私たちは心が癒されたり、勇気付けられたりすると、
「良し! やってやろう!」
と言う気持ちになるものです。私たちの欲する「生き生きした気持ち」とか、「物事に対する共感や感動する気持ち」、さらに好奇心とか意欲に至るまで、そのほとんどが、心が落ち着いているときとか、楽しい思いをしているときに現れやすくなっていますよね。
画像 オリラボマーケット グッズラボ やる気スイッチ故障中
しかし一方で、私たちの生活は不安や取り越し苦労にあふれています。楽しいことよりもつらい気持ちや悲しい気持ちの方が、はるかに多く体験することでしょう。しかしそのたびごとに自殺していたら、命がいくつあっても足りません。
そこで私たちは、辛いものはつらいけれども、頑張って生きて行こうということになります。
「生きて行く」・・・ことのように、諦めようにも簡単に諦められないものを、森田療法では「生の欲望」と呼んでいます。「生の欲望」とは、一言で言うと、「生きていたい」と言う根本欲求です。
「生の欲望」とは、あるとかないとか、なくなるとかなくならない
とか言うものではありません。人には生まれながらにして厳然と備わっているものなんです。
画像 reseach.note 京都森田療法研究所
もちろん長く生きていますと、精神的に調子のよい時もあれば、良くない時期もあります。「治る」の所でも述べたように、「調子が良くなった」ことが「治った」証ではありませんし、「調子が悪い」ことが、「悪化」とか「再発」した証でもありません。
そもそも「良い」とか「悪い」と言うことを重大視しすぎるのが問題なんです。この悪癖を「気分本位」と言います。
ではどうするか?
私たちに出来ることは気分をコントロールすることではなく、価値判断することなく、現在の心の状態を尊重し、それと共存していくことなんです。常にそういう心がけでありたいものです。
森田先生は、「どんな時でも、自分自身の事実から出発しなさい」と指導します。ところが神経質者たちは、常に「こうあるべき」と言う理想から出発しようとするために、迷妄にはまってしまうのです。
参考・・・「悩むあなたのままでいい」、「そのままのあなたですべてよし」