人生のタスクとは? | 神経質逍遥(神経質礼賛ブログ)

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昨日は、「他者を敵とみなすことにより、対人関係のトラブルは起こってくる」と言う話をして、ならば「他者を仲間とみなせば良い」と言う話をしました。

しかし・・・

今まで他者を敵だとみなしていた人が、そう言われたからと言って、すぐに他者を仲間だとみなせるでしょうか。まず不可能ですよね。

 

アドラーによると、「他者を仲間とみなせる」ためにはいくつかの「関門」を通過しなければならないようです。

その一つが「人生のタスク」と言うもの。そして「課題の分離」、さらに「共同体感覚」を身に着けることになります。大変だと思いますが、対人関係でお悩みの方は、是非お付き合い願いましょう。

 

 

まず今回から「人生のタスク」について説明します。「人生のタスク」は「人生の課題」とも言われます。私たちが人生の中で取り組まなければならない様々な課題の事を言います。ここで言う「課題」とは、つまり「人間関係」であると思ってください。

 

「人生の課題」を考える前に、「人生の目標」について考えます。皆さんの申請に目標はおありでしょうか。

アドラーは行動面と心理面に分けて、二つずつ挙げています。

まずは「行動面」です。

①自立すること。

②社会と調和すること。

となっています。

 

そしてこれらの「行動」を支える心理面では、

①私には能力がある。と言う意識

②人々は私の仲間である。と言う意識です。ここに人間関係の問題を克服する目標が提示されましたね。

そしてこれらの目標を達成するためには、人生のタスクと向き合わなければならないのです。

アドラー心理学の最終目標はここにあります。

 

では、いったい「人生のタスク」って何なのでしょう。アドラーによると、

「一人の個人が、社会的存在として生きて行こうとするとき、直面せざるを得ない対人関係の問題」です。

アドラーは3っつの「人生のタスク」を挙げています。

つまり、人生において必ず直面する3種類の対人関係を乗り越えて行かなくてはならない。と言うことになるのです。

 

 

その3種類とは、

①仕事のタスク

②交友のタスク

③愛のタスク

です。それぞれ関係の濃度が異なります。

「仕事」 < 「交友」 < 「愛」

の順で深い関係になっていきます。つまり、より難易度が高まってくるのです。

これらの対人関係から逃げることなく立ち向かっていくことで、壁を乗り越えることが出来ます。そうすれば人生の目標が達成でき、幸せになれるのです。

 

では、どうすればいいのでしょうか。

それは、他者を変えたりコントロールしようとするのではなく、まず自分を変えることなんです。

アドラー心理学は決して他人を変えようとするものではありません。あくまで自分を変えるための心理学です。

自分の在り方、考え方、行動を変えていくことで、おのずと周りも変わっていきます。と言うか、変わらざるを得なくなるのです。

 

けれど「自分を変える」ほど難しいことはないのかもしれません。難しいからこそ、私たちは手っ取り早く他人を変えようとするのでしょう。けれど他人だってあなた以上に変わりません。そのため不毛な戦いをしては、消耗し続けているのです。

けれど安心してください。アドラーはこんな形で私たちにエールを送っているのです。
「心理学的見地からも、精神的に健康な人は、人生の課題や困難がやってきたとき、それに対処するだけのエネルギーと勇気は十分に持っているものだ。」

 

参考・・・「個人心理学講義」、「人生の目標について」