになってしまいます。

お酒の味をしめた人が、飲酒を繰り返すうちに、飲酒が「当たり前」になり、本人はますます「ストレスに弱い体質」になるのです。つまりますます「素面でいることが耐えられなくなって」しまい、ますますお酒なしではいられなくなってしまうのです。

 

アルコールや薬物依存の人が病院に行くと、例外なく、「あなたは依存症だから、一滴も飲んではいけません」と宣告されます。それはあたかも「あなたはクーラー依存症だから、今後一切クーラーにあたってはいけません」と宣告されるのと同じです。

さぁ、あなたは今年の猛暑をクーラーなしで乗り越える自信はありますか? 依存症患者も、それなしでは生きていけないんです。だから「治りたくない」んです。

 

参考およぴ引用、「ハームリダクションアプローチ」、「アルコール依存症の正体と治し方」