ハームリダクションアプローチとは?② | 神経質逍遥(神経質礼賛ブログ)

神経質逍遥(神経質礼賛ブログ)

何のとりえもない平凡で臆病者の神経質者が語る森田的生き方ブログです。

まずは定義を述べておきます。

「ハームリダクションとは、その使用を中止する事が不可能・不本意である薬物使用のダメージを減らすことを目的とし、合法、違法にかかわらず、精神作用性物質について必ずしもその使用量が減少または中止することがなくても、その使用により生じる健康、社会、経済上の悪影響を減少させることを目的とする政策、プログラムとその実践である。」

 

         画像 e-life21.com  アルコール依存症

 

さらに「薬物使用者、家族、コミュニティに対して、寛容さをもって問題を軽減する極めて現実的な政策、プログラムである。」とも述べられています。

現在ハームリダクションの考え方は、ヨーロッパ、オーストラリア、カナダなどを中心に最も成功している薬物政策として広がっていますが、日本を含めた東南アジアでは、その政策に反対する国も少なくないようです。

 

ちなみに日本では、「ダメ、ゼッタイ」に象徴される「不寛容、厳罰主義」を進めてきました。これらは先進国の中でもまれなケースです。

言うまでもなく、「不寛容、厳罰主義」では、治療になりません。さらには患者に対する偏見や、人権侵害、さらには様々なスティグマを助長しかねません。

 

          画像 irasutoya.com ギャンブル依存症

 

世界もかつては厳罰主義で対応してきました。しかしうまくいかなかった(禁止することで、かえって薬物乱用者が増えた)反省に立ち、方向転換を余儀なくされました。それがヨーロッパを中心としたハームリダクションの考え方につながるのです。

 

そんな流れの中、まだまだ我が国ではハームリダクションが正しく理解されているとは言えません。ハームリダクションの大切な部分として、「その人の薬物使用にかかわらず、その薬物が違法か否かを問わず、その人が困っていることを支援する」とあります。

 

つまり、「薬物をやめさせることではなく、その人の生きにくさ、生活そのものを支援していく」のです。

ハームリダクションの考え方は人道的であり、実践的です。患者中心主義であり、何より患者の尊厳を踏みにじることがないのです。

では、どうすればよいのか。それは次回以降で。

 

参考および引用・・・「ハームリダクションアプローチ」、「アルコール依存症とは」